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中古住宅の売買契約時の注意点(6)

中古住宅購入後に欠陥に気づいたときは?

2016/01/06 佐藤ゆみ

住宅購入後に瑕疵(=欠陥)に気づいた場合は、契約書に記載されている範囲であれば、売り主に修復費用を請求できます。損害賠償請求や契約解除は、修復が困難もしくは修復に多大な費用がかかる場合に限ります。何よりも、契約を結ぶ前の確認が大切です。

契約解除と違約金

 ほかの項でも見てきたように、不動産売買契約を結んだ後の契約解除には、原則、違約金が発生します。違約金が発生しないのは、契約書の特記事項として記載されているいわゆる「特約」に該当する場合のみです。

 以下に代表的な契約解除理由と違約金の有無を列記します。

(1)ローン特約による解除
●内容
 住宅ローンの融資が下りなかった場合の解除。
●違約金の有無
 通常は「ローン特約」として契約書に記載がある。記載があれば、違約金は発生しない(記載のない場合は必ず記載してもらうこと)。

(2)買い替え特約による解除
●内容
 現住の物件を売却して購入費にあてる予定が、期限までに希望額で売却できなかった場合の解除。
●違約金の有無
 記載があれば、違約金は発生しない。売却予定で記載のない場合は必ず記載してもらうこと。

(3)手付解除
●内容
 不動産売買契約で手付金を支払ってから契約を履行するまでの間(通常は契約書に期限を定めて記載。契約後10日前後のことが多い)に、買い主の都合により解除する場合。たとえば急に転勤が決まったなど。
●違約金の有無
 手付金を全額放棄。

(4)手付解除期間後の解除
●内容
 契約書に記載された手付解除期間を過ぎてからの買い主都合による解除。
●違約金の有無
 売り主との話し合いによるが、買い主側の責任を問われるため、一般的には高額の違約金が発生。

(5)契約違反による解除
●内容
 たとえば、引き渡し日を守らなかったりするなど、売主が契約書に明記されている内容を守らなかった場合の解除。
●違約金の有無
 売り主に対して一定期間の催促を行なった上で解除できるとともに、違約金も請求できる。

住んでから問題に気づいたときは?

 住宅購入後に瑕疵(=欠陥)に気づいた場合は、契約書に記載されている範囲であれば、売り主に修復費用を請求できます。一般的には「シロアリの害」「建物構造上の問題」「給排水の設備の故障」などに限定されます。同様に責任を負う期間は、売主が個人の場合は2~6カ月に設定されていることが多いようです(売り主が不動産会社の場合は2年以上の決まりとなっています)。

 瑕疵に対する売り主の責任の範囲は、原則、修復費用のみです。損害賠償請求や契約解除は、修復が困難もしくは修復に多大な費用がかかる場合に限ります。売り主が瑕疵のあることを知っていながら隠していた場合は責任を追及できますが、〝瑕疵を知っていた〟ことを証明するのは容易ではありません。やはり何よりも、契約を結ぶ前の確認が大切です。

 もし瑕疵に気づいたら、すぐに不動産会社に連絡を入れましょう。立ち会いに来るまでの間、状況を保全するのがいちばんですが、その前に処置を施さなければならない場合は写真やビデオに収めて証拠を残しましょう。

クーリング・オフの適用はむずかしい

 クーリング・オフとは、定められた特定の取引について、契約書面を受け取った日から一定期間内であれば、契約を解除できる制度のことです。中古物件でもこの制度は適用されますが、以下の条件を満たしている必要があります。

〔適用条件〕
□売り主が不動産会社(仲介会社)
□契約場所が不動産会社の事務所以外
□クーリング・オフ制度について説明した書面をもらってから8日以内(8日以内でも、物件が買い主に引き渡され、代金を全額支払い終えている場合は対象外)

 中古物件の場合、売り主は個人のことがほとんどですから、クーリング・オフの適用はむずかしくなっています。

 仮に上記の条件を満たしていて、クーリング・オフを適用する場合は、契約解除の意思等を記した書面を作成し、クーリング・オフの説明を受けてから8日以内(消印が8日以内)に不動産会社に郵送します。間違いのないように、配達証明付内容証明郵便で郵送するようにしましょう。

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