住まいのノウハウ講義 / 買う / 中古住宅の買い方

中古マンションの賢いチェック方法(7)

建物の強度などはプロに調べてもらうこともできる

2016/01/04 菅 正秀

不安な場合は建物調査サービス等を利用

不安な場合は建物調査サービス等を利用

 国土交通省が2015年に実施した「土地問題に関する国民の意識調査」の結果によると、購入を希望する住宅の種別に関する問いについて、「新築」が61.2パーセント、「中古」が1.4パーセントでした。一見中古を選ぶ人は少ないように思えますが、32.9%が「新築・中古のどちらでもよい」と答えています。

 また、「今後望ましい住宅形態」については、「一戸建て」69.1パーセント、「戸建て・マンションどちらでもよい」18.9パーセント、「マンション」10.3パーセントでした。中古マンションを検討している人が少なくないこともうかがえます。

 都市の規模別に見ると、「戸建て・マンションどちらでもよい」と答えた人の割合は東京圏で、「マンション」と答えた人の割合は、東京・大阪圏でそれぞれ高くなっています。

 また、ある調査によると住宅購入する際の「重視するポイント」の1位は「日照・風通しの良さ」、2位は「間取り」、3位は「周辺環境」、そして4位は「耐震性・構造」、7位に「地盤の安全性」が入っています。3位までは素人が物件見学するだけでも確認できますが、「耐震性・構造」や「地盤の安全性」となると、一度目にしただけでは判断できないこともあります。

 実物にふれることができる中古マンションは、これまで述べてきたように新築と比べて建物や管理の状況、住人の印象や意見など、工夫すれば多くの情報を集めることができます。しかし、いくつも物件の調査をするとなると多大な時間がかかりますし、建物の強度など専門的な判断は素人にはやはり、むずかしいものです。

 そんなとき頼りになるのが、購入希望者の立場で不動産調査を行なってくれるプロ集団(ホームインスペクター)です。調査対象は建売住宅から新築および中古マンションまで幅広く、建物の構造から近隣までを含めた現地調査、契約書類の確認まで依頼できます。

 インターネットで「不動産調査」「住宅診断」「ホームインスペクション」などのキーワードで検索すれば、全国の多くの会社のホームページが見つかります。実績や調査方針、費用などを比較検討して、必要とあらば相談してみましょう。

登記簿で権利関係を確認

 登記簿には土地・建物の所在地や広さ、所有者、権利関係の情報が記されています。重要事項説明の際にも、登記簿の写し(登記事項証明書)が渡されますが、膨大な情報量なので、すべてを確認するのは困難です。渡された登記簿が最新のものかチェックするためにも、事前に管轄の法務局に出向き、自分の目で確認するのが一番です。

 不動産登記簿は「表題部」「甲区」「乙区」の3つで構成されています。順に見ていきましょう。

 はじめの「表題部」には土地、建物の所在、地番、家屋番号、床面積などが記載されています。ここで注意したいのがマンションの専有面積です。広告などの表示と登記簿の面積が異なるからです。広告などでは壁の厚さの中心で算出した「壁芯面積」を表示しているのに対し、登記簿では壁の内側で測る「内法面積」を記載するためです。

 税制上の軽減措置を受けるには、登記簿の面積で50平方メートル以上あることが条件なので、ワンルームマンションなどの場合に注意が必要です。このほか、登記簿の新築年月日を確認し、不動産取得税の軽減措置が受けられるかも確認しておくとよいでしょう。

 「甲区」には、所有者の氏名、所有権を取得した年月日、取得した理由(売買、相続、差し押さえ、仮処分など)が記載されています。ここでは、売り主と登記簿上の所有者が同一かを確認します。

 特に売り主と所有者が違う場合は要注意です。たとえば、売り主がマンションを相続して所有者となった場合、名義変更の手続きを行なっていないと、登記簿上は前の所有者の名義が残ったままになります。こうした際は、売り主に名義変更を行なってもらったうえで契約を結ぶようにします。名義が違う場合は、その理由を確認し、慎重に対処する必要があります。

「乙区」には、抵当権など所有権以外の権利が記載されています。もし、抵当権が設定されたまま購入してしまうと、その債務を負わされることがあります。必ず購入前に抹消してもらうようにします。

売り主の住宅ローンの抵当権がある場合は?

 また、売り主の住宅ローンの抵当権がある場合は、物件の売却代金を返済にあてることも考えられます。この場合、ローン残高が売却代金より高いと完済できず、抵当権がそのまま残ってしまう危険性があります。売り主のローン残高と返済状況についても仲介会社に確認し、引き渡し時には、抵当権の登記が確実に抹消されるよう、契約書に必ず明記してもらいましょう。

 ごくまれなケースですが、売り主と仲介会社が結託して、詐欺じみた行為を行なっている場合もあります。少しでも不安を感じる部分があったら、納得のいくまで契約しないことが重要です。

実際の現場では、決済時に住宅ローンの抵当権を確実に抹消できるように、売り主から金融機関に決済日を連絡してもらい、その日で一括繰上げ返済できるよう残債を計算してもらいます。同時に金融機関に、抵当権抹消書類の準備をしてもらい、決済日に残債を金融機関に振り込み、決済立会の司法書士と抹消書類を受け取りに行く、という流れになります。

また、売買金額より残債が上回る場合は、事前にいくら支払うと抵当権を抹消してもらえるか調整をしておきます。いわゆる「任意売却物件」といわれる物件です。

<< 前の記事 次の記事 >>

講師に感想や読みたい記事のリクエストを伝えよう

注目の講師

住まいの大学 書籍のご案内