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住宅ローン控除の基本と賢い使い方(5/7)

夫婦で住宅ローンを組む場合の注意点は?

2016/01/30 高橋敏則

共稼ぎの夫婦がマイホームを購入する場合、お互いが資金を出し合う場合があります。自己資金や住宅ローンが、複雑に絡んでくるこのような場合に名義はどうすればいいのか、いろいろなパターンを紹介していきます。

共有名義にする場合は?

 たとえば、夫・妻それぞれが自己資金500万円ずつ(合計1000万円)を用意し、3000万円を住宅ローンでまかなうとしましょう。この時に、住宅ローンを夫が2000万円、妻が1000万円負担したとすると、夫の資金提供は2500万円、妻の資金提供は1500万円となります。

 この時、2分の1ずつの共有名義にすると、夫が妻に500万円の贈与をしたと判断され、贈与税が課税される可能性がでてきます。なので、共有名義にする場合は「提供した資金に応じた名義にする」ことが大切です。

 銀行からは、夫・妻の連帯債務を求められると思います。この連帯債務という考え方は「共同で借入している」という意味で、銀行(債権者)に対して各債務者(夫婦それぞれ)が借入額の全額について返済義務を負うものです。

 つまり、借入金が連帯債務であるということは、夫婦間で返済割合を決めることで持ち分の分け方も決まるというわけです。

連帯債務の割合の決め方

 連帯債務の場合、一般的には夫婦の収入の割合で決めることが多いようです。たとえば、夫婦ともに収入が同じような場合は、返済割合も同じにして連帯債務の割合も5:5とします。このとき、マンションの名義は夫2分の1、妻2分の1とします。

 また、連帯債務はふたり共同で返済するものですが、それぞれが返済義務を負うので、前述の例でいうと住宅ローン3000万円については、夫が3000×2分の1で1500万円、妻も3000×2分の1で1500万円が住宅ローン控除の対象額となります。

 また、例の場合でいうと自己資金1000万円をどちらか(便宜上、夫とします)が用意し、住宅ローン3000万円もすべて夫が返済することになっているものの、共働きのため銀行の要請で連帯債務になってしまうことがあります。ですが、この場合は、資金提供者が夫に偏っているので、名義も夫に統一し、住宅ローン控除も夫に3000万円が対象として適用されます。

「連帯債務」と「連帯保証」の違い

 おそらく、連帯債務と似た言葉で「連帯保証」という言葉を耳にした人も多いと思いますが、意味合いとしては全然違います。

 連帯債務は夫婦共同の借り入れであるのに対し、連帯保証はどちらか単独の借り入れについて連帯保証人となる考え方です。

 連帯債務で返済割合が2分の1ずつとなっている場合は、毎月夫婦それぞれが同額を返済していかなければなりませんが、連帯保証の場合、夫が単独で借り入れしたものの返済が滞った時にのみ妻にも返済義務が生じるものです。残念なことではありますが、夫が何らかの原因で月々のできが出来なくなってしまった時に、銀行は連帯保証人である妻に返済するようお願いをするということです。

 このような観点から、妻が連帯保証人になる場合において、借り入れ金はすべて夫が返済するという意味になりますので名義も夫単独となります。逆に、このように夫がすべての資金を提供しているにも関わらず共有名義にした場合は、夫から妻への贈与と判断されるので注意が必要です。

資金計画をしっかり立てよう

 このように、共有名義と連帯債務の持分割合は綿密に絡み合っています。ちゃんとした理解がないまま進めてしまうと、後から住宅ローン控除どころか贈与税課税の対象になるなど損をしてしまうこともありますので、夫婦で慎重に話し合い決めていきましょう。

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