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家づくりの設計・見積もり時の注意点(7/11)

立体的な視点をもてば設計の質がワンランク高くなる

2016/01/28 山田章人

リビング・ダイニング・水回りなどの基本設計に加え、ちょっとした工夫で設計のクオリティをワンランクアップさせることができます。この項では、部屋の配置の工夫により、一味違う家が実現する方法を紹介します。

縦の配置を意識した「スキップフロア」

 設計の最初の段階で、設計士から提示されるのは平面図です。平面図とは、紙に真上から見た家の間取りが書かれているものです。とはいえ、家というものは立体的なものなので、同じ間取りだとしても、天井の高さや窓・ドアの位置が違えば全然違うイメージになってしまいます。それくらい、この立体的な視点が大切なのです。

 そこで、立体的な縦の配置を意識してみましょう。前述した天井・窓・ドアのほかに、1階と2階の動線となる部分をイメージすることで、空間に広がりが出てきます。

 新生活が始まると、リビングに家族が集う時間もあれば、1階と2階に分かれている時間もあります。そのように分かれて生活している時間でも、お互いの気配が感じられるよう吹き抜けや階段を工夫するなどして立体的なつながりも検討してみましょう。

 その際に登場するのが、「スキップフロア」という考え方です。これは「中2階」とも呼ばれるもので、1階と2階をつなぐ動線にスペースを設けることです。高さ的にちょうど中間に位置するので、動線としても上下階をつなぐ立体的な広がりを実現する方法です。

 たとえば、1階にあるリビング・ダイニングからスキップフロアを見上げると、空間はつながっていますがフロアは半階ずれているので、独立性と広がりの両方を感じることができるのです

 このスキップフロアは、狭い敷地を広く見せたいときによく使われます。

採光・通風の面でも立体的な広がりが大切

 敷地の関係で、採光・通風がダイレクトに取り入れられない場合は、窓の位置を工夫したり、断面のデザインを工夫するなどして十分な採光・通風を得ることが可能です。

 北側の日光が入りづらいスペースは天窓を利用することで光を確保できますし、理想的な通風を得るために低い位置から高い位置へ風が抜けるように吹き抜けを利用します。このような立体的な構造を活用することで、より快適な家づくりがかないます。

 ただし、ハウスメーカーによってはこのような規格外のことを依頼すると極端に高くなりこともありますので、業者を決める場合、この点は早めに確認しましょう。

各スペースの配置・大きさを決める「ゾーニング」

 家の設計をするときには、最初から建物の形や部屋の配置を固定するのではなく、いろいろな可能性を考慮します。この可能性を探る作業を「ゾーニング」と呼び、採光・通風・眺望などを加味しながら、複数の配置パターンを考えます。

 ゾーニングは、家のなかでいちばん大きなスペースとなるリビング・ダイニングといった家族が集う場所を中心にしてスタートします。そのスペースが、外とどのような関係になるように位置づけるのか、それぞれの個室や玄関とどのようにつながるのか、キッチンなどの水回りとの家事動線をどのようにするのかなどを反映させていって、どのような配置の可能性があるのかを何パターンも作ってみます。そのなかで、最適なパターンが正式な間取りとして採用されます。

 ゾーニングをするときに大切なのが、家のなかの間取りだけを考えるのではなく、敷地全体で考えることです。つまり、敷地に対してどのような建物をどの位置に建てるかを考えるということです。この作業は、採光・通風のほか、隣家や道路とのつながり方・車の出入り・庭の活用法などにも大きな影響を及ぼします。

 自分でゾーニングをするときには、方眼紙を利用すると各スペースの大きさを把握しながら進められます。1.8センチメートル角を1坪(縮尺100分の1)と考えると、実際の大きさがイメージしやすくなります。また、2階建て以上の場合は、各フロアのゾーニング図面を重ねてみると一層イメージが膨らみます。

 ご自分でこのようなイメージをつくる際は、必ず現地に足を運びましょう。敷地の周りをよく見て、お隣がどのような位置に建っているのか、窓の位置はどこなのかを確認しておきましょう。

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