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いまさら聞けない融資と資金の基本(7/11)

事業計画がなければ融資は受けられない

2016/02/24 赤石崇士

不動産投資をする際、現金で不動産を購入できない場合は「いかに融資を引き出すか」が最重要ポイントになります。その融資の引き出し方にはいくつかのコツがありますので、そのコツを3項目にわけて紹介していきます。1回目は「事業計画と収支計画」です。

事業計画書とは何か?

 金融機関の仕事は金利を取ってお金を貸しつけ、利益を得ることですので、成功しそうな事業には積極的に融資を行ないたいという考えがあります。ですから、不動産投資で融資を受けるために必要なのは、「その投資が成功する」という裏づけです。その裏づけとなるものが、事業計画と収支計画です。

「え?不動産投資に事業計画が必要なの?」と思う人もいるかもしれませんが、不動産投資もれっきとした事業ですから、事業計画がないとうまくいくものも失敗する可能性があります。

 簡単にいうと、事業計画とは「目的を設定し、その目的のためにどのような施策を行なっていくのか」を明確にしたものです。これを不動産投資に落とし込むと「不動産投資で利益を得るために、どのようなことをするのか」ということになります。

 たとえば、「ワンルームマンションを投資物件として1000万円の利益を出す」ことを目的とするならば、「どの場所の物件をいくらで買うのか」「家賃はいくらに設定するのか」「融資はどのように調達するのか」「入居人をどのように募るのか」「税金はどれくらいかかるのか」といった具体的な施策を明らかにしなければなりません。それをまとめたものが事業計画で、これにより金融機関を説得しなければならないのです。

事業計画ができたら収支の計算を

 目的と過程が明確になったら、お金に換算し収支が合うように調整します。これが収支計画です。この収支計画がしっかりしていれば、金融機関は安心して融資に向けて動き出すことができます。確実に利益が出そうな収支計画が提出されると、返済できなくなる可能性は低くなると判断されるので融資が通る可能性が高くなるのです。

 収支計算は、1年でどれくらいの利益が出るのかを予測したもので、1年間で使う経費と収入を表にし、1年間の利益・キャッシュフローを示したものです。

 一般的には「キャッシュフロー>税引き後利益+減価償却費-返済額(金利含む)」であれば、無理のない返済ができると考えられます。キャッシュフローがプラスになっているということは、返済を続けても現金が残っていくということですので、返済が滞ることはないと予想されます。

 もしキャッシュフローが赤字になったとしても、ほかの給与所得などでカバーできればいいのですが、この収支計画が合わない投資物件の購入は避けなければいけません。

金融機関に喜ばれる「数字に強い」投資家

 金融機関に融資を申し込む際は、金融機関から提出を求められる資料のほかに事業計画・収支計画を提出すると、融資にプラスに働くことが多いです。というのも、金融機関が融資の目安にするのが、どうしても数字になってしまうからです。この数字に強い投資家には、金融機関も信用しやすいので、「確実に返済が滞らない」と判断されると金利の優遇にもつながることもあるのです。

 金融機関のなかには、借入償還余裕率(DCR)という指標を採用しているところもあります。これは、家賃収入から経費を差し引いた額が返済額の何倍になるかを示す指標で、最低で1.2以上、1.5以上になれば問題がないといわれています。この数字を収支計画に織り込んでおくことも、戦略のひとつです。

 実はこのような書類を作成する投資家は少ないことから、金融機関にとっては安心材料のひとつとして融資の審査に大きく影響するといわれているのです。

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