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家づくりを成功させる業者選び(4/4)

住み始めた後も良好なパートナー関係を築くことができるか?

2016/01/26 菅 正秀

せっかく手に入れたマイホームも、住み始めてからいろいろな不具合が生じる可能性がないわけではありません。そのような時に、パートナーだった業者に再び助けを求めることになるかもしれません。

業者によって保証期間が違う

 家が完成した後、住み始めてから細かい欠陥の修繕を行なうのがアフターメンテナンスという制度です。この制度は、業者によって保証期間が違います。引き渡し後1年以内と規定している業者もあれば、10年間はOKという業者もありますので(ただし、住宅設備機器は、通常メーカー保証は1年です)、事前に確認しておきましょう。

 無料でメンテナンスしてもらえるケースが多いのは、床鳴り・クロスのひび割れや水回り・建具の不具合など、新築当初の工事が原因と思われるものです。もちろん、何か物をぶつけて窓ガラスを割ってしまった場合、ドアを逆の方向に開けて壊してしまった場合のような人為的過失は有償となります。

 このアフターメンテナンス、大手業者だからといって安心というものでもありません。大手は全国展開していますが、地方の支店であれば、支店自体がなくなる可能性もあります。大手業社に依頼したからといって、自分が依頼した支店が撤退してしまった後では、アフターメンテナンスの対応が後手後手になることもあります。

 その点、地元で評判のよい地域密着型業者のアフターメンテナンスは間違いありません。すぐに駆け付けてくれますし、トラブルの解決に奔走してくれます。このような対応ができるからこそ、地域で生き残っていけるともいえるのです。

主要構造部分に関しては10年間保証される

 アフターメンテナンスは細かい欠陥に対してのものですが、屋根や外壁、基礎や柱など主要部分に欠陥が見つかった場合は「瑕疵担保責任」により、業者が無料で修繕する(損害補償する)ことが義務づけられています。

 これは、「住宅品質確保法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」によって定められていて、住宅会社が保険料を支払い、2000万円を上限(オプションにより超える場合あり)に補償されます。欠陥の修繕費用はもちろん、引っ越し代や仮住居費など不具合によって生じた金額の補償を行なってくれます。

業者が発している危険信号を察知する

 業者がいつ営業活動を終了してしまうかは、買い主にはわかりません。ある日突然、倒産してしまうかもしれません。ちなみに、不自然な支払期日の設定を進めてくる業者は危険信号です。

 工事費について、契約時に1割・着工時に3割・上棟時に3割・完成時に3割を支払うのが一般的ですが、これが前倒しされている場合は要注意です。資金繰りが厳しいことが推察されるからです。倒産してしまっては、住み始めてから不具合が生じてもアフターメンテナンスを受けることができません。

 そのような場合に備えとなるのが「住宅完成保証制度」です。これは、業者が施工途中で倒産してしまったとしても、工事を他業者に引き継ぐことで発生した損失を一定額内で補償するという制度です。

「この会社は大丈夫」と自信を持って選んだ会社でも、念を押すためにも「住宅完成保証制度」を利用しているかどうかを確認しておきましょう。ちゃんとしている業者であれば、加入しているはずです。

 逆に「当社は倒産する可能性はないので利用していません」と言われた場合は、注意が必要です。純粋に加入を怠っているだけなのか、業者の財務状況により制度が利用できない状態なのかわからないからです。

 このように、家づくりは「発注して終わり」ではなく、住み始めた後も良好なパートナー関係を築くことで安心の住まいが実現します。土地探しや業者選び、やらなければならないことがたくさんありますが、将来的な安定した家族生活のためにも、いろいろな観点から業者選定をしてみましょう。そうすることで、本当に成功したといえる家づくりが実現するのです。

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