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退去の立会いは必ず行ない、納得いくまで話し合う

敷金トラブルを防ぐために退去時に気をつけたいこと

2016/01/07 小野 哲

敷金トラブルを防ぐために大切なのが「退去時の立会い」です。立会い時には部屋の状態を確認するのでうが、そこで返金額が決まってしまいます。退去時に押さえておきべきポイントと注意点を解説します。

敷金トラブルを防ぐ退去時の立会い

 敷金トラブルが増えている原因として、負担義務の認識のズレなどいろいろとありますが、「立会い時の確認が十分に行なわれていない」、「立会い時の記録が正確に残されていない」、「そもそも立会いが行なわれていない」ケースも多いなど、立会いに関する問題がトラブル要因のひとつとしてあげられています。

 立会いの際に注意すべきことを確認しておくことが、トラブル防止につながるので、ここで確認しておきましょう。

入居時の現状確認と退去立会いで気をつけたいこと

 大家さんや管理会社と入居者で退去時の部屋の状態をチェックするのが『退去立会い』です。この時の確認で敷金の返金額が決まります。不明点はあいまいにせず、納得いくように説明を求める姿勢でのぞみましょう。

(1)入居時
 まず、入居時に部屋の状態を記録したシートを作成してもらい、大家さんや管理会社の人と一緒に確認しておくと後で便利です。傷などがある場合は日付入りの写真を残しておき、自分の責任ではない証拠を残しておきましょう。
 また、契約時には、ハウスクリーニング代金が入居者の負担になってしまう特約があるのかどうかなど、退去後の費用負担について詳しく確認しておくことも忘れずに。

(2)退去時
 退去時の立会いでは、大家さんや管理会社の人と一緒に現状を確認します。敷金トラブル防止のために国土交通省が発表している、『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』には、大家さんが負担すべき費用と入居者が負担すべき費用をわかりやすくまとめた、負担義務のリストが記載されています。立会い時にはリストを持参すると、確認の際に役立つでしょう。

 なかには強い口調や態度で理不尽な請求をしてくる大家さんや管理会社もあります。交渉が苦手な人や、ひとりで不安な場合は、家族や友人にお願いして一緒に立ち会ってもらいましょう。不安な点は口頭でなく、書類を作成してもらうか、一筆書いてもらい証拠を残しておくことも大切です。

(3)見積もり確認
 退去立会い後に敷金返還金額の見積もりが送られてきます。預けていた敷金から原状回復費用を差し引いて、いくら返金されるのかが記載されています。
 原状回復費用の内訳について不明な点がある場合は、大家さんや管理会社に連絡し、納得いく説明を求めましょう。見積もりが相場より高いと感じる場合は、複数の業者から見積もりを出してもらうよう依頼します。応じてくれない場合は、自分で業者に見積もりを依頼し数社の見積もりを比較してみましょう。

できるだけきれいに掃除しておくことも大事

 退去時には荷物をすべて部屋から出し、掃除をすませておくのがマナーです。家具やゴミを置いていったり、掃除をしていなかったりすると、専門業者の作業が必要になり、後で費用を請求されてしまいます。実際にパッと見てきれいに掃除されている部屋だと、印象がよくなりますし、大家さんも高い修繕費用の請求がしにくくなります。

 小さな傷や、壁にあけてしまった穴などは市販の商品を利用して自分で修復できることもあります。気になる場合は簡単に修復しておくだけでもかなり部屋が綺麗な印象になるので、やってみるのもいいかもしれません。特に台所のシンクやトイレ、お風呂場など水まわりの汚れは目立って、印象が悪くなるのでできるだけきれいに磨いておきましょう。

はっきりとした意思表示を

 トラブルを防ぐためにも、普段から部屋をきれいに使用すること、そして退去時の現状確認には必ず立ち会いましょう。見積もりの内訳や負担費用に納得できるまではサインをしないことです。

 納得いかない点や不明点がある場合は、根拠を提示してもらい話し合いをすること。話し合いで解決しない場合は、調停や民事訴訟(少額訴訟)という解決方法もあるので、市町村の相談窓口や消費者生活センターなどで相談をしてみましょう。

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