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更新時の費用を抑えるためにできること

賃貸契約、更新と引越しのどちらを選ぶのがお得?

2016/01/06 大友健右

そろそろ契約の更新時期という場合、そのまま更新するか、引越しをするか2つの選択肢があります。では、更新と引越しはどちらが得なのでしょうか? それぞれどれくらいの費用がかかるのか比較してみましょう。

更新料は払わなければいけないのか

 基本的に賃貸契約では2年ごとに契約更新が必要な物件がほとんどです。契約更新時には、契約手続きをして更新料の支払いをします。更新料の支払いは物件のある地域によって違いがあり、関東圏と東海、近畿地方の一部の地域で習慣化しています。それ以外の地域では更新料がかからないことが多いようです。

 裁判では更新料支払いの有効性については意見の分かれるところとなっています。最近の訴訟では、『高すぎる金額でない限り賃貸契約の更新料は有効である』との最高裁判所の判決が下されました。

 更新料だけでなく、礼金など不動産関連の費用に関してはその有用性について疑問視されているものが多く、見直しが進んでいます。最近は更新料無料の物件も増えており、今後はそのような物件が増えていくと考えられます。

費用を抑えるためにできること

 まずは、更新時に費用を抑えるためにできることを考えてみましょう。

1.更新料のかからない物件を選ぶ
 更新料のかからない物件としては、都市公団の物件があります。ほかにも住宅金融公庫融資物件などは礼金や更新料が無料です。最近は、一般の物件でも『契約更新時の更新料が無料』という物件も増えてきています。更新時の費用を抑えたい人は、物件探しの段階から更新時の費用まで考えて探すようにしましょう。

2.大家さんに交渉してみる
 空室になるのを防ぎたい場合など、大家さんが家賃や更新料を値下げしてくれることがあります。更新の機会に大家さんや管理会社に相談してみるのもいいかもしれません。

3.引越しを考えてみる
 お金がなくて引越しができないというケースもありますが、一般的には敷金が全額戻ってくるので、引越し費用の足しになると考えられます。また、今よりも家賃の低い部屋に引っ越すという選択もあります。部屋のグレードを下げたくなければ、駅からの距離やエリアを少し変えるだけで、今よりもだいぶ安い家賃で同じようなグレードの部屋に住むこともできます。

 今の部屋よりも家賃の低い部屋に引っ越せば、長い目で見れば更新するよりもお得になるかもしれません。

契約更新と引越しにかかる費用を比較してみる

 物件探しにはお金と時間がかかります。更新と引越しのどちらがお得かは一概に費用のみで判断できることではありませんが、どれくらいの費用がかかるのか計算して比較してみるのもいいでしょう。例として、家賃8万円の物件で契約更新時にかかる費用と新しい物件に引っ越すのにかかる費用を比べてみます。

[更新の場合]
 当月分家賃 8万円
 更新料 8万円
 更新事務手数料 4万円
 火災保険更新料 2万円
 保証料 2万4000円
 合計 24万4000円

 引越しの場合、条件によって初期費用が大きく変わります。初期費用がかなり安くなる礼金なし、敷金1カ月分という条件で物件が見つかったと仮定して計算してみます。

[引越しの場合]
 敷金 8万円
 礼金 0万円
 仲介手数料 8万円
 火災保険料 2万円
 保証料 2万4000円
 当月分家賃 8万円
 前家賃 8万円
 引越し代金 5万円
 合計 37万5000円 → 敷金16万円が全額戻れば、25万5000円の出費になります。

 新しい部屋の条件と敷金がどれくらい戻ってくるかにもよってだいぶ金額は変わりますが、初期費用のかからない物件が見つかり敷金が全額戻ればそれほど変わらない費用になることもあります。現在の部屋に不満がある場合は、初期費用のかからない物件を探してみるのもいいかもしれません。

更新するか、引越しを選ぶか

 更新も引越しもそれぞれメリットとデメリットがあるので、もちろん費用だけで判断できるものではありません。最近は初期費用が安い物件が増えているので、初期費用を抑えられる物件が見つかれば十分引越しも選択肢に入ります。

 契約更新はお金もかかるし面倒に思う方も多いと思いますが、これからどんな環境でどんな暮らしをしたいのかを考え直すいいタイミングなのかもしれません。

 もちろん、いちばんいいのは引越しをしたくなくなるような理想の部屋に住むことです。ですから、最初の物件選びをしっかり行なって、その物件に長く住むことがいちばんのお得な方法だと思われます。

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