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失敗しない家づくりの基礎知識(5/10)

住宅メーカー、建築家と契約するまでの流れ

2016/01/20 山田章人

土地が決まったら、次はパートナー(住宅メーカー・工務店・建築家)との契約に進むわけですが、最終的な家の形だけでなく家族の生活の形態をも決めてしまう場面なので、家づくりにおける最重要項目ともいえます。契約までの流れは依頼先によって変わってきますので、その違いを紹介しましょう。

住宅メーカー・工務店の場合

 住宅メーカーのモデルハウスや相談会で設計の相談をすると、割とすぐに基本プランや概算見積書が完成してきます。もちろんこの相談ですべてが決まるわけではないので、候補となっている依頼先すべてからこの情報をそろえ、複数社のメーカーを比較検討し依頼先を決めます。

 依頼先が決まったら、詳細な打ち合わせを進め、基本設計から実施設計へと移っていきます。メーカーによっては、この時点で仮契約を結び、見積額の10パーセントほどの着手金が必要になることもあります。実施設計の段階で詳細な見積書ができあがりますので、設計はもちろん金額や工期についても合意すれば、工事請負契約を締結し工事に着工します。

建築家の場合

 建築家に設計・監理を依頼した場合、「設計監理業務委託契約」という正式な契約のタイミングは、建築家によって違いがあります。正式契約の前に「設計申し込み」「基本作成依頼」など、仮契約のような形で着手金が発生する場合が多いようです。そのような場合、建築家は着手金を受け取ってから基本プランを作成し、その基本プランの内容によって正式な契約を結ぶか結ばないかを決めるのが一般的です。

 設計監理業務委託契約を結んでから実施設計に進み、そこで合意が得られたら、建築家は複数の工務店に見積もり(相見積もりといいます)を取り、それぞれの見積もりの内容をチェックします。

 この時、同じ建物でもかなりの金額の幅が出てくる可能性があります。その金額には、建築家と工務店の関係性も大きく反映されていて、工務店が好意的な場合には、適正価格もしくは適正以下の価格で仕事を取りにきますが、工務店がこの仕事を避けたいと思った場合は相場よりかなり高い金額が出てきます。
 実はこのタイミングが、建築家がこれまでに工務店ときちんとした関係性を築けているかどうかのバロメーターになります。

 工務店が決まり、金額・工期に合意した後は、建て主と工務店が工事請負契約を交わし、建築家は監理者として契約を締結します。

 住宅メーカー・工務店を選びか、建築家を選ぶか、どちらのパターンでも、工事請負契約で未確定要素があるとトラブルの原因となりますので、不明点は契約までにすべて解消しておきましょう。

契約までの注意点

 このような過程を経て契約に至るわけですが、いくつか注意すべきことがあります。

(1)住宅メーカー・工務店の場合
 まず、住宅メーカーの場合、基本プラン・材料があらかじめ決まっているので、プランの提示は早く、見積もりも正確なのですが、標準仕様ではない部分に関してはメーカーにとってはイレギュラーになるので、コスト的に割高になる可能性が高くなります。ですので、どの部分が基本プランに入っていて、どの部分がオプション対応なのかを把握しておきましょう。

(2)建築家の場合
 建築家に依頼した場合は、かなり金額の幅が大きくなります。というのも、建築家の概算見積もりは、あくまで過去自身が手掛けた案件を参考にしたものなので、最新の仕入価格などが反映されていない場合があります。

 また、詳細な見積もりはかなり後の手順になるので、基本設計から実施設計に進む段階で大きく仕様が変更すると金額も跳ね上がります。その場合、建築家が設計内容の見直しを行ない、工務店に見積もりの再提出を依頼し最終的な金額を決めていきます。

 いずれにしても大きな金額が動くことは間違いないのが、このパートナーと契約というタイミングです。建て主の資金計画が崩れないよう、そして、資金を気にしすぎて理想の家づくりのために過度な妥協をしないよう、バランスを取りながら契約までのスケジュールを進めていきましょう。そのような部分の相談にも乗ってもらえるパートナーが見つかることが、最善であることはいうまでもありません。

 どの場合でも、高額な数字で判断しなければなりません。魅力的な提案で、ついついあれもこれもと要望を織り込んでいくと、あっという間に予算オーバーになります。

 老後までの資金計画をしっかり立てて、建設予算をしっかり確立し、それを守るようパートナーとも初めのうちに決めておきましょう。施工主もよかれと思い提案する場合もあれば、工事費を釣り上げるために過剰な提案をする場合もあるので注意が必要です。

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