住まいのノウハウ講義 / 住宅ローン / 借り方、返し方

ケース別、住宅ローンの考え方(10)

共働きで余裕があるので借り入れ金額を増やしても大丈夫?

2016/02/26 牧野寿和

将来に渡って共働きを続けるのであれば、収入合算などで借り入れ金額を増やしたいと考える人も少なくないでしょう。ただし、借り入れ金額を増やせば当然返済の負担も大きくなります。共働きが続けられなくなった場合のリスクについても十分に検討しておきましょう。

収入合算などで借り入れ金額を増やすことは可能

 35歳会社員の男性Gさんと、32歳会社員の女性Kさん。来月結婚する予定だというおふたりは、さっそくマイホームの購入を希望しており、ご夫婦どちらとも、結婚後もずっと仕事を続けるつもりです。

 GさんとKさんは共働きになるので、家計には余裕があると考えており、できるだけ住宅ローンの借り入れ金額を増やしたいと考えています。どのような借り入れ方をするのがよいのでしょうか。

 GさんKさんの例のように、ずっと共働きを続ける意思があるなら、ペアローンで借りたり、ふたりの収入を合わせたりする(収入合算)ことも検討できます。これらの方法を使えば、借り入れ可能な金額を多くすることも可能です。

 まずペアローンで借りる場合、夫婦ふたりが各自で住宅ローンを借りることになります。まったく別の住宅ローンをそれぞれが利用することになり、どちらも自分の抱えるローンの債務者という扱いになります。ペアローンについては、「住宅ローンは必ずしもひとりで返さなくていいですか?」の項目(URL入る)でも解説しているので参考にしてください。

 次に収入合算とは、ローンを申し込む本人の収入に、同居する家族の収入を合わせて計算できる仕組みです。夫婦であれば、夫と妻のふたり分の収入をベースに住宅ローンを借り入れることになるので、借り入れ可能な金額も増えることになります。なお、財形住宅融資やフラット35の場合だと、債務者が申込者ひとりで、収入合算をする人は連帯債務者という扱いになります。

 ペアローンを活用する方法でも、収入合算する方法でも、借り入れ金額を増やすことは可能です。

借り入れ金額を増やせば返済の負担も増える

 しかし、借り入れ金額を増やせば、当然、返済の負担も増えます。計画通りに共働きを続けられれば問題ありませんが、もしも何らかの事情で続けられなくなった場合のリスクも十分に考えておく必要があります。

 夫婦がともに責任を負うこの方法は、返済の途中、何らかの事情によって共働きを続けられなくなったとしても、ローンの返済が免除されるわけではありません。ふたり分の収入をベースにして借りた金額を、ひとりの収入で返済していかなければならないことになります。

 ですから、借り入れ金額を増やすかどうかは、くれぐれも慎重に検討したうえで判断することをおすすめします。

住宅ローン返済より優先すべきこと

 GさんとKさんのおふたりは当初、ペアローンを活用して借り入れる金額を増やすことを検討していました。しかし、将来、共働きを続けられなくなった場合のリスクを考えて、必要以上に借り入れ金額は増やさず、自分たちのライフスタイルに合った住まい探しを進めることにしました。

 そして、共働きの強みを活かして、収入に余裕があるうちにできるだけ貯蓄をしておくことにしたのです。住宅ローンは借金だからと、収入に余裕があるうちにできるだけ繰り上げ返済をしておこうと考えがちですが、住宅ローン返済を優先するよりも、貯蓄と運用で教育費や老後資金を早めに準備したほうが、将来のリスクを軽減することにつながります。

 歴史的な低金利の恩恵で、少ない金利負担で住宅ローンを組める環境にありますが、それでもいたずらに借り入れ金額を増やすことは禁物です。収入源のリスクや教育費の負担なども考慮に入れて、無理のない借り入れを行ないましょう。

 また、新婚生活を始めるのにありがちなこととして、夫婦でひとつの家計を回していくことをわかっていても、GさんKさんとも、これまでのご自身の生活の延長上で、お金を使おうとしてしまうことです。まずはご夫婦の家計のルールをつくることも大切です。

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