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失敗しない物件選びの基礎知識(3)

新築物件で不動産投資をするメリットとデメリット

2016/02/24 枦山 剛

不動産物件には新築物件と中古物件がありますが、築年数は不動産投資に大きな影響を与える要素のひとつです。今回は、新築物件のメリット・デメリットを紹介します。デメリットが少なそうな新築物件ですが、意外な落とし穴もあります。

新築物件のメリットとは

 不動産物件には新築物件と中古物件があります。不動産投資をする上で、新築物件と中古物件はそれぞれどう違うのでしょうか。ここでは新築物件のメリットとデメリットについて考えてみましょう。

 新築物件は今後長年に渡って活用されると考えられることから、長期の融資が受けやすく毎月の返済額が低く抑えられます。つまり、キャッシュフロー的に優れているといえます。

 中古物件と違い、大規模修繕をすぐに行なう必要がないのも、キャッシュフローの安定につながります。もし修繕が必要になったとしても、少額ですみます。また、新築物件最大の特徴として空室リスクが低く、家賃も相場より高めに設定しても入居者が決まりやすい傾向があります。

 このように、融資面・空室リスクに強いのが新築物件の大きな特徴です。もう少し詳しく説明しましょう。

 金融機関が行なう融資の審査では、法定耐用年数から築年数を差し引いた残存期間がベースになります。新築では法定耐用年数がそのまま残っているので、多くの金融機関が長期・低金利の融資を用意しているのです。また、「品確法」と呼ばれる「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により新築から10年間は大きな不具合があっても保証されているため、修繕費用が少なくすむのも大きいです。

 税金の面では設備の原価償却が建築当初から15年はあるので原価償却額が経費として処理できるため、決算上の収入が減り、所得に対する納税が少なくなります。

新築物件にもデメリットはある

 新築物件がメリットしかなければ、中古物件をすべて建て直せばいいのですが、当然、メリットばかりではありません。デメリットもあります。

 まず、そもそもの物件価格が割高で取引されているので利回りは低くなります。そして、最初の入居者が退室するタイミングでは、賃料をかなり下げなければ次の入居者が入りづらいということもあります。

 新築のタイミングではご祝儀相場的に高い賃料になっていますが、ひとりでも入居者が入ってしまえば築浅ではありますが新築ではなくなるので、相場に合った賃料設定が必要になるのです。日本人は欧米人に比べて新築志向のため、新築の供給より、新築志向の需要のほうが多いことから起こる現象です。

 新築物件における大きなリスクは、「賃料の下落」と「建物の価値そのものの下落」です。融資の際には有利になる残存期間ですが、年数が経過すれば当然ながら残存期間も減り、その分建物の価値は下がっていってしまいます。特に木造建築は法定耐用年数が22年ですから、価値の下落は早いのです。

 また、賃料も市場流通価格も、法定耐用年数の経過年数の前半のほうが後半よりも下落率が大きくなります。

 このような木造建築の場合は、耐用年数内の売却も視野に入れているなら、5年をめどに売却してみるというのもひとつの方法です。というのも、築5年の木造建築であれば、残存期間もそこそこあり、築浅中古物件としての魅力もまだ残っているタイミングです。5年経過していれば、長期譲渡(*)として認められることからキャピタルゲインに対する税率も低くなります。

(*)不動産の所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、それぞれにおいて所得税・住民税の税率が異なります(短期譲渡所得の税率のほうが高くなっています)。

 建物自体も老朽化が進んでいないので、大きな手入れも不要です。ただし、ローンを組んで購入した物件を早期に売却する場合、建物価値減少のほうが借り入れの元本返済額を上回ることが多々あるので注意が必要です。そうなってしまうと、売却時に売却額だけローンを返済できず、不足する返済金を別に用意する必要が発生します。

 このように、新築物件を投資対象とする場合には物件を所有しているときのインカムゲインと、売却時のキャピタルロス(新築物件の場合、その多くにおいてキャピタルゲインは期待できません)のバランスを考え、購入時点でしっかり計画を立てておくことが大切です。

 また、同じ新築物件でも区分ワンルームはインカムゲインによる利益も少ないことから、正直なところおすすめできる投資対象ではありません。特に不動産投資初心者には、かなりむずかしい投資になるので手を出さないほうが賢明です。

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