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失敗しない家づくりの基礎知識(6/10)

知らないと損する「坪単価」のカラクリ

2016/01/20 山田章人

住宅メーカーや工務店、建築家に家の見積もりを依頼すると、「坪単価」という聞きなれない表現が出てきます。これは、その名の通り「1坪当たりいくら」という金額のことなのですが、この坪単価にはいくつかのカラクリがありますので、注意が必要です。

そもそも「坪単価」とは?

 坪単価とは、床面積1坪(約3.3平方メートル)当たりの建築費のことです。本体工事費の総額を床面積(坪数)で割ったもので、たとえば50坪の床面積で2000万円の本体工事費だとすれば、坪単価は2000÷50=40万円ということになります。

 住宅の仕様・性能の違いがわかることから、坪単価は非常に便利である反面、仕様・性能が同じだとしても計算に含まない工事があったり、建物の大小・形状によって上下したりしてしまう不確定要素もあるものです。そのため、坪単価だけで金額を比較するには注意が必要です。

坪単価は「含める・含めない」で金額が大きく変わる

 坪単価の算出基準には、本体工事費と床面積を使うわけですが、何を含めるか含めないかで大きく金額が変わってきます。たとえば、備えつけの家具や照明、システムキッチンやエアコンなどの設備関係がどこまで本体工事費に含まれているのかでも違いが出ますし、床面積にベランダやデッキ、玄関ポーチなどが含まれるかどうかでも違いが発生します。

 さきほどの例で考えると、本体工事費に設備関係(500万円)が含まれていなかった場合、総額で計算すると(2000+500)÷50=50万円になってしまう、ということです。

 また、坪単価は小さい家ほど高くなり(設備の金額は変わらないのに、材料は少なくなるため)、2階建ての場合1・2階が同じ面積の建物よりも1階面積のほうが広い建物のほうが安くなる(屋根の材料はほかの部分に比べて割高なため)という傾向があります。

本体工事費以外に必要な経費

 本体工事費に含まれていない経費でも、家を建てるにあたり必要不可欠なものがたくさんありますので、紹介していきましょう。

(1)本体以外の建築工事費に関する費用
 本体工事費には、あくまで建物に関するものしか含まれないので、フェンスやカーポートなどの外構部分やガーデニング関係は別費用となります。また、上下水道やケーブルテレビが整備されていない場合は引き込み工事が必要になりますし、敷地の測量や地盤の調査のための費用も発生します。その結果によっては、地盤改良工事を行なわなければならない場合もあります。また、建築家に設計を依頼した場合は、別途設計監理料が必要です。

 ただし、ハウスメーカーや工務店に依頼して設計料が無料というのはありえません。それなりに資格を持った人の作業する人件費が必ずかかります。施工主と設計者が同じ会社の場合、施工費の諸経費といわれる部分のなかに設計料が含まれています。

(2)住宅ローン・税金・租税公課
 各種契約書には必ず印紙が必要になりますが、積もり積もって数万円という高額になります。また土地の取得・家の登記などには登録免許税がかかり、司法書士に登記を依頼した場合は別途報酬を払わらなければいけません。

 同時に不動産取得税(固定資産税の評価額により異なる)も課せられますし、住宅ローンを受ける場合は金融機関に支払う事務手数料や団体信用生命保険料・火災保険料なども発生します。住宅ローンを依頼する金融機関によってはかからない項目もありますので、申し込む前にかならず問合せて把握しておきましょう。

 住み続けていると、毎年固定資産税の振込票が届きますし、エリアによっては都市計画税が課せられる場合もあります。

(3)その他
 家ができるということは引っ越しをするわけですから、引っ越し費用がかかります。そして、新たな家を建てる場合は地鎮祭や上棟式を行うのが一般的ですので、玉串料やご祝儀も必要になります。家具や家電製品を新調するのにも、結構なお金がかかるはずです。

 このように、予定外の出費が増えていくのが家づくりです。とはいえ、最初からこのような出費がわかっていれば、それに合わせて資金計画を立てられますし、坪単価のカラクリを理解しておけば、大幅に予定が狂うということは避けられるはずです。

本体工事費の30パーセント程度の余裕資金を

 一般的に本体工事費の30パーセント程度の余裕を見ておけば、資金的には大丈夫といわれていますので、これらの計算をしていなかった人は、いま一度資金計画を確認してみましょう。

 肝心なのは、その家で生活するのにかかる費用の総額で考えるようにすることです。

 坪単価は数社を比較する目安のひとつに過ぎません。比較するときは、坪単価に含まれる含まれないを気にするより、消費税も含めて全部でいくらかかる? を比較検討したほうが現実的でもあります。坪単価を安く見せかける方法は、いくつもあるのでご注意ください。

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