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契約・工事で知っておくべきこと(2/3)

家づくりにはさまざまな工法がある

2016/01/29 山田章人

家づくりにはさまざまな工法があり、ここ日本ほど数多くの工法をもっている国はありません。それぞれに利点があり、業者によっても得手・不得手があるので、どの工法がベストだとは一口にはいえませんが、地震大国・日本においては耐震性を考慮して工法を選ぶのがいいでしょう。

伝統的な「木造軸組工法」

 日本における最も伝統的な工法が「木造軸組工法」です。木造のイメージとして、「デザインが限られる」「強度・耐久性が弱そう」というイメージがあるかもしれませんが、工法も使用する資材も進化していることから、そのような心配はありません。

 阪神淡路大震災の際に倒壊した建物のほとんどが、この工法だったという誤解があります。実は倒壊した建物は1981年以前の耐震基準によって建てられたもので、平成に入ってからの新しい基準で建てられた建物は大きな被害を受けなかったのです。

 この木造軸組工法は、柱・梁で骨組みをつくり、柱と柱の間に筋交い(*)を入れることで強度を増しています。このように、木の軸をベースにしていることからこの名前がついています。

(*)筋交い…地震や風などで倒れたりしないよう、建物を強くするために、柱の間などにななめに交差させてとりつけた部材

 軸で建物を支えるので、壁の配置について制約を受けないことが特徴で、大きな間口をつくることもできます。また、採光・通風に優れた間取りが可能ですし、広い空間を活かした設計もできます。そして、増改築が容易なので将来的にリフォームを考えている家にも向いています。

 しかし、伝統的な工法であるがゆえに施工業者の経験値によって、技術の差が出やすい工法ではあります。最近は工場での木材の切断・加工の技術が進んでいることから大きな差は見られなくなりましたが、やはり経験豊富な業者に頼むに越したことはありません。

「ツーバイフォー」とは何なのか

「ツーバイフォー」という言葉は、わりとよく耳にするかもしれません。これは、主に2センチ×4インチの基本規格品をベースに組み立てる工法で、耐震性・気密性・断熱性に優れている工法です。

 もともと「誰にでもできる家づくり」をコンセプトに開発された工法なので、技術の差は出にくく工期も短いのですが、1階から組み立てていかなくてはいけないので、建築途中で悪天候に見舞われると材料が水を含んでしまい性能低下を招いてしまいます。

 また、壁で支える工法なのでリフォームがむずかしいことから、将来的にリフォームを検討しているのであれば避けたほうがいい工法かもしれません。

高価だが自由度が高いRC造り

 引っ張る力が強い鉄筋と圧縮する力に強いコンクリートを組み合わせて作るのがRC造り、鉄筋コンクリートづくりです。

 この工法はかなりの重量になるので、がっちりとした基礎工事が不可欠です。柱・梁となる鉄骨を組んでからコンクリートを流し込んでいくのですが、コンクリートは自由度の高い素材であることから、さまざまなデザインに対応しています。ただ、専門の構造計算が必要になりますし、コンクリートの流し込み作業がうまくいかないと建物の寿命に大きな影響を与えてしまいます。

 このようにRC造りは、丁寧な施工がそのまま建物の寿命に直結する工法です。また、建築コストが木造に比べるとかなり高価になり、スケジュールも2カ月ほど長くなります。

耐震性に優れる鉄骨づくり

 強度に優れた鉄骨を組み合わせるのが鉄骨づくりです。軽量素材を使用する「軽量鉄骨造」と重量素材を使用する「重量鉄骨造」があります。

 軽量鉄骨造は、筋交いの部分にブレースと呼ばれる材料を使用し、強度を高めているのですが、材料の品質が安定している一方で、規格化により寸法が限定されているというデメリットがあります。逆に重量鉄骨造は寸法の制限がないことから自由度も広いですし、広々としたリビングをつくることなども可能です。

 軽量鉄骨造も重量鉄骨造も、ともに耐震性には優れていますが、コストはやや高めです。

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