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失敗しない家づくりの基礎知識(9/10)

引き渡し後に問題が見つかったときはどうする?

2016/01/20 山田章人

念願のマイホームが完成、無事引き渡し・引っ越しも終了し新生活が始まったと思ったら不具合が…。「また出費か」と思うかもしれませんが、実は引き渡しから10年以内の瑕疵(過失)は施工主が無料で補修するという新築住宅の「10年保証」というものがあります。

新築住宅における瑕疵担保責任

 新築住宅に暮らし始めてから瑕疵が発見された場合、引き渡しから10年以内という条件つきですが、施工主が無料で補償・修理するという制度が「10年保証」です。

 これは品確法という住宅の品質確保の促進等に関する法律のひとつで、「新築住宅の瑕疵担保責任に関する特例」制度となっています。

 ここでいう瑕疵とは、「引き渡し後にできた欠陥」ではなく「引き渡し時の時点で存在していた欠陥」を指します。品確法では「住宅として通常期待される品質や性能を欠いていること」と定義しているので、瑕疵が見つかったときには不具合が起こっていなかったとしても修理対象となります。

竣工検査時には見抜けない欠陥を保証する制度

 建物が完成したときに、建て主・施工主の立ち合いのもと竣工検査を行ないます。この時に、新築住宅に瑕疵がないかをチェックするのですが、生活してから初めてわかる瑕疵というものも存在します。

 もちろん、施工主は意図的に瑕疵をつくり出すわけではありません。ただ、家づくりは人間が行なうものですから、ちょっとしたミスが後々大きな欠陥になってしまうこともあります。たとえば雨漏り。数年経ってからじわじわと水滴が落ちてくる可能性は否定できません。また開口部の開閉がむずかしくなることなども、何かしらの欠陥が原因で建物が歪んで生じてしまうかもしれません。

 そのような割と大掛かりな修理が発生してしまった時に、この「10年保証」があるかないかで精神的な負担も変わってくると思います。

施工主が倒産してしまっても保証はなくならない

 というのも、この新築住宅の「10年保証」の保証対象となっているのは基本構造部分です。これは、基礎・壁・柱・小屋組・土台・斜材・床版・屋根版・横架材・屋根・外壁・開口部といった、住宅の基礎となる箇所です。修理をするとなると、それなりのコストがかかることが想像できると思います。

 この「10年保証」ですが、もし施工主が倒産してしまった場合でも保証されます。というのも、瑕疵担保履行法という法律が制定され、「10年保証」が確実に履行されるよう、施工主には瑕疵担保責任保険への加入が原則義務づけられているのです。そのため、万が一施工主が倒産してしまっても、保険金で修理ができる仕組みが整備されているのです。

「10年保証」ではどうやって修理が行なわれるの?

 それでは、この「10年保証」の対象になった場合、どのような流れで修理が行なわれるのでしょうか?

(1)施工主が営業を続けている場合
 この場合は、建て主が瑕疵を発見した段階で施工主に連絡をします。そして「10年保証」の対象となる瑕疵だった場合、施工主はすぐさま無料で補修をします。併せて瑕疵担保責任保険料を納付している保険法人に保険金を請求し支払いを受けます。これにより、建て主は一切の金銭的負担を被ることなく補修してもらえることになります。

(2)施工主が倒産してしまっている場合
 この場合は、建て主が瑕疵を発見した段階で、施工主が瑕疵担保責任保険料を納付していた保険法人(引き渡し時に施工主がどの保険会社を利用しているか、保証の限度額・免責額などを確認しておく必要があります)に連絡をします。そして「10年保証」の対象となる瑕疵だった場合は、保険会社が建て主に保険金を支払い、その保険金を使って補修をすることになります。

 ドアの開け閉めがしにくいであるとか、壁紙に隙間が空いた等の基本構造部分以外の不具合は保証の対象ではありません。施工主に依頼して修理してもらう必要があります。この時の費用は、施工主によって対応が違いますので、契約前に確認しておいた方がいいです。

 注意したいのは、有料の検査をすれば、その後のアフターメンテナンスをします、と謳う会社がありますが、アフターメンテナンスの費用はきっちり請求されますからよく検討しておきたいものです。

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