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失敗しない家づくりの基礎知識(8/10)

家が完成してから入居までにやるべきこと

2016/01/20 山田章人

夢のマイホームが完成! ついに新居に引っ越しだ! といいたいところですが、家が完成してからさまざまな手順を踏んで、正式に建て主のものになります。それではどのような手順を経て、無事引っ越しができる状態になるのでしょうか?

最後の関門・竣工検査

 建物が竣工(完成)すると、施工主は「工事完了届」を建築主事を置く行政庁か、民間の確認検査機関に提出します。そして、建築確認申請時の図面通りに施工されたかどうかの確認を受けた後、問題なければ「検査済証」が発行されます。

 確認申請に伴う検査とほぼ同時期に併行して、建て主が立ち会う竣工検査が行なわれます。この検査では、仕上げの具合や設備・器具の点検や使用方法の確認などが行なわれます。この時に不具合が発見されると、「駄目工事」と呼ばれる手直しを行ないます。

竣工検査ではここをチェック

 竣工検査で主にチェックしておきたい項目は以下の通りです。

(1)外部
基礎・外壁・屋根…ひび割れ・傷・汚れ
ドア・窓…傷・へこみ・鍵の開閉
タイル…ひび割れ・浮き
バルコニー…排水

(2)内部
床・天井・階段・クロス…傷・へこみ・きしみ
収納…棚・パイプの取り付け具合
畳…隙間・沈み・色むら

(3)設備関係
キッチン・バス・洗面台…傷・汚れ・水漏れ
トイレ…便座の開閉・ウォシュレット
電気・給湯器・冷暖房器具…正常動作

 また、この竣工検査時に発見されなかった不良個所についても、「主要構造部に関わり、竣工時にすでに発生していたと考えられる不具合」については、竣工後10年以内に限り施工者の責任で補修することになります。

引き渡し時に大切な書類を受け取る

 竣工検査で問題がなければそのままの状態で、問題があったときは駄目工事が終わった状態で、玄関の鍵や引き渡し証明書などの書類を受け取り、建物の引き渡しとなります。

 このときに受け取る書類は、設備の取扱説明書のほか大切な書類ばかりですので、必要な時にすぐ取り出せるよう保管場所を決めておきましょう。

 特に以下の書類は、次のようなタイミングで必要になりますので大切に保存しましょう。

●建築確認申請書・検査済証…表題登記時
●各種設備の保証書・取扱説明書…故障時
●工事施工写真・竣工写真…トラブル発生時・メンテナンス時

引き渡しから1カ月以内に登記をする

 引き渡しから1カ月以内にしなければいけないのが、建物の表題登記の手続きです。続いて保存登記をし、登記済証(権利証)の交付を受けます。金融機関から融資を受けている場合は、抵当権の設定登記も必要になります。

 これら登記にかかわることは、いずれも専門知識が必要なので専門家に依頼するのが一般的です。表題登記は土地家屋調査士に、保存登記・抵当権設定登記は司法書士に依頼をします。自分で専門家を見つけるのがむずかしい場合は、パートナー(住宅メーカー・工務店・建築家)に相談すると紹介してくれます。

 登記がすまないと住宅ローンの融資が実行されないことがほとんどなので、施工主への支払いの約束も考慮して早めの登記をおすすめします。施工主から引き渡しの日が最終的に決定され次第、司法書士など専門家に相談しておいたほうがよいでしょう。

家に関する保険にも入ろう

 また、万が一のために保険への加入も必要です。なかでも火災保険と地震保険は加入しておいたほうがよいでしょう。

 火災保険は、鉄筋コンクリート造などは保険料が安くなりますが、木造建でも「省令準対火構造」という防火性のあるつくりの場合には保険料が下がります。たいていの火災保険が落雷や風災による損害にも対応していますし、その他の損害も補償する住宅総合保険も充実しています。

 また、地震や火山噴火、それに伴う津波などによって起こる損害に対しては、地震保険にも加入する必要があります。ここで注意しなければならないのは、地震保険は単独で入れないため、必ず火災保険とセットになっていることです。保険金額は、セットになっている火災保険の保険金額の30~50パーセントと決まっていて、建物は5000万円、家財は1000万円という上限が設定されています。


 工事中は施工主が火災保険をかけていますが、鍵を引き渡した時で保険が切れます。つまり、火災保険をかける日にちはこの日を厳格に守るよう事前に準備しておきましょう。

 火災保険は契約会社によって、保険料に差があります。施工主が提携していて決められている場合もありますが、可能な限り各社比較してみるほうがよいでしょう。

 このように家が完成した後には、さまざまな検査や申請、保険の加入など建て主がやらなければいけないことがたくさんありますので、最後の最後まで気を引き締めて取り組んでいきましょう。

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