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失敗しない物件選びの基礎知識(5)

都心と郊外、不動産投資をするならどちらが有利?

2016/02/24 枦山 剛

不動産投資の初心者の間でよく話題になるのが「都心の物件と郊外の物件とではどちらがいいのか?」という疑問です。当然ながら、都心であっても郊外であってもそれぞれのメリット・デメリットがありますので、紹介していきましょう。

都心の物件は「高コストだけど低リスク」

 都心の物件のいちばんのメリットは、高い賃料設定ができることです。賃料が下がることもあまりありません。その上、空室になる期間が少ない稼働率の高さ(人口減少の可能性も低いため)も魅力的。そして、建物が多少古かったとしても、立地のよさがカバーしてくれますし、そもそもの賃料相場の下限が郊外の物件に比べて高いといった特徴があります。

 しかし、そもそも購入するときの金額が高めの設定なので、初期費用は高くなってしまいます。また固定資産税・都市計画税といった税金面でも、郊外の物件と比較すると高くなるので、利回りは低くなる傾向にあります。

 また、都心の物件の稼働率は高いですが、同時に賃貸物件が多く競争も激しいので、入居者募集の際には所有する物件が埋もれてしまうことがありますし、室内設備の細かい改善などの対策が、空室リスクに効果を発揮しづらい傾向にあります。とはいえ、郊外の物件に比べると空室リスクは低い傾向にあるのは間違いありません。

 このように、購入タイミングではコストが高めですが、運用期間中のリスクが低いのが都心の物件の大きな特徴です。都心部は人口が減りづらいことから賃貸物件の需要は高いので、かなり強気な賃料設定でも入居者はつきやすいのです。

 また今後の日本の社会情勢を考えると、さらなる都市部への人口流入が進むと思われるので、将来的にも有利な投資になる可能性は高いといわれています。

 そして、売却においてもかなりの築年数が進んでいる物件でもそれなりの価格で売買契約が行なわれているなど、キャピタルロスどころかキャピタルゲインを狙える可能性もあります。というのは、都市部は価格の上昇トレンドに入ることがあり、そのタイミングで売却できればかなりの利益を得ることもできるからです。

 ただし融資面については注意が必要です。実勢価格と金融機関の評価額が大きくかけ離れていることも多く、思っていた融資額を引き出せない可能性はあります。このため、都心の物件に投資する場合は自己資金が多めに必要になります。

郊外の物件は「価格は安いが高リスク」

 それでは、郊外の物件にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

 まずメリットとしては、物件が安いことから利回りが高くなること、そして実勢価格と金融機関の評価額の差異が小さいことから融資が組みやすいことです。

 逆に、賃料・稼動率の低さがデメリットになります。将来的な人口減少を考えると、賃料が下落するリスクも高く、売却するにしても機会が少なくなっていきます。

 さらには人口減少が加速していても核家族化が進行していたので世帯数は増加傾向にありましたが、2019年にはとうとう世帯数まで減少するといわれており、特に地方での人口減少は都心よりも加速するので、需要の縮小は加速度的に進行するといわれております。

 つまり、一言でいえば「安いが高リスク」なのが、郊外の物件の傾向です。郊外の物件を持つ最大のメリットは利回りの高さです。そして融資の組みやすさを考えると、自己資金を抑えた投資には向いています。また、都心ほど競争が激しくないので、ちょっとした内装・設備の工夫で効果的に物件の競争力を高めることが可能です。

 とはいえ、賃貸需要の減少というデメリットは大きいです。物件の供給量と入居者の需要のバランスが悪いので、悪循環に陥りやすいのです。

同じ賃料でも価値の差が生まれる

 たとえば、賃料8万円の物件について考えてみましょう。都心ではワンルームクラスですが、郊外ではファミリータイプクラスの賃料です。そこで、修繕費用のことを考えると、ワンルームとファミリータイプでは部屋の広さ・設備の多さが変わってきますので、郊外の物件のほうがコストは高くなります。

 このように、都心の物件より郊外の物件のほうがリスクは高くなります。とはいえ、郊外でもエリア次第でも十分勝負できる場所はまだ残っているので、初期費用を抑えた投資を目指すのであれば、投資物件を探してみる価値はあると思います。

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