住まいのノウハウ講義 / 不動産投資 / 物件の選びかた

収益物件の裏を見抜くための知恵(3)

利回りが下がっているいま、儲かる物件は入手できるのか?

2016/03/28 枦山 剛

不動産価格が高い水準にある現在、投資用物件は買いどきなのでしょうか? 残念ながら、いまは割安な物件が市場に出ることはあまり多くありません。しかし、市場がどんな環境であっても何らかの事情で割安な物件が売りに出ることは必ずあるのです。

「儲かっている物件」が売却に出ることがある

 都心部などの不動産価格が高騰している現在、「いまは投資用物件の買いどきではない」といわれることが多くなっていますが、このような状況でも「儲かる物件」を入手することはできるのでしょうか。

 確かに、現在は不動産価格が高い水準にあるため、いまは買いどきではなく、売りどきであるという人が多くなっています。実際、高い価格水準を受けて、保有する物件を高く売り抜きたいと考えている投資家が多くいるため、売りに出ている物件は多くあっても、割安の物件となると、そう簡単には見つかりません。

 しかし、市場がどんな環境であっても、投資用の不動産物件を探していると、「なぜこんな良質な物件(儲かっている物件)を手放すのか?」というような物件に出会うことがあります。所有し続ければ確実に儲かるのに、と思うかもしれませんが、不動産を売却するのにはさまざまな理由があるのです。

 投資用不動産を売却する理由としては、主に以下のようなものがあります。
・もともと転売目的の不動産業者が売りに出している
・キャピタルゲインを得るために売却する
・相続や税金対策のため
・不動産投資そのものをやめる
・空室が増えて収支が悪化したため売却する
・大きな修繕が発生する前に売却する
・破産処理のための売却
・買い替えによる売却
 このように、それぞれの投資家の事情があります。

 たとえば、投資にまったく興味のない人が、相続で投資用不動産を受け継いだ場合や、借り入れ金の返済のために投資物件を売却するような場合には優良な物件が割安に売りに出されることがあります。このように所有者が現金化を急いで売りに出す物件を、売り急ぎ物件といい、そのような物件に出会えたら幸運なことです。

 また、不動産の価格はわかりにくいものなので、単純に業者の言い値を信じて割安に売ってしまう場合もあります。これも買い手側からすれば割安な優良物件となります。

儲からない物件が変身することもある

 当然ながら、「儲からないから売却する」というパターンもあります。不動産投資を始めるにあたり見通しが甘いまま進めてしまった場合などは、持ち出しが全然減らず、将来的に損失が増えるくらいならと売却を選ぶケースもあります。

 儲からないというのは、単純にその物件の収益力に見合わない価格で購入してしまったとか、賃料設定を間違っているとか、リフォームなどにお金をかけすぎてしまったという収支計画の甘さが原因の場合が少なくありません。

 そういう理由で売りに出された物件であれば、単純にその分、安く購入すればいいのです。そして、事業計画・収支計画を立て直せば、十分利益を出せる可能性はあります。

 また、経過年数の多い物件で外観の劣化が著しい物件や、内装や設備のリニューアルがほとんどされておらずに、見栄えや機能が低いことが原因で相場よりも家賃が大幅に下落してる物件を購入して、リフォームやリノべーションで改装する方法もあります。

 この場合は改装後の家賃上昇額を算定し、その上昇家賃収入で、おおよその目安として5年未満で改装費が回収できればいい投資となります。もちろん、建物自体に瑕疵がないという条件つきではありますが、不動産はいくらでも「化ける」ものです。

 どんな物件であっても、その物件が利益を生むかどうか、大きな要因は改装費や購入費などの購入前後にかかる価格次第です。絶対的に儲からない物件は存在しないのです。

 近年は、特に都市部では不動産価格が高騰して割高になっているため、いい物件と巡り合うことがむずかしくなっています。とはいえ、さまざまな事情で割安な物件が出てくることもあります。いい物件が安い値段で売りに出ていても不思議はないのです。

 いい物件を見きわめるには、信頼できるアドバイザーを持つことはもちろんですが、物件を見る目を養うことが大事です。できるだけ多くの物件を見て、収支計算を行ない、見る目を養いましょう。

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