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リフォーム予算と費用の賢い決め方(3)

床が沈む場合の補修費用は数千円〜数十万円

2016/01/30 森田祥範

悪質な業者にダマされないよう、賢い消費者としては、リフォームの適正価格を知っておくべきです。本項では、歩くと沈む床の補修費用について解説します。

床の構造について知っておく

 1階床の特定の部分が、足で踏むと沈む…。築年数の古い木造一戸建て住宅でよく見られる現象です。床が沈むという不具合を補修するのに、費用はいくらくらいかかるのでしょうか。

 それは、床のどの部分が傷んでいるかによって違ってきます。

 一般的に、木造住宅の床は下から順に次のような部材で構成されています。

・コンクリート基礎または束石(つかいし)
・土台または束(つか)
・大引(おおびき)
・根太(ねだ)
・下地材(合板)
・仕上げ材

 四角く囲まれたコンクリートの基礎部分に、アンカーボルトで直接連結される木の部分が土台です。そして土台を橋渡しするように何本も乗せられている角材(または板材)が大引、さらにその上に、大引と直角になるように何本も渡された角材(または板材)が根太になります。

 つまり、格子状に組まれた大引と根太が床板(下地材と仕上げ材の2層)を支えており、大引と根太を土台とコンクリート基礎が支えているわけですね。

 ただし、土台は基本的に壁の設置面の下にしか存在せず、土台と土台の間隔が開きすぎているため、このままだとその上に渡した大引と根太がたわんでしまいます。そこで、土台の土台の間に、一定の間隔で支点となる束石を設置し、その上に束という短い柱を立てて、大引を支えています。

束石と束の隙間の補修は数千円単位

 1階床が沈むということは、これらの構造物のどれかに不具合が生じていることになります。

 比較的よく見られるパターンが、束石が地面に沈みすぎていること。通常、束石は土の中に全体の3分の1ほどが埋められていますが、地盤が軟弱だと、束石がさらに深く沈んでいることも。そうなると、束石と束の間、あるいは束と大引の間に隙間ができてしまうので、その真上を踏むと床が沈む、という現象が起きます。

 この場合、キッチン床下収納庫などに設けられた床下点検口から床下に入ることができれば、補修は簡単にできます。束石と束の隙間、あるいは束と大引の隙間に楔を打ち込み、金具や接着剤で固定するだけ。費用は一カ所数千円程度ですむはずです。

仕上げ材のはがれは数万円、床下の腐食は10万〜20万円

 次によく見られるのが、根太の上に張られた下地材と仕上げ材の接着剤がはがれてきているケースです。本来、下地材と仕上げ材は接着剤でぴったり貼り合わされているはずですが、接着剤が経年劣化ではがれてくると、どちらかの板がふわふわ浮いた状態になり、踏むと沈むように感じられます。

 この場合は仕上げ材の部分的な張り替えで補修ができます。その部屋(あるいは廊下)だけ床の高さが変わってもいいのであれば、いまの仕上げ材の上から別の仕上げ材を張ってしまう方法もあります。費用は、張り替える面積にもよりますが、おそらく数万円程度。DIYで上貼りをやってしまうのであれば、数千円単位で修理は完了します。

 ごくまれに見られるのが、根太や大引の木材が腐食しているという最悪のケース。床が50センチメートル以上の広い範囲にわたって沈む場合、あるいは浴室などの水回りに近い床が沈む場合は、こうしたケースも覚悟しなければなりません。

 このケースの補修はかなり大がかりになります。床板をはがし、木材の腐食している部分を切り取り、かわりとなる木材を相欠け継ぎなどではめ込み、接着剤と金具で補強します。通常、かわりの木材は腐食に強いヒノキ材を使い、仕上げにヒバ油を塗ります。

 この場合は熟練の職人さんでないと施工できないので注意が必要です。腐食している面積が広い場合は、10万〜20万円程度かかることもあります。

 ただし、改修部位によっては、建具等の取替えが必要な場合もあります。思わぬ出費にならないように、事前調査をしっかりと行なうことが大切です。

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