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家づくりの設計・見積もり時の注意点(3/11)

日の光が入る明るい家を実現する設計の考え方

2016/01/28 山田章人

家の面積は、土地の敷地の大きさや建ぺい率・容積率等の法令、そして資金の上限によって制限を受けます。それらの制限のなかで、どれだけの広さの家が可能で、日照時間も考慮しながらどれくらい採光可能かを検討していきます。

基本となる部屋の大きさから全体を予測する

 家は、リビングや寝室といったいわゆる「部屋」と呼ばれる部分と、キッチンや廊下・収納などの「ゆとりスペース」に分けられます。このゆとりスペースは、部屋の0.5倍から1倍の間に収まります。

 たとえば部屋の合計が50平方メートルだとすれば、ゆとりスペースは25~50平方メートルに収まるというわけです。このゆとりスペースの割合が大きければ大きいほど、ゆとりのある間取りになっています。

 延床面積が決まっている場合、ゆとりを広げるには部屋数を減らしたりそれぞれの部屋の面積を小さくしたりして調整します。また部屋を優先する場合は、逆にゆとりスペースの割合を小さくしていきます。収納を減らしたり、水回りスペースの面積を小さくしたりします。とはいえ、このゆとりスペースが大きいと使い勝手がよくなることも確かです。

 また、最近では子ども部屋は小さくし、家族共有のスペースを増やすなどいろいろな間取りが増えています。実際は設計者の腕次第ではありますが、要望としては自由に発想してみてください。

コスト削減のための見直し

 家づくりに必要な費用は、家の広さに比例していきます。コストを考えるならば、ただ単に建築許容範囲ギリギリの広さにするのではなく、上記のような部屋・ゆとりスペースをしっかり検討すべきです。

 また、将来的な家族構成の変化も考慮しましょう。子どもの進学・就職や結婚、親世代との同居などさまざまな変化があります。その時々に対応できるような間取りにしておいたり、あらかじめバリアフリーを取り入れたりするなどで広さの使い方も変わってきます。

「減築」という床面積を減らすリフォームなどもあるので、将来的に住む人数が少なくなるのであれば、生活上必要なスペースをまとめておくと減築しやすくなります。このような観点も視野に入れながら、間取りを決めていきましょう。

 収納については、収納スペースが増えれば増えるだけ、物の量は増えていきます。無駄なものを詰め込む収納を取るか、空間としてのゆとりを取るかもしっかり考えましょう。

明るい家にする工夫

 次に、採光について紹介しましょう。

 日照は太陽が直接建物・部屋を照らすことを指しますが、この日照がむずかしい建物でも工夫次第で明るい部屋になります。そのためには、敷地に落ちる影の様子を把握しておくことが大切です。

 設計者側の意見をいえば、同じ敷地、同じ間取りでも暖かさ、快適性、プライバシーの確保など、窓の取り方でガラッと変わります。これは設計者の腕の見せ所でもあります。ハウスメーカーなど窓の規格が決まっている業者でも、ある程度は工夫できますので、設計担当者にもう一工夫を頼んでみましょう。

 できれば太陽の南中高度が一番低くなる(一番日照時間が短くなる)冬至の時期(12月22日付近)の日の出から日の入りまでを観察できればいいのですが、なかなかそういうわけにもいかないと思いますので、できる限り短い日照時間の日に敷地への影の落ち方をチェックし、どの部屋にどのタイミングで光がほしいのかを検討しながら間取りを決めていきます。

 直接的な日照が入り込まなくとも、間接的に太陽光を取り入れることで部屋を明るくすることは可能です。反射・拡散を利用した明る過ぎない光は心地よく感じるものです。照明に頼らなくても明るいのが快適な住まいの条件のひとつです。

 北側の部屋でも大きな窓を高い位置に設置することで明るさが期待できますし、部屋を仕切る間仕切りや出入り口にガラスを使うことで、部屋の奥まで光を届けることもできます。

 ただ注意したいのは、プライバシーの問題です。採光を意識しすぎて位置を考えずに大きな窓をつくってしまうと、隣家との窓のバッティングなどが発生しプライバシー的に問題が生じますので、隣家の窓の位置は必ずチェックしましょう。

 とにかく大きな窓にすればいいかといえばそうではなく、日照時間や陰の落ち方を考慮して十分に検討する必要があります。とにかく大きければいいという考え方では、プライバシーの問題だけでなく、夏暑く、冬寒い家になってしまうという問題も出てきます。大きな窓をつけた場合それなりの対処が必要であることもご注意ください。

風通しのよさを考える

 また、採光と同時に風通しのよさも考えたいところです。特に日本の気候を考えれば、風通しがよくないと、梅雨などの湿気で不快な空間になってしまう可能性があるので、家のなかには風の通り道をつくってあげることが大切です。空気に流れを生むにはさまざまな方法があるので、設計担当者としっかり打ち合わせをしましょう。

 このように、快適な住まいにするためには広さ・明るさについて工夫が必要になります。専門家を交えて、理想の家とのバランスを取りながら設計を進めていきましょう。

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