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後悔しない建売住宅の選び方(2/6)

住宅の性能表示制度について知っておくべきこと

2016/03/24 菅 正秀

ここでは、住宅の「性能表示制度」についてご説明します。これは全国一律の基準で、10分野32項目に渡り第三者機関の専門家が評価する仕組みです。任意の制度ですが、それだけに性能表示をしている住宅は信頼度が高いをいえます。

住宅の比較検討が容易に

 住宅の性能表示制度についてご存知でしょうか。全国一律の基準で10分野32項目について第三者機関の専門家が評価する仕組みが、品確法の柱のひとつ、住宅の性能表示制度です。全国一律の基準ということで、住宅の比較検討が容易になり、購入への安心感も高まります。

 住宅を購入する際には、その家の性能を数字で比較検討できるので、2000(平成12)年の施行当時には大きなインパクトを与えました。とはいえ、新築住宅の10年保証とは違い(こちらは義務づけられています)、性能表示制度については任意であるという注意点があります。

 つまり、不動産会社が性能表示を行なうかどうかを自由に決められるということです。年々住宅の性能への関心が高まっていることから、性能表示を行なう新築住宅の割合は少しずつ上昇していますが、マンションと比較すると一戸建ての性能表示の進展は遅れているといわれています。

 性能表示を第三者機関に依頼すると、一戸当たり10~20万円ほどのコストがかかります。これも性能表示がなかなか進まない一因ではありますが、逆にいうと性能表示を行なっている建物はこのような安心につながるコストを惜しまないということですから、優先的に検討すべき住宅ともいえます。

性能表示制度を活かすには

 このように、性能表示制度はまだまだ発展途上の仕組みではありますが、住まい選びの際にはどのように役立てていけばいいのでしょうか?

 住宅の性能表示の10分野32項目の性能については、多くの項目が2~5段階で等級表示され、数字が大きいほうが高い評価となっています。しかし、すべての項目で最高等級を得るのは至難の技、予算の際限がなければ可能かもしれませんが現実的にはどこかで妥協が必要になります。

 たとえば耐震性能を高めるために壁の面積を増やすと、窓の面積が小さくなり採光・通風に影響が出るなど、何かをプラスにしようとすると何かがマイナスになってしまいます。

 自分たちがどのような家に住みたいのか、どのような性能を大切にしたいのかの優先順位をしっかり決めて、ほかの項目とのバランスを取りながら取捨選択することが必要になります。

安心できる建設性能評価書つき物件

 性能表示制度には、設計段階で評価する「設計住宅性能評価」と工事段階で評価する「建設住宅性能評価」があります。

 後者の建設住宅性能評価を取得している物件については、引き渡し後にトラブルが発生した場合、費用1万円で各地の紛争処理機関(各地の弁護士会に設置)に調停を依頼できます。このシステムが、品確法の3つめの柱「紛争処理」です。

 住宅をめぐるトラブルは長期間に渡ることが多く、しかも専門的な知識が必要なため、裁判になると結審まで数年かかることもあります。勝訴したとしてもかなりの金額を持ち出すことになるので、1万円という費用でできる調停依頼は利用しない手はありません。

 実際、紛争処理機関の調停で解決したケースも多いようです。そもそも、建設住宅性能評価を取得しているという時点で、売り主は住宅に相当な自信を持っているということですから、トラブルの発生率自体が低下するのではと考えられています。

 住宅の性能という面からも、トラブルがあったときの紛争処理という面からも、建設住宅性能評価を取得している住宅を選ぶメリットは大きいといえるでしょう。

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