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失敗しない家づくりの基礎知識(10/10)

計画的な点検、補修で家の寿命は大きく伸びる

2016/01/20 山田章人

家は人間と同じ、といわれます。人間は定期健診などで早めに不調部分を発見・処置しておけば、後々症状がひどくなる前に回復するのと同様、家も計画的に点検・補修をすることで長持ちさせることができます。この点検・補修をするかしないかで家の寿命が変わってくるのです。

建物の寿命を大きく左右するポイントは?

 家の不具合をすぐに発見するためには、計画的な点検が必要不可欠です。もし誰の目にも明らかなひび割れなどの“自覚症状”が出る前に、計画的な点検で欠陥が見つかったとしたら、大きな被害が出る前に食い止められます。このように、コストを軽減できる効率のいい修繕を行なうことで、家の寿命を伸ばすことができます。

 それでは、どのような項目をチェックしていけばよいのでしょうか?

 建物の寿命を大きく左右するのが、構造の耐力と雨水の浸入防止です。鉄筋コンクリート造の場合、基礎の重要部分となっている鉄筋が錆び、膨張することで内部からコンクリートを破壊する可能性がありますし、雨漏りは生活に支障をきたすだけでなく、住宅の骨格の破壊にもつながるものです。

 それらを回避するためには、コンクリートや塗装のひび割れや欠損をチェックしておく必要があります。また、屋根裏などなかなか目の届かない部分もチェックするようにしましょう。

チェックしきれない時は専門家に依頼する

 せっかく購入した新築住宅ですから、長く住みたいものです。しかし、建て主にその自覚がないと、寿命は縮まってしまいます。そのためには定期的な点検は欠かせませんが、場所によっては危険が伴う個所もあります。

 たとえば、屋根の上や床下などはなかなか自分では細かいチェックができません。そのような場所に関しては、専門家に依頼して調査点検を受けることをおすすめします。

 また、引き渡し時に施工主から1年に1回など定期点検を提案されるかもしれません。その時点では「大丈夫」と思いがちですが、将来的なことも考えるとその提案は前向きに検討したほうがよいと思います。

こまめな点検で快適な暮らしを

 このように定期点検をするなかで、不具合を発見した時は早急な対処が必要です。不具合をそのままにしておくと、そこからどんどん被害が広がり、もとの不具合だけではなくほかの場所の不具合につながってしまいます。そして、被害が広がった後でいざ修理しようとすると、想像以上のコストと労力がかかることもあります。

 とはいえ、なかなか大掛かりな点検ができないと思いますので、まずはこまめに掃除をしたり、気になる箇所を覗いてみたり、簡単なことを積み重ねていくことが大切です。日々の取り組みがそれぞれの部材の寿命を伸ばし、それが大規模修繕の数が減る要因になります。

大規模なメンテナンスの目安

 住宅のなかで一番大事な基礎部分の点検は施工主に頼んで、5~6年に1回はするのが望ましいです。屋根も、雨漏りという家を傷める現象が起きる原因になる場所ですので、基礎と同じく施工主に5~6年に1回を目安にしましょう。

 外壁に関しては材質によりますが、7~10年で塗装工事、15~30年で全面葺き替えを検討したほうがよいでしょう。外壁が痛んでいると美観的なダメージも大きいので、こまめにチェックしておきたい箇所です。

 家の内部も経年劣化は避けられません。長持ちさせるには、こまめな清掃に限ります。それでも、トイレやキッチンなどの水回りは毎年点検し、10~20年を目安に交換を検討すべきでしょう。浴槽はもっと短いスパンになるかもしれません。

 このように、いつメンテナンスのタイミングがやって来るかわからないので、毎月メンテナンス用の積み立てをしておくことをおすすめします。メンテナンス用の蓄えがあると、いざという時にあわてなくてすみますし、計画的なメンテナンスもできるので家の寿命を伸ばすことにもつながります。

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