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土地選びの基礎知識(5/8)

建ぺい率、容積率のほか、家づくりにはどんな規制があるのか?

2016/01/23 菅 正秀

前項では、家は土地によって制限されるということ、つまり法律や土地の状況などで家の設計に制限がかかることをご説明しましたが、ここでは建ぺい率、容積率はもちろん、そのほかの規定についてもう少し詳しく紹介していきます。

都市計画法と建築基準法

 家の建設に大きくかかわってくる法律が、都市計画法と建築基準法です。そのうち、都市計画法は都市計画区域や用途地域に関する法律であることは「家を建てていい土地、ダメな土地の調べ方」で紹介しました。

 もうひとつの建築基準法ですが、この法律は「単体規定」と「集団規定」から成り立っています。単体規定とは建物の安全性・衛生を確保するためのもので全建物に、集団規定とは市街地環境を良好にするためのもので都市計画区域内の建物だけに適用されます。

建ぺい率・容積率が家の大きさ・高さを決める最大の基準値

 敷地面積に対する建物の面積の割合である建ぺい率と、同じく延床面積の割合である容積率は、建築基準法の集団規定により計算方法が定められている数値です。

 この両方の数値の上限以下になるように家を建てなければ、法律違反ということになります。この数値は用途地域ごとに、都市計画にしたがって上限が設定されています。

 都市部の狭い土地では、上限ぎりぎりの面積を確保することになるのですが、突出部分が1メートル以下のバルコニーや庇は建築面積から、地下室やカーポートは延床面積から除外できるので、そのような算入しなくていい部分をうまく活用していきましょう。

用途地域や道路による規制

 用途地域による規制も存在します。たとえば、第1種・第2種低層住居専用地域では、建物の高さが10メートルまたは12メートルを超えてはならないという規定があるので、それより高い建物は建てられません。

 このほか、戸建住宅に関する高さ制限としては、「道路斜線」「北側斜線」「隣地斜線」「日影規制」があります。「隣地斜線」は高さ20メートル以上の建物に対する規制なので、戸建住宅にはほとんど影響がありません。

(1)道路斜線とは?
 まず道路斜線ですが、道路とその両側の建物の日照・採光・通風を確保する規制で、前面道路の反対側の境界線から決められた勾配の斜線の内側に建物を納めることを規定したものです。建物を道路から後退させることで、緩和させることができます。

(2)北側斜線とは?
 そして北側斜線は、住居系の用途地域で設定されている規則です。これは、敷地の北側の前面道路の反対側の境界線もしくは北側の隣地境界から、一定の高さ(垂直距離)から立ち上がる斜線内に建物を納めなければいけないという規定で、用途地域によって数値が変わります。

(3)日影規制とは?
 最後に日影規制ですが、これは建物が敷地周辺に落とす影を制限するものです。良好な住環境を確保することが目的で、第1種・第2種低層住居専用地域内では、戸建住宅でも3階建て以上や軒の高さが7メートルを超える建物が対象となっています。日影は、その時間時間によって変化していくものですので、その検証方法は少々複雑です。

専門家からの説明を受けよう

 このように法律で定められている数値は、日常生活ではなかなかお目にかからないものですので、ピンとこないものも多いと思います。ハウスメーカーや工務店などは、これらの数値を守りながら設計を進めるので、希望していた家とは少し違うものが提案されるかもしれません。

 そのときに、このような規制があることを知っているか知っていないかで満足度も変わってくるはずです。その土地にどのような制限がかかっているかは、専門家であるハウスメーカー・工務店などに説明を求めましょう。

 まずは自分の選んだ土地が自由自在に使えるのではなく、さまざまな制限があり、そのなかで自分らしい家を建てることができるということを理解したうえで、土地探し・家づくりを進めてみてはいかがでしょうか?

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