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失敗しないリフォームの基礎知識(5/5)

リフォームか建て替えかで迷ったときの判断基準

2016/01/04 森田祥範

自宅リフォームを検討するとき、築年数の古い家に住んでる人は、「建て替え」も当然視野に入ってくるはず。リフォームか、建て替えか。迷ったときにどう判断すべきかを解説します。

建物の構造部分に問題はないか?

 リフォームか、建て替えか。ひとつの判断材料になるのは、お住まいの家がいまどんな状態にあるかということ。築年数に関係なく、基礎や柱など、建物を支えるのに重要な構造部分がどの程度劣化しているか? がポイントになります。言い換えれば、いまの家をリフォームしたとして、この先20年、30年を安全に住み続けることができるかどうか。

 たとえば、いまお住まいの家の安全性にそもそも問題があるのであれば、リフォームという選択肢は消え、建て替えという選択肢しか残らないことになります。現在の耐震基準が策定されたのは1981年。1980年以前に建てられた家はその基準を満たしていないため、たとえ建て替えなかったとしても、かなり大規模な耐震補強が必要になると予想されます。

 とはいえ、住宅の安全性は素人が見てもわかりません。築年数の古い家にお住まいの方、特に1980年以前の建物にお住まいの方は、専門家による耐震診断を受けることをオススメします。診断費用は簡単な調査で5万円から、詳細な調査で10万円からがひとつの目安です。耐震診断は自治体によっては補助金が出る場合が多いので市町村役場にて確認しておきましょう。

 ともあれ、いまのお住まいがリフォームに耐えうると確認できてはじめて、フォームか建て替えかの比較検討が可能になるのです。

満足度とコストのバランスはどうか?

 リフォームか、建て替えか。2つめの判断基準は、コストパフォーマンス。言い換えれば、家族の望む暮らしがどの程度まで実現できるか、そのとき費用はどれくらいかかるのか、その費用対効果を見るわけです。

 たとえば、間取りの自由度でいえば、建て替えのほうが断然有利。それぞれの家族の要望を取り入れた設計にすれば、家族の望む暮らしが実現できる可能性は高いでしょう。耐震性や環境性能など、先進的な機能を盛り込むことも可能です。ただし、建て替え=一棟丸ごと新築するわけですから、その費用はかなり高くつきます。また、建築中は仮住まいしなければならないため、仮住まいの家賃や引っ越し費用もバカになりません。

 一方、リフォームであれば、基本的には建て替えほどのコストは発生しません。暮らし続けながらの工事であれば、仮住まいや引っ越し費用も不要。とはいえ、リフォームであれば、建て替えほど大胆な間取り変更はできません。家族の満足度も、建て替えに比べれば低いでしょう。かといって、家族ニーズを満たすために大胆なリフォームを行なえば、建て替えとそう変わらないだけの費用がかかってしまう可能性もあります。

 極論をいえば、2000万円かけて90%の満足を取るか、500万円かけて60〜70%の満足を取るか。価値観は人それぞれですから、最後は家族で話し合って決めるしかありません。

 あるいは、手間はかかりますが、ハウスメーカーとリフォーム業者から相見積もりを取る方法もあります。ハウスメーカーには、家族の要望を説明して、それを実現するできるだけ安上がりな新築住宅を提案してもらいます。一方、リフォーム業者には、今後20〜30年住み続けられる補強を行なった上で、家族の要望をある程度実現できるプランを提案してもらいます。その2つのプランを比較検討して決めるわけです。

ライフステージの変化をどう考えるか?

 リフォームか、建て替えか。3つめの判断基準は、今後10〜20年の人生設計やライフステージの変化をどう考えるか。

 たとえば、高齢になったご両親の健康状態を考えてみてください。もしかすると、この先5年か10年くらいで、二世帯同居に移行する可能性はありませんか? あるいは、この先10年くらいで、子どもたちがそれぞれ独立して、いまの家に残るのは夫婦2人だけになる可能性もあるのでは?

 このように、家族構成などの要素がこの先流動的なのであれば、リフォームか建て替えかの結論をいま下すのは早計というもの。いまはとりあえず最低限のリフォームを施しておいて、「状況が変わりそうな5年後にまた考える」という判断もアリです。

 リフォームか、建て替えか。この機会に、ご自分の人生の行く末にじっくり思いを馳せてみると、また違ったリフォームの形が見えてくるかもしれません。

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