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住宅ローンの賢い返済方法(3)

ボーナス返済をしてもいい人、ダメな人

2016/01/04 牧野寿和

ボーナス返済を選択しても問題のない人は、今後も安定した支給額のボーナスが必ずもらえる人に限ります。それ以外の人は、ボーナス返済には頼らず、毎月の無理のない額を返済してくようにしましょう。

ボーナス返済をしても問題ない人とは

 前の項目で紹介した「ボーナス返済」。基本的にはおすすめするものではありませんが、上手く利用すればとってもお得な仕組みです。ただ、失敗すると後々困ったことになってしまう場合もあります。では、どんな人であれば、ボーナス返済を行なっても問題ないのでしょうか。

 ここに、ボーナス返済をおすすすめできるAさんと、おすすめできないBさんがいます。それぞれの特徴と違いについて見ていきましょう。

 公務員のAさん。家計は余裕たっぷりとまではいかなくても、安定しています。ボーナスの支給も業績によって大きく減ったり、突然なくなったりということは考えにくく、今後も大きな変動はなくもらえることが予想できます。

 一方、会社員のBさん。年間の収入は平均より多めで、今年はボーナスも多くもらえましたが、来年も同じだけ支給されるかはわかりません。業績によっては、減ることもあり得ます。また、数年以内に他の会社への転職も考えていますが、転職先候補の会社はどれも年俸制で、ボーナスがありません。

無理のない返済計画を立てるのは大前提

 Aさんのケースでは、将来まで収入が大きく落ち込む不安もほぼ無く、ボーナスの支給も安定しています。返済計画が立てやすく、少し多めにボーナス返済に振り分けても大丈夫そうです。

 とはいっても長期に渡る返済期間中には、自治体の財政難などから給料削減が実施されることもあります。無理のない返済計画を立てることは大前提です。

 Bさんのケースでは、年収は多いのですがボーナスが不安定。支給が突然無くなる可能性もあります。子どもの進学も私立学校を希望しており、まとまったお金が必要になるかもしれないので、ボーナスはなるべく貯金しておきたいと考えています。

 このような場合、ボーナス払いを返済計画に大きく組み入れるのは、不安があります。ボーナス返済を利用したい場合は、基本的には毎月返済のみで支払うようにしておいたほうがよいでしょう。

ボーナスが大幅カットされてしまったら?

 最後に、ボーナスが大幅にカットされてしまったCさんの事例を見てみましょう。

 Cさんは住宅ローンを組む際に、月々の返済額をとにかく少なくしたいと考え、ボーナス返済を目いっぱい組み入れました。初めの数年はそれでよかったのですが、ある年の業績不振により、ボーナスがとても少なくなってしまいました。

 Cさんのように、それまでボーナス返済を利用していた人が突然ボーナスをカットされると、生活に大きな支障をきたしてしまいます。そのような時にとれる解決策は、大きく分けて2つあります。

住宅ローンの見直しか、借り換えを行なう

 ひとつは、住宅ローンの内容を見直して変更することです。
 個別で相談することになるので、金融機関によっては手数料がかかる場合もあります。相談の結果、「返済期間延長」、「ボーナス返済の額を減らす、ボーナス返済をやめる」、「一定期間の返済額を減らす」といった変更をすることになります。ただし、すべての金融機関で対応可能とは限りません。

 もうひとつは、ローンの借り換えを行なうことです。
 借り換えには諸費用が数十万円かかってきます。借入金残高や残りの返済期間などを考慮した上で、諸費用を用意できるなら検討してみてもよいでしょう。

 余談ですが、事態が深刻であれば、Cさんはマイホームから退去し、そこを賃貸し住宅ローンを返済していく。または売却も事態打開の方法になることもあります。

 ボーナス返済には、毎月返済額を安くでき、借入可能額を増やすことができるという2つのメリットがあります。利用者の多い返済システムではありますが、Cさんのような事態に陥った人も少なくありません。繰り返しになりますが、初めから慎重に無理のない範囲で返済計画を立てるようにしましょう。

■Aさんタイプ=ボーナス返済をおすすめできる人とは?
・安定した支給額のボーナスが今後も必ずもらえる人
・ボーナスの割合が年収に対して高い人
・クレジットカードの支払いにボーナス払いを利用しない人

■Bさんタイプ=ボーナス返済をおすすめできない人とは?
・ボーナス支給額が不安定な人、またはボーナスが無い人
・転職が多く、ボーナス支給額が少なくなる可能性がある人
・ボーナスを貯蓄や別の支払いなどにまわしたい人

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