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いまさら聞けない融資と資金の基本(4/11)

不動産投資ローンを組む金融機関の選び方

2016/02/24 赤石崇士

不動産投資用のローンにおいては、「物件の収益性」と「個人の属性」の両方が審査対象となります。金融機関によって、得意とする物件や対象としている属性がそれぞれ異なるので、自分の条件にあった金融機関を選ぶことをおすすめします。

不動産会社から紹介してもらう

 気になる物件を見つけたとしても、現金で買えるだけの資産がある場合を除いて、金融機関から融資を受けられるかどうかで、物件を購入できるかどうかが決まってしまいます。では、融資を申し込む金融機関をどうやって選べばいいのでしょうか。

 いちばん簡単な方法は、投資用物件を購入する不動産会社から紹介してもらうことです。投資用物件に特化した不動産会社であれば、提携していたり、すでにつきあいのあったりする金融機関があるはずです。

 当然、どの金融機関から融資を引き出しやすいかといった情報ももっているでしょうし、不動産会社からの紹介があれば、飛び込みで金融機関に融資を申し込むよりも融資が受けられる可能性は高くなると思われます。

融資条件は金融機関によって異なる

「不動産ローンの概要」の項目で、一般的な銀行の融資条件を紹介しましたが、融資条件は金融機関によって異なります。

 たとえば、「金利」「融資期間」「融資額(融資割合)」「融資限度額」などが金融機関によって異なるのは想像がつくかと思いますが、その他にも「物件の評価方法」「完済年齢」「事務手数料」「繰り上げ返済手数料(繰り上げ返済時の違約金の有無含む)」「融資対象エリア」「属性基準」など、あらゆる条件が異なっています。

 具体的な例をあげて、説明していきましょう。

(1)融資期間
 融資期間については、構造ごとの法定耐用年数(RC造47年、鉄骨造34年もしくは27年、木造22年、軽量鉄骨19年)から築年数を差し引いた「残存期間」を基準にすることが一般的です。

 この一般論に立つと、中古の投資用物件は流通しにくくなってしまいますが、法定耐用年数を過ぎた木造アパートでも30年の融資期間を、鉄骨やRCにおいても、新耐震以降の建物であれば25年の融資期間を設定している金融機関も一部あります。

 また、融資を受ける人の年齢に応じた融資期間の設定も金融機関によって異なります。たとえば融資を受ける人が50歳を超えている場合、完済年齢が75歳に設定されている金融機関では、物件の条件がよかったとしても 融資期間の制約を受ける(25年ではなく20年など)場合があります。

(2)融資金額
 融資金額においても、限度額が不動産売買価格の100パーセント(つまり全額)という金融機関もあれば、「金融機関独自の評価額と売買価格の低いほうの90パーセント」など、希望額と差が出てしまう可能性のある場合もあります。

(3)その他
 団体信用生命保険に入ると本人が亡くなったときにローンはゼロになるので残された家族に資産を残せるのですが、投資者が以前に大きな病気をしたことがあるなど既往症がある場合、融資自体が否決されることもあります。

 最近は減ってきましたが、配偶者がいる場合は連帯保証人必須という金融機関もまだまだ多く、夫が積極的でも妻が消極的な場合でも融資が滞ります。

 ここにあげたのはほんの一例ですが、金融機関による違いが大きいことがおわかりいただけるかと思います。

物件に対する金融機関の見方

 金融機関が優遇するのは、「年収が高く、金融資産が多く、借入れが少ない人」です。このような人には、さまざまな融資条件が提案され、しかもかなり有利な融資が受けられます。年収も金融資産も1億円を超える人であれば融資は楽に通ると思いますが、なかなかこのような人はいないのではないでしょうか。

 そういう人でない限りは、まずは不動産会社が提携している金融機関に融資を申し込むのがスムーズです。ただし、前の項でもお伝えしたように、どの不動産会社でも自分にとってベストな提案をしてくれるとは限らないということは頭のなかに入れておいてください。

 不安な場合や条件に納得ができない場合は、融資に強いファイナンシャルプランナー(FP)や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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