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中古住宅の賢いリフォーム方法(5)

中古マンションのリフォームはこうする

2016/01/06 佐藤ゆみ

マンションのリフォームは、柱などの移動ができない木造在来工法の一戸建て住宅と比べて、自由度が高いリフォームが可能です。ここではマンションに特有のリフォームをまとめて解説します。

間取りのリフォーム

 中古マンションの間取りには、その時代ごとのライフスタイルが反映されています。そのため、ある程度の築年数を経たマンションの室内を見ると違和感があることもありますが、ほとんどの場合、間仕切り壁を撤去することによる間取り変更が可能です。

 撤去や位置の移動ができないのはコンクリートの構造壁と、パイプスペース(PS)、ダクトスペース(DS)の間仕切り用の壁です。柱などの移動ができない木造在来工法の一戸建て住宅と比べて、マンションは自由度が高いリフォームが可能なのです。

とはいっても、壁の内部には電気の配線やガス配管がなされていますから、撤去や移動をした後にそれらをどう処理するかは検討が必要です。また、壁に直に接している床と天井の改修も必要になってきますし、ドアの位置や開き勝手にも影響を受けます。予算もかかるので、壁の撤去は慎重に考えたいリフォーム項目です。

 壁を撤去して間取り変更をするリフォームでポピュラーな例は、南側に面する2室の間仕切り壁を取り去って、広い空間にするケースです。ワンルームのリビングダイニングにすることが多いようですが、可動式の家具を間仕切りとして活用することで、開放感のある新たな間取りにした例もあります。

バス、トイレのリフォームのポイント

 築年数が経った中古マンションでは、バランス釜のお風呂も見られますが、この場合は通常の浴槽交換が可能です。しかし、配管について考えれば水周り位置自体の移動はなるべく避けたいところです。新たに大きな窓を切るなどのリフォームもむずかしいのが実情です。

 ただし、バス、トイレが完全に独立して仕切られている物件でも、間仕切り壁を撤去して洗面所とバス、トイレをひとつの空間にまとめることはできます。また、バスの壁をガラス張りにすると視線が通って広々とした感覚を得ることもできます。

 トイレを快適な広い空間にするには、洗面所やバスルームなど周囲の水周りと一体化させるのがポイントです。配管はいじらず便器や洗面台の向きを変えることで、ひとつの入り口から入る広々としたワンルームスペースをつくることが可能です。

 既存の空間を生かす場合には、パーツを工夫して快適なトイレ空間にできます。便器をタンクレスやロータンクに交換することでも狭さの感覚をかなり緩和してくれます。また、頭上の空間を使った吊り戸棚より、足下の壁厚を利用した収納スペースを設けるほうが、使い勝手がよく、全体もすっきりします。

 新しい建材を選ぶ際には、においや湿気をとる壁材や、光触媒を使った専用のフロアマットもあります。お気に入りのインテリアを置くだけで、落ち着いたくつろぎ感も演出できるでしょう。

防犯のリフォーム

 一戸建てにくらべると、マンションは空き巣被害に遭いにくい傾向にあります。年々減少傾向にある空き巣ですが、マンションといえども防犯対策をおろそかにはできません。侵入経路はほぼ100%が玄関とベランダなので、この2カ所について重点的に防犯リフォームを考えましょう。

 侵入する気になれない、または侵入しかけても途中でそれを放棄させる工夫が各住戸に必要です。そのポイントは「時間がかかること」。犯人の5割が2分を超え5分近くかかったらその家への侵入をあきらめるという調査結果も出ています。そこで、「破りにくいドアと窓」が鉄則になります。

 空き巣の手口としては、ピッキングはもちろん、最近では「サムターン回し」という、外部からドア内側のサムターンを回して侵入したり、ドリルやバールで強引にドアを破る例が増えています。対策にはワンドア・ツーロックやカンヌキ用ガードがそれなりに有効です。油断しやすいのが、ベランダの窓から侵入されるケース。電柱を伝ったり屋上からロープをたらしたりすれば、高層階でも十分侵入は可能なのです。

 ベランダ側のサッシには補助錠をつけ、専用シールを貼ってガラスを割れにくくし、簡単にクレセント錠を回せなくするのは手軽な防犯リフォームといえます。さらに管理規約を確認して、割ったり切ったりしにくい合わせガラスの防犯窓ガラスに交換するのもよい方法です。

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