住まいのノウハウ講義 / 住宅ローン / 借り方、返し方

ケース別、住宅ローンの考え方(12)

夫婦、または親子でローンを組む場合の注意点は?

2016/02/26 牧野寿和

夫婦や親子で住宅ローンを組むこともできます。収入合算やペアローン、リレーローンといった方法があります。ここでは、夫婦で組むローン、親子で組むローンの種類と内容、そうしたローンを組むときの注意点についてお伝えします。

夫婦でローンを組む場合

 夫婦で共働きをしているなど、収入が一カ所からではない家庭も多くあります。そういった場合は、住宅ローンもひとりで返す場合とは違った形を取ることができます。ここでは、そうした住宅ローンを組むときの注意点をお話しします。

 まず、共働きの夫婦が返済する主な方法としては、以下の3つがあります。

(1)夫または妻が単独名義で住宅ローンを組む
 夫か妻のみの年収で借入れが可能な場合。または夫か妻に健康上など何らかの問題があり住宅ローンが組めない場合です。

(2)収入を合算する
 ひとつ目は、夫婦の収入を合算して住宅ローンを借りる方法。収入を合算することで借り入れ金額を増やすことも可能です。ローンの名義人を夫ひとりとして収入合算する場合、妻が「連帯債務者」か「連帯保証人」で、住宅ローン控除が受けられるか変わってきます。

 財形貯蓄融資やフラット35で収入合算した場合は、妻は「連帯債務者」となり夫婦でローンの借入額を按分して夫婦とも住宅ローン控除を受けることが出来ます。しかし多くの銀行の住宅ローン(一部の金融機関を除く)は、この場合、妻は、「連帯保証人」となることが多く、夫のみが住宅ローン控除の適用を受けることが出来ます。

(3)ペアローンを組む
 3つ目は、ひとつの物件に対して夫婦がそれぞれ別々にローンを組んで返済していく方法。「ペアローン」とも呼ばれるこの方法では、完全に違う複数のローンを組み合わせることになるので、金利タイプや返済期間が異なるものをあわせて使うことができます。

 ただし、別々の金融機関でローンの借入れを希望した場合、各金融機関の抵当権の順位の同意を得ることができなく、ローンが組めないことがあります。

親子でローンを組む場合

 また、ふたりで行なうローン返済は共働き夫婦に限った話ではありません。同居を前提とした二世帯住宅の場合、親子で返済することも考えられます。

 親子の年齢差を考慮している点で特徴的な返済方法が、「リレーローン」です。親子リレー返済とも呼ばれるこの方法は、親世代の年齢が高い場合によく使われます。

 高齢が理由で長期のローンを組めない親が住宅ローンを組む際に、子が連帯債務者となりローン返済を引き継ぐことで、長期のローンが組めるようになるというものです。このリレーローンを利用すれば、「長期ローンを組みたくても組めない親」と、「働き始めてはいるがまだ収入が少ない子」の双方の希望が満たせます。

 ただし、リレーローンには注意点も多くあります。まずリレーローンは、親も住宅ローンの債務者になるので、親自身に返済能力がなければいけません。少なくとも借り入れ時には収入が必要です。

 それにリレーローンには、親と子のどちらがどういう割合で返済するのか、あるいは返済したのかが、わかりづらくなる恐れもあります。そうなると、親子間の金銭トラブルにつながってしまうかもしれません。同居して生活していくために二世帯住宅を購入するのに、そんなことになったら大変です。

 また、同居を子どもの家族以外にも子どもがいる場合、その子たちを含めた、親の相続の問題、この場合遺産の分配の方法を事前に決めておく必要があります。

 ふたりで行なうローン返済は、ひとりで返済を行なうよりもリスクが小さいとされます。しかし、気をつけなければいけない点は、むしろふたりで返済するケースの方が多いかもしれません。家族と慎重な話し合いを重ねた上で、安心安全な返済計画を組んでいきましょう。

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