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中古マンションの賢いチェック方法(2)

中古マンションの耐久性、傷み具合はここをチェック

2016/01/04 菅 正秀

強度が保たれているかどうかは外壁のひび割れをチェックしましょう。また、フローリングのきしみ、窓のゆがみも気になるところです。暮らしの生命線である給排水・ガス・給排気・電気といった部分にも注目しましょう。

外壁のひび、コンクリートの強度

 中古マンションの強度が保たれているかを見るポイントのひとつとして、外壁のひび割れがあげられます。セメントに骨材と水を加えてつくるコンクリートは、作業時は軟らかく、乾燥すれば固く強くなる、建物になくてはならない材料です。

しかし、強いコンクリートも長い間の風雨にさらされて次第に劣化します。ひび割れから雨水が浸透し、鉄筋にさびが発生・進行すると、壁がもろくなり、はがれ落ちたりします。このように建物の強度に影響を与える深刻なものから、軽度のものまでいろいろあります。髪の毛程度の細いひび割れなら問題はないといわれています。

 ひび割れは補修工事もできるので神経質になりすぎることはありません。気になるようであれば、設計図書にコンクリートの強度が明記されているので、「品質基準強度」の数値が「設計基準強度」を上回っているか確認しましょう。ただし、設計図書は、管理人室に保管されている場合が多いですが、分厚い図面集なので、一般の人が見てもどこに何が書いてあるかわかりません。確認したい場合は、専門家に相談してみることをおすすめします。

床のきしみや窓のゆがみ

 物件見学に行って気になることのひとつが床のきしみではないでしょうか。音はもちろん、強度に問題がないか不安に感じるかもしれません。木造一戸建てでは、基礎部分から湿気が上がり、木材の床そのものが腐食してきしみや沈みが出ていることが考えられます。この場合、いわゆる「床が抜ける」という強度的な心配も出てきます。

 しかし、マンションは一戸建てと違い、建物の構造がコンクリートであるため、フローリングの床を施工する際のちょっとした不備がきしみの原因であることがほとんどです。リフォームでほぼ解決できるでしょう。きしみだけでなく、汚れやキズなどが目立っていたら、フローリングの張り替えの検討時期です。工事費の相場は6畳(10平方メートル程度)で約10万~16万円くらいです。

 床のきしみと同様に、窓のゆがみも気になるものです。これは床と違い、サッシの施工ミス以外に建物そのものの傾きなどの原因が考えられます。複数箇所がゆがんでいるときには、その物件の購入は控えたほうがいいでしょう。

水道、電気など共有部分の確認

 中古マンションを選ぶとき、間取りや台所・浴室などの設備に注意がいきがちですが、暮らしの生命線である給排水・ガス・給排気・電気といった部分にも注目すべきです。これらは、通常は床スラブの下やパイプ(配管)スペースを通っているため、目に触れることはありません。しかし、赤水や排気不良、電気容量不足などの不具合が生じれば、すぐさま生活に悪影響を及ぼします。

 また、いずれも共有部分と専有部分とが直結しているため、万一不具合が生じても専有部分だけ修繕してもあまり意味がありません。建物全体の管理・修繕の計画と連動した手入れが必要になります。個人で電気容量を増やそうと勝手に工事してトラブルになったり、排水管のつまりを直すのに階下の天井を壊さねばならず、多大な費用がかかったというケースもあります。

 こうした設備の代表的な修繕方法として、2つの工法があります。高圧で内部のさびを削り取った後に樹脂コーティングなどを施して既存の管を生かす「更生工法」と、管そのものを新品と交換する「更新工法」です。定期的に清掃していても、築十数年も経てば各管とも腐食が進み、大規模な修繕が必要となりますが、前述のとおり共有部分と専有部分がつながっているため、台所の横引き排水管など専有部分を修繕しようとしても、個人の都合で行えないことが少なくありません。

 入居後に不具合が発生して困らないようにするためには、事前に修繕履歴を確認しておくことです。契約する前に、不動産会社に依頼して「物件状況報告書」を見せてもらいましょう。

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