住まいのノウハウ講義 / 不動産投資 / 空室対策のやり方

築年数に応じて募集対象の窓口を広げる

入居希望者のターゲットを広げる方法

2016/01/04 尾嶋健信

賃貸物件の入居条件である募集対象は、所有者の経営方針で決定するわけですが、「新築・築浅」「中古」「老朽化」の3パターンで同じというわけにはいきません。築年数が経つにつれて、募集対象の窓口を広げていくことでターゲットとなる入居希望者を増やし、空室を増やさないようにしていきます。

募集対象をどのように広げるか

 一般的に、以下のような募集対象の間口の広げ方があります。
(1) ペットOK
(2) ワンルーム→二人入居OK
(3) 日本国籍のみ→外国籍OK
(4) 水商売OK
(5) フリーターOK
(6) 生活保護受給者OK
(7) 高齢者OK
(8) 母子家庭OK
(9) ルームシェアOK
(10) マンスリー・ウィークリーなどの短期貸しOK
(11) 店舗・事務所としての使用OK

きちんと家賃を支払ってもらえるか?

 現代は、毎月安定した給料をもらえると思われがちなサラリーマンでも、ある日突然のリストラ通告を受け、その後定職になかなか就けないこともある時代です。

 また、大企業に勤めているような「属性がよい人」でも家賃を滞納したり、その逆に、無職であっても何とか工面したりするなど、「属性による安心感」はありません。結局、住む人の人間性次第なのが、家賃の支払いなのです。

 極端な話、誰もが生活困窮者になる可能性がありますし、属性だけで判断するのは対象を絞りすぎているきらいがあるのです。それが空室を生み出しているのかもしれません。

たとえば定期借家契約を結ぶという方法もある

 募集対象の間口を決めるときに一番大切なのは、あなたがどのような「経営方針」で賃貸物件を運営し、入居者の「審査基準」を決めるかです。入居希望者が生活困窮者である場合、「断る」という選択肢もありますが、あなたが決めた「経営方針」「審査基準」によって受け入れを決定するならば、契約面をどのようにアレンジするかがポイントになってきます。

 たとえば、定期借家契約を結ぶという方法もあります。これであれば、家賃を滞納する不良入居者に居座られることはありません。定期借家契約は、貸し主・借り主の合意のもと契約期間を自由に設定できる制度で、期間満了時に契約は終了し、貸し主が再契約しなければ借り主は退去しなければなりません。ですから、不良入居者が居座るリスクは軽減され、貸し主の権利はしっかり守られます。

 その一方で、普通借家契約は通常2年間の契約で、契約終了前に更新の意思を貸主・借主で確認しあい契約を継続するかしないかを決定します。この契約では、家賃の滞納は解約の正当事由に当てはまらないことから、実質的に大家側からの契約解除はむずかしいのです。

すでに入居している人たちの不満を抑えるには?

 とはいえ、現在入居している人たちとの相性も考慮しなければ、空室を埋めるどころかさらに空室が増えてしまう可能性があるのがむずかしいところです。過去に、このような失敗が起こっています。

 ひとつめは、20戸の学生専用マンションのケースです。このようなマンションは、春の入学シーズンを逃すとなかなか空室を埋めることができないので、大家さんと管理会社が「誰でもいいから入居させよう」と画策し、生活保護受給者や外国人の入居に踏み切りました。

 その結果、あまりに異質な雰囲気の入居者が増え、もともといた学生たちはどんどん退去してしまいました。学生たちが「ここは学生専用マンションのはずなのに」と思うのは当然でしょう。現在の入居者と比較して、あまりにも違和感のある入居者を取り込むことは絶対にNGです。

 ふたつめのケースは、ペットをOKした例です。もともとペット不可の物件をペットOKにするには、もともとの入居者の合意を得なければなりません。それが何もせず、いきなりペットが住み始めたらどうでしょうか。もともとの入居者にとっては、ルール違反となってしまいます。なかには「ペットが苦手だからこのマンションにしたのに」という人もいるかもしれません。

 このような不満が出ないようにするためには、事前にアンケートを取って入居者の意識を確認しておくことです。アンケートでは、ペットOKに変更するかどうか検討していることを伝えるとともに、ペット可にした場合の飼育の条件などを明記したうえで、入居者がどう考えているかを調査しましょう。

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