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家づくりの設計・見積もり時の注意点(6/11)

洗面所とトイレを快適なものにする設計の基本

2016/01/28 山田章人

水回りのなかでも、洗面所やトイレはできる限り快適にしたいもの。これらの場所は、家族以外にもお客さんも足を踏み入れる可能性が高い場所になりますので、使い勝手を考慮しながら設計しましょう。

洗面所と脱衣所の関係性

 風呂場と脱衣所は切っても切れない縁で、その縁に付随する形で洗面所の場所が決められることが多いです。とはいえ、洗面所は入浴とは関係のないタイミングで頻繁に利用する場所なので、使い勝手を最優先に考えたい場所でもあります。

 一般的な戸建住宅では、洗面台と洗濯機が並べられている二畳ほどのスペースを、洗面所と脱衣所を兼ねた場所として利用することが多いです。しかしながら、洗濯物や濡れたバスタオルがある脱衣所と、お客さんも手洗いなどで入る可能性のある洗面所が同じ空間にあるのは、見栄え的にもよくありません。そこで、近くにありながらも別空間として仕切りを入れたほうが使い勝手が良くなります。

 たとえば、三畳ほどのスペースを脱衣所と洗面所に分割し、洗面所を脱衣所とトイレへの動線にするなどのパターンが考えられます。また、洗面所は玄関の近くにあると重宝します。というのも、出かける直前の身支度や手洗いなどがすぐできるからです。

家事動線も考慮して設計を

 さまざまな家事のことを考慮すると、家事動線を第一に考えてキッチン・洗面所・脱衣所を集中させたほうが無駄な動きが少なくなり、作業効率が高まります。洗濯機を脱衣所に置く場合は物干し竿への距離も考え、洗濯物を干す効率をよくします。洗濯・乾燥・収納までの動線を整理し、設計に活かしてみるとよいでしょう。

 家事の動線に関しては、ご家族によってこれまでのクセがあります。たとえばご主人が帰ってきてから着替える場所、お風呂のタイミング、朝の着替える場所など人それぞれです。新居になるのだから、クセを改めてもらうのもひとつの案ですが、本人にとっては慣れていて快適な行動もあります。それに住まいを合わせてあげるのも、快適に過ごすひとつの方法です。

トイレはひとつ? ふたつ?

 最近では、2階建て以上の住居ではトイレをふたつつくるのが一般的となっています。まず、1階のトイレはお客さんも使うので、トイレットペーパーなどのストックや掃除道具は隠すようにします。また、手洗い器や鏡などが備えつけられていると便利です。

 そして、ふたつめのトイレは2階に設置、家族用とします。この場所は備品を収納できるようシンプルなつくりにします。2階がリビングになっている家では、このつくりが逆になりますので注意しましょう。

バリアフリー化もしておこう

 トイレのバリアフリー化は、将来的なことを考えると必要不可欠です。そこで、間口を広めにつくっておくことをおすすめします。

 出入り口は、開け閉め・体の移動が容易な引き戸タイプか引き込み戸にすると、ドアの開閉により無駄なスペースが取られません。また、手すりはすぐに設置しないにしても、後々設置することを考慮し、壁の補強をしておきましょう。

収納はどうすべきか

 トイレットペーパーや掃除用具など、備品が多いのもトイレの特徴です。それらを出しっ放しにしていては見栄えもよくないですし、掃除の邪魔にもなります。そこで、手洗い器とともにキャビネットを設ける、吊戸棚を設置する、壁に埋め込む形の収納をつくるといったやり方で、コンパクトで効率的な収納を設置します。

 床の素材は、掃除のしやすさを優先し、塗装された木材かビニールシート、タイルを採用します。タイルは目地が汚れにくいものを使いましょう。壁に関しても、腰の高さより下の部分は水拭きできる素材にし、上の部分はにおいを吸収・分解できる素材を使うとより快適な空間になります。

 このように、洗面所やトイレに関してもさまざまなことを考慮・工夫することで、一気に暮らしやすいスペースにすることができます。逆にいうと、特に考えずに場所決め・素材決めなどをしてしまうと、後々後悔することになってしまいます。

 外観やリビングに気を取られがちな家の設計ですが、日常生活において数多く使う場所である洗面所・トイレの設計にも気を遣うことで、長年に渡って住み続けられる住空間が完成します。

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