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法定更新のメリット・デメリット

賃貸契約の法定更新は普通の更新と何が違うのか

2016/01/06 大友健右

法定更新とは、大家さんと入居者、意思確認や更新手続きを行なわないままでいた場合に、法律で自動的に契約が更新されることです。入居者にとってのメリットとデメリットについて解説します。

合意更新と法定更新の違いは?

 賃貸契約の更新には合意更新と法定更新があります。合意更新とは一般的な契約更新のことで、大家さんと入居者、双方の合意のもとで更新の条件を確認し契約を更新する手続きを行ないます。

 これに対して法定更新とは、双方の意思確認や更新手続きを行わないままでいると、法律で自動的に契約が更新されることです。

法定更新のメリットは?

 まず、法定更新にはどんなメリットがあるのでしょうか。

1.手続きが必要なくなる
 借地借家法の規定では、契約の期間満了後も住人が家賃を支払って住み続けている場合には、自動的に契約が更新されたものとして扱うことになっています。賃貸契約満了の1年前から6カ月前までに大家さんから契約を更新しないという通知がない場合は法定更新となり、特に更新手続きをしなくても自動的に賃貸契約が延長されることになっているのです。

2.更新料の支払いがなくなる
 法定更新が成立すると、それ以降は期間のない賃貸契約となります。したがって通常2年ごとに更新がある場合にかかる更新料を払う必要がなくなります。

 しかし、契約書に『法定更新の際にも更新料を支払う』という記載がある場合は支払わなければいけません。ただし、法定更新は期間のない契約になりますので法定更新になった時にだけ適用され、それ以降は何年たっても更新料の支払義務は発生しません。

3.法定更新が適用されないケースも
 定期借家契約など、契約で定めた期限がくると契約は終了する契約の場合は、法定更新が適用されません。定期借家契約のメリットは、問題のある入居者に居座られても大家さんは毅然と対応することができるということです。問題のない入居者はそのまま更新できるうえに、快適な住環境を守ることもできます。

 また契約に『更新手続きをしない場合は同条件で契約を自動更新する』と記載がある場合は、更新手続きをしなくても法定更新にはならず、今と同じ条件で契約が更新されることになります。手続きをしなくても法定更新にならないケースもあるので、契約書で更新についての記載を確認しておきましょう。

法定更新のデメリットと気をつけるべきこと

 次に、法定更新にはどんなデメリットがあるのか考えてみましょう。

1.解約通知期間が長くなってしまう
 法定更新で注意が必要なのは、期間の定めがない契約となるため解約通知の期限が3カ月前になることです。通常の契約では解約通知は1カ月前までとういうのが一般的なので、3カ月前までに通知をするというのは入居者にとっては不都合になる可能性もあります。

2.条件の変更は不可
 契約内容がずっと変わらず継続していくことになるため、家賃の交渉や条件の改善などができなくなります。長く住んでいると更新時に家賃の値下げ交渉などできる場合もありますので条件が変わらないことのデメリットも十分理解しておきましょう。

 更新手続きを忘れていたり、家賃の値上げや条件変更により双方の合意が得られないまま契約が満了を迎えてしまうなど、さまざまな理由で法定更新になるケースがあります。理由はどんなものであれ、契約期間を過ぎて更新の手続きが完了していない場合は、強制的に法定更新になりますので十分注意が必要です。

法定更新はおすすめか?

 法定更新は、もともとは大家さんの都合などで、落ち度のない入居者が突然退去を求められることなどがないよう、入居者を保護するためにつくられた制度です。

 更新料はかからなくなりますが、引越しの3カ月前までに退去通知をするというのは入居者にとってはデメリットになっています。また、大家さんとの関係もよくないものになってしまう可能性も高いです。メリットとデメリットを考えると、法定更新を選択するのはあまりおすすめできません。

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