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中古住宅の売買契約時の注意点(1)

購入申し込みから引き渡しまでのスケジュールと諸費用

2016/01/06 佐藤ゆみ

ここで改めて中古住宅の購入申し込みから引き渡しのスケジュール、諸費用について見ていきましょう。まずは購入申し込みから住宅ローンの事前審査、売買契約締結、住宅ローンの申し込みと続きます。

まずは購入申し込みをしよう

 ここで改めて物件の購入申し込みから引き渡しのスケジュール、諸費用について見ていきましょう。

●ステップ1 購入申し込み書の提出
 見学を終え、購入を希望する物件が決まったら、まずは不動産会社に連絡を入れ、その旨を伝えます。そして、なるべく速やかに「購入申込書」を提出します。これは購入を前提として、売主と条件を詰めるための申し込みであり、不動産売買契約とは異なります。

 購入申込書を提出する際には、5万円から20万円の「申込証拠金」を預けるのが一般的です。これは申し込みの優先順位を確保するためのもので、無事契約に至った場合には物件の購入費にあてられ、契約に至らなかった場合には原則返還されます。ひとつ注意しておきたいのは、後でお話しする「手付金」と「申込証拠金」は異なることです。「手付金」は返還されませんので、必ず確認するようにしてください。

 購入申込書を提出すると、売り主との交渉のスタートです。契約条件の調整や不明点の確認を行ないます。たとえば、「引き渡し時期は○○までにしてほしい」「エアコンは故障しているので、売り主側で撤去してもらえるのか?」などの要望や確認事項を、不動産会社を通じて伝えてもらいます。

 交渉の結果、合意できれば、次は細部の詰めを行ないます。具体的には、不動産会社の宅地建物取引主任者が買い主に対し、権利関係の確認や万が一契約を解除する場合の規定など、「重要事項」の説明を行ないます。また、たとえばガスコンロなど、現況の設備のなかで売買対象に含まれる「付帯設備」について説明します。

 こうして契約内容に問題ないことを確認したうえで、ステップ3の「不動産売買契約」を結びます。購入申込書を提出してから、ここまで通常1~2週間ほどで進みます。

●ステップ2 住宅ローンの仮審査
 頭金が少ないなど資金に不安がある場合は、ステップ1を進めている間に住宅ローンの仮審査(事前審査)を行ないます。個人で直接金融機関に当たることもできますが、通常は不動産会社の担当者に年収等を伝え、その不動産会社とツテのある金融機関に希望の融資額が通りそうかどうか確認してもらいます。

 仮に希望の融資額に届かない時は、親戚などから資金を調達したり、別の金融機関で再度仮審査を行ったりするなどして、資金の目処を立てます。資金の目処が立たない場合は次のステップである不動産売買契約を結べません。

売買契約と住宅ローンの申し込み

●ステップ3 不動産売買契約の締結・住宅ローンの申し込み
 住宅ローンの仮審査の結果、希望の融資額が通りそうだと判断されると、契約日を決めて不動産売買契約を結ぶことになります。同時に住宅ローンの申し込みを正式に行ない、審査の結果を待ちます。

 不動産売買契約時には、「手付金」が必要になります。手付金は、買い主の勝手な都合で契約を破棄することを防止する意味合いのお金であるため、万が一、解約する場合には返金されません。物件価格の10~20パーセントが相場ですが、特に規定があるわけではないので、手持ちの資金が不足する場合は交渉の余地があります。

 また、併せて不動産会社に対して仲介手数料の半金を支払うことが多いようです。仲介手数料の上限は、消費税を除く物件価格×3.24パーセント+64,800円です。こちらも手持ちの資金が不足する場合は、住宅ローンが下りるまで待ってもらえることもあるので相談してみましょう。

●ステップ4 融資の実行と売買代金の決済、所有者移転登記の確認
 住宅ローンを申し込んでから2~3週間で審査の結果が出ます。審査に通ると、融資が実行され、「残金決済」が行なわれます。残金決済は、売り主・買い主・不動産会社・司法書士が融資先の金融機関に集まり、金融機関の担当者のもと行なわれます。

 買主の口座にいったん借入全額が振り込まれ、その後、購入代金の残金と固定資産税の買主負担分が売主側の口座に、仲介手数料の残金が不動産会社の口座に振り替えられます。

 すべての決済が完了すると、買主に権利が移り、その場で売主から買主に鍵が引き渡されます。同席した司法書士は登記の変更に向かい、1週間程度で、買主のもとに新たな登記簿が郵送されます。

 なお、住宅ローンの審査に通らず、融資が下りなかった場合は、通常、不動産売買契約書に「住宅ローン特約」の条項があり、ステップ3で支払った手付金は全額返金されます(契約自体がなかったものになります)。

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