住まいのノウハウ講義 / 売る / 売却の基礎知識

かかる費用は意外に少ない

自宅の売却にかかる費用を知っておこう

2016/01/04 高橋正典

中古住宅の売却において一番の関心事は価格の設定ですが、実は売却時には諸経費などの費用がかかってきます。購入時にも多くの費用がかかりびっくりした方も多いと思いますが、売却時の費用はどのようになっているのでしょうか?

想像以上に少ないのが売却時の費用

 おそらく不動産を購入した時には、「え?」と思うくらい想像以上の出費がかさんだと思います。さまざまな税金や手数料などの諸経費については、次々とお金がかかる案件が出てきます。

 それでは、不動産を売却するときにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?

 購入時の出費を想像していると、「意外に少ない」と思うかもしれません。実際、「売却時の費用はどれくらいなのか?」というのは、売り主の多くが心配していることですので、「意外に少ない」ことは安心材料かもしれません。

出費の具体的な内容を知る

 以下が、不動産売却時の具体的な出費となります。

●仲介手数料…売却を依頼した不動産仲介会社に払う費用で「物件価格の3パーセントプラス6万円」(税抜)が上限となります。
●登記費用…住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消登記・住所移転登記などを司法書士に支払います。(報酬込みで2~10万円ほど)
●印紙代…売買契約書に貼付します。(物件価格が1000万円超~5000万円以下の場合1万円、5000万円超~1億円以下の場合3万円)
●引っ越し費用…所有物の移動はもちろん不要物の処分にもお金がかかります。

 ここまでは一般的に売り主全員に発生する費用です。以下は、発生する場合としない場合がある費用ですが、一応知っておきましょう。

●補修費用…クリーニングやリフォームを行なう場合にかかります。(5万円~)
●測量代…土地に関する測量や隣地との境界確定費用などがかかる場合があります。(20万円~100万円まで大きな幅がある)
●所得税・住民税…売却によって利益が出た場合の税金です。売却した年の1月1日を基準に、所有期間が5年以下は39.63パーセント、5年超は20.315パーセントとなります。ともに所得税・住民税の合算です。

売却価格を高くするためには多少の費用も必要

 売却価格を少しでも高くするために、「インスペクション」という方法を使う場合があります。これは、建築士などプロによる建物診断を行い、中古物件に安心と安全という付加価値をつけることができます。

 インスペクションを行うと、建物の欠陥の有無や劣化状態、リフォーム・改修の必要性などがわかります。そしてこの結果、「瑕疵保険(かしほけん)」に加入することができれば、最長5年間の保険保証が受けられることになり、引き渡し後に欠陥がわかった場合でも保険金が支払われる制度です。

 この瑕疵保険(かしほけん)、正式には「住宅瑕疵担保責任保険」と呼ばれるもので、新築の場合はハウスメーカーなどが10年間の保証を行うとともに付帯を義務付けられています。しかし、中古住宅の場合は売り主が個人の場合が多いため、保証は売り主によって違うのが現状です。

 そこでこのインスペクション→瑕疵保険加入という保証が、中古物件に価値を与えてくれるのです。瑕疵保険に加入できる物件は、築年数にかかわらず住宅ローン減税の適用を受けるというメリットもあります。

 インスペクションの一般的な費用は5~10万円ほどですが、買い主にとっても安心材料になるこの方法を採用することは、中古住宅の売却において強い味方になってくれます。

 また、同時に「住宅履歴」を整備することも買い主へのメリットになります。これは、新築時の設計図面や地盤調査報告書、建物のリフォーム・メンテナンスの記録や、インスペクションの結果などの情報を保存しておく仕組みのことで、買い主への情報開示を行うことで購入の参考に役立てることができる制度です。

 このように、中古住宅の売却時には必ず発生する費用と、発生しない場合がある費用があります。売り主の状況によりインスペクションが有利に働くことも多くありますので、いろいろな選択肢を検討しながら、諸経費などの費用についても計算しておく必要があります。

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