住まいのノウハウ講義 / 売る / 売り出し価格の決め方

10万円の出費で売却価格が200万円アップ!?

自宅売却で建物の価値を上げる3つの方法

2016/01/04 高橋正典

せっかく中古物件を売りに出すのであれば、少しでも高い価格で売却したいと思うものです。そのためには建物の価値を上げることが重要になってきます。その3つの方法が、「インスペクション」「瑕疵保険」「住宅履歴」です。

専門家による建物診断・インスペクション

 インスペクションとは「検査」の意味で、住宅に精通した専門家(建築士など)が行なう建物の診断サービスのことです。第三者による客観的な検査により、建物の欠陥を確認しリフォームの必要性やおおよその改修費用を把握できます。実は、欧米ではすでに常識になっているサービスです。

 インスペクションを行なうには、対応している設計事務所(NPO法人日本ホームインスペクターズ協会のホームページに掲載)などに申し込みます。その後、検査日時を決め、依頼者立ち合いのもと検査を実施します。一次診断として屋根・外壁・室内・小屋裏・床下などの劣化状態を目視で診断、別料金の場合もありますが機材を使って行なう二次診断もあります。

●NPO法人日本ホームインスペクターズ協会
http://www.jshi.org/

 所要時間の目安は、建物面積が30坪程度で2~3時間といったところです。診断後数日で詳細な報告書が送られてくるので、建物の健康状態をチェックしましょう。買い主にとっての購入の判断材料として、リフォーム費用の算出の材料として利用できます。

 ちなみにこのリフォームを売り主が行なってから売りに出すべきかどうかはについてですが、リフォームをしたほうがよいかどうかはケースバイケースです。よい場合は室内の見た目があまりにも悪い時です。とはいえ、リフォームは実際にやってみないとわからないこと多く、リフォーム代金分の価格アップにつながらない可能性もあります。インスペクションの結果を参考に、リフォーム会社から見積書を取っておくだけでもいいかもしれません。

売却後のトラブルを回避する瑕疵保険

 新築物件には、売り主であるハウスメーカー・施工会社に10年間の瑕疵担保保証をつけることが義務づけられていますが、中古物件でも売り主が不動産会社の場合は2年の保証を付けることが義務づけられています。

 この期間に、通常は発見できないような隠れた瑕疵(欠陥)が見つかった場合、買い主は売り主に対して損害賠償請求や契約解除をできるというものです。

 しかし、売り主が個人の中古住宅の場合、多くの場合が「瑕疵担保免責」…保証なしで売買されているのが実情です。売った後まで責任を負いたくないという売り主が多いわけですが、これでは買い主は怖くて手を出せません。

 そこで登場したのが「既存住宅売買瑕疵保険」です。この保険に加入すると、引き渡し後に発生した構造的な不具合に対し1000万円までの補修費用が最長5年間保証されます。保険の対象は「柱、基礎などの構造耐力上主要な部分」「外壁、屋根などの雨水の浸入を防止する部分」で、給排水設備等も保証の対象とすることもできます。

 この保険に加入するには、インスペクションとは別に専門の検査機関に検査をしてもらう必要があります。インスペクションとまとめて行える会社もありますので、詳しくは国道交通省が指定している次の5社のホームページをチェックしてみてください。

●住宅保証機構 http://www.mamoris.jp/
●住宅あんしん保証 http://www.j-anshin.co.jp/
●日本住宅保証検査機構 http://www.jio-kensa.co.jp/
●ハウスジーメン https://www.house-gmen.com/
●ハウスプラス住宅保証 http://www.houseplus.co.jp/

人でいえばカルテにあたる住宅履歴情報

 住宅履歴とは、住宅の設計・性能・施工・維持管理・メンテナンスに関する情報を差し、人でいうとカルテにあたるものです。

「いつ誰がどのように設計・施工したか」「どのような建築材料を使っているのか」「どのようなリフォームを行っているのか」などの情報を残しておくと、購入者も住宅の状況を知ることができます。

 本来、住宅履歴が残っていない建物は買うべきではありません。国道交通省では、中古住宅の流通を促進する施策のひとつとして、住宅履歴情報の整備を進めています。すでに、「長期優良住宅」の認定を受けた住宅については、住宅履歴の保存が義務付けられました。

 2015年6月から、不動産取引に必要な情報が集約された「不動産総合データベース」を構築、消費者への提供が横浜市で試験的にスタートしています。このデータベースの全国運用は2018年を目指しているので、将来的には住宅履歴情報もこのような形でも利用されることになりそうです。

 この3つの方法を利用したとしても10~15万円程度の出費ですし、この方法で売却価格が200~300万円アップした例は多数ありますので、一考の価値はあると思います。

<< 前の記事 次の記事 >>

講師に感想や読みたい記事のリクエストを伝えよう

注目の講師

住まいの大学 書籍のご案内
HOME4U