住まいのノウハウ講義 / 不動産投資 / 物件の選びかた

収益物件の裏を見抜くための知恵(2)

不動産投資のうまい話や広告に騙されないために注意すべきこと

2016/03/14 枦山 剛

広告は不動産投資を行なう際の重要な情報源のひとつです。しかし、これは投資に限らず不動産の広告全体にいえることなのですが、誇大広告と思われてしまうような内容も含まれていることがあるので、広告を鵜呑みにしない注意が必要です。

不動産投資をめぐる甘い誘惑

 書店の不動産投資のコーナーに行くと、「家賃収入1000万円」とか「300万円から始めて純資産●億円」などといったタイトルの書籍がたくさんならんでいます。不動産投資の知識のない人が見れば、「こんなにおいしい話があるのか!」「自分にもできるんじゃないか?」と思わず前のめりになってしまうことでしょう。

 もちろん、誰もが同じように儲かるわけではありません。もちろん、成功したからこそ書籍を出版しているのですが、たまたま投資した時期がよかっただけかもしれませんし、そのやり方がこれからも成功するとは限りません。同じやり方をして損をしたからといって、著者も出版社も責任は取ってくれません。

 こうした書籍ほどではないにしても、刺激的なのは不動産会社が出す広告も同じです。不動産投資セミナーの広告では、「自己資金ゼロから」「年収300万円から始められる」とか、「安定収入」「年収200万円アップ」といった魅力的な言葉が書かれています。

 こういう言葉を見ると、誰もが「儲かっている自分の姿」を想像してしまいがちですが、当然、必ず利益が出るというわけではありません。かといって、嘘が書かれているわけでありません。つまり、極端な例ではありますが1000万円の借金を背負ったとしても月々2万円の収入が確実に入るのであれば、「誰でも簡単に始められて(借金を背負って)、安定した収入(月々2万円)が得られる」ことに偽りはないのです。物は言いようというのは、まさにこのことではないでしょうか。

広告にはいろいろな工夫が散りばめられている

 ほかにも広告に対する「工夫」が見られます。「フルローンも可能」「低金利可能」と書かれているものがありますが、当然、誰もが可能なわけではありません。条件次第では、自己資金ゼロで始められたり、低金利の融資を受けられたりということもありますよ、という意味です。

「仲介手数料なし」を謳っている不動産会社も増えてきましたが、これは手数料に相当する金額を売買代金に乗っけているケースがほとんどですし、「家賃保証あり」というのもサブリース契約という相場より安い賃料で保証するだけの話です。

 このように、広告に嘘は書かれていませんが、読んだ人が「自分も儲かるんじゃないか」と思ってしまうようなさまざまな工夫がされているのです。

個別広告の「よすぎる条件」

 物件を探す際には、物件広告や募集図面を見て投資を検討することになります。なかには、とんでもない好条件が書かれているものもありますが、これも注意が必要です。

 これはひとつの例ですが、都心に程近いエリアで、駅からの距離や築年数を考えると破格の価格で売りに出されている物件がありました。ほかにも「入居率9割」「リフォーム済み」と書かれており、広告を見る限りでは非常に魅力的な物件でした。

 この物件に興味をもったAさんが実際に現地に行ってみると、全10室中、入居しているのは6室だけ、しかも空室になっている部屋はボロボロで入居者がつくような状態ではなく、リフォーム済みなのはすでに入居者のいる6室のうちの5室のみだったのです。

 これは話が違うとAさんが不動産会社の営業担当者にクレームをつけると、「ウチの規則では退去後1カ月以上経たないと空室扱いにはしないんです」「全室リフォーム済みとは書いていませんよ」と答えたそうです。

 さすがにここまで酷いケースはなかなかありませんが、都合のいいところだけを切り取って、嘘にならないようなギリギリの広告を出している不動産会社もあるということは知っておいたほうがいいでしょう。

入居率が高いと見せかける詐欺のような話も

 なかには遠隔地にある物件を、現地を見ずに買ってしまう人もいます。不動産会社が上顧客としている、いわゆる属性が高い人のなかには忙しくて現地を見に行く時間が取れないという人も少なからずいるためです。万が一、このような物件を悪質な不動産会社を介して購入してしまうと、後々のトラブルものらりくらりとかわされてしまうのは目に見えています。

 私のお客様から実際に体験したこととして聞いた話では、物件購入後に退去者が続出して違和感を覚えたので退去者の詳細を調査したら、退去者は全員、前オーナーの親戚だったのです。つまりサクラの入居者を入れて入居率を上げて売却後に退去という詐欺のような話です。

 うまい話には裏があるといいますが、後から「こんなはずじゃなかった」ということにならないように、広告に踊らされないリテラシーを身につけておきましょう。

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