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家づくりの設計・見積もり時の注意点(8/11)

プロの業者も見落としがちな室外機、給湯器などの配置に注意

2016/01/28 山田章人

家の設計においては、外観や内装などに気が行きがちですが、エアコンの室外機・給湯器など生活必需品の配置によっては、せっかくの見栄えが崩れてしまうことがあります。これらの設備をいかに美しく配置するか…。実は、プロの業者もあまり気を遣わないポイントでもあります。

着工までに押さえておきたいポイント

 家が完成してから「これらがこの場所にあれば美しかったのに…」と後悔しないように、着工前に以下の位置を確認しておきましょう。

(1)水回り関連…外流し、浄化槽、雨水竪樋、散水栓、排水桝
(2)計器類…ガス・水道メーター、給湯器、エコキュート、ガスボンベ
(3)そのほか…エアコンの室外機、電気・電話線の引き込み口、アンテナ、電柱

 これらのなかで特に注意したいのは、電柱です。敷地内にある電柱は、場合によって移設できることがあるので、設計上場所を変えたい場合は電力会社やNTTに問い合わせましょう。

こんなトラブルには巻き込まれたくない

 これらの設備の配置に気を遣わなかったばっかりに、後々からトラブルになるというのは少なくない話です。実際に、以下のようなトラブルが考えられます。

●外流しとエアコンの室外機を設置する場所が同じだったために、設計変更を強いられた
●給湯器やアンテナ、各種引き込み口が道から丸見えになってしまったために見栄えが悪くなった
●ガスボンベを道から一番遠くに設置してしまったために、交換が大変になってしまった
●計器類が車の通り道と重なるため、車が通るたびに音がする

 このようなトラブルは、設計時に打ち合わせをしておけば避けられるものばかりです。外観や間取りの設計だけではなく、実際にどの位置に設備を配置するかといったところも、着工までに決めておきましょう。

家の強度・防音効果を高める工夫

 次に、家の強度を高める方法を紹介します。

 家を強くするためには、単に柱や梁を太くしたり多くしたりすればよいと思いがちですが、実はそうでもありません。確かに、細いよりは太いほうが丈夫ですし、少ないよりは多いほうが安定します。しかし、コストがかかる割には大きな効果は期待できません。

 家の強度を高くするのにいちばん大切なのでは、柱や壁の「位置」です。各階の柱や壁の位置が一致する割合である「直下率」を高くすることで、家の強度も高まります。

 一般的には、柱の直下率は50パーセント以上、壁の直下率は60パーセント以上が目安とされています。また、同じ階の壁を直線状にすることも効果があります。過去の震災被害を見てみると、壁が直線状になっていない建物のほうが大きな被害が出ているようです。

 このように、複雑な形のデザインは強度が弱く、上下階とも同じ輪郭のほうが強度的には高くなります。また、壁・天井・床などに開けられた採光・通風のための開口部の形・大きさを見直すことで、家の強度を高めることもできます。

 わかりやすい目安として、耐震等級を業者に聞いてみてください。建築基準法を守ることで1、その1.5倍の強度として最高3まで3段階になっています。当然等級が多いほうが施工費もかかります。予算とのバランスを考えて、施工業者と相談してみてください。できれば、設計前に決めておいたほうがよいでしょう。

 そして防音については、壁を多重構造にしたりサッシを二重にしたりして効果を高めていきます。防音の問題をクリアせずに進めてしまうと、後々日常生活を苦痛に感じてしまう可能性のあるものなので、どのスペースにどのような音が伝わる可能性があるのかを考慮し、工法や素材を検討しましょう。

デザイン性よりも安全性を

 もちろん、上下階の輪郭が違ったり、円形の壁を取り入れたり、デザイン性を考慮した建物が好きだという人もいるでしょう。もちろん、そのようなデザインがダメだといっているわけではありませんし、設計士は建て主の思いを優先させてそのような図面を提出してくることもあると思います。強度が弱くなっても、建築基準法をクリアしていれば建設は可能です。

 しかしこれでは、震災被害を受けやすく、ひいては周囲に迷惑をかけてしまう可能性も否定できません。このような安全性についても丁寧に説明してくれる業者かどうかは、きちんとチェックしましょう。

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