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リフォーム予算と費用の賢い決め方(5)

階下への防音対策にかかる費用は?

2016/01/30 森田祥範

木造2階建ての住宅に暮らしている人の多くが、「2階の音が気になる」という悩みをもっているようです。ここでは、2階の音や振動が気になる構造的な原因と階下への防音対策にいくらかかるかを見ていきます。

天井裏の「吊り木受け」で2階の音を遮断

 木造2階建て住宅で暮らす人の悩みとしてときどき耳にするのが、「1階にいると2階の音が気になる」というもの。リフォームでこの悩みを解決するには、どうすればいいのでしょうか。

 2階の音や振動が気になる場合、考えられる原因はふたつあります。ひとつは、1階天井裏の構造に問題がある場合。もうひとつが2階の床材に問題がある場合。

 構造に問題がある場合とは、天井裏に「吊り木受け」という部材を使っているかどうか。

吊り木受けという緩衝材を使うことで2階の音や振動の伝播を防いでいる

 一般的な木造住宅では、2階の音や振動が1階に伝わらないよう、2階の床と1階の天井が構造的に切り離されています。2階の床を支える梁と、天井板を吊り下げる吊り木とを直接つなぐのではなく、吊り木受けという緩衝材を間にはさむことで、2階の音や振動の伝播を防いでいるわけです。

 ところが、こうした構造を採用せず、梁と吊り木を直接つないでいる家屋もときに見受けられます。そうした住宅の場合、2階の音や振動がどうしても1階に響きやすくなります。

 そこで、リフォームで1階天井や2階床を張り替える場合、同じタイミングで「吊り木受け」を追加する工事を行なうと、2階の物音が気にならなくなります。追加の費用は、1階天井側から金物を使って加工する場合は6畳1室あたり1万5000円前後から。2階床側から加工する場合は6畳1室4万円前後からになります。

2階床材に遮音性能の高いものを使う

 2階の音が気になる原因として、もうひとつ考えられるのが、2階の床に使われている床材が不適切なこと。

 最近の木造住宅では、クッション性があって遮音性能の高い床材を2階の床に使うのが当たり前になっています。しかし、少し古い住宅の場合、2階床材のセレクトにそうした配慮がされていないケースもしばしば見受けられます。それでも、2階の床がカーペット張りの場合は音が響きにくいのですが、床をフローリングにした途端、音が気になり出すケースも多いのです。

 防音クッションつきのフローリング材は、一般のフローリング材に比べて、1平方メートルあたり3000〜4000円程度の違いしかありません。これから2階の床をフローリングにするという人は、ぜひ防音性能の高いフローリング材を選んでください。

 特におすすめなのは、コルクを使ったフローリング材。コルクは天然素材で人の体にやさしく、弾力性・耐水性・保温性に優れ、ダニやほこりが出にくく、転んでも痛くありません。もちろん、遮音性(正確にいえば吸音性)にも優れているので、2階床材に最適です。

マンションの床材をどうするか

 ここで、マンションの防音にもふれておきましょう。

 マンションでも、床のリフォームは可能です。ただしマンションの場合、騒音から近隣トラブルに発展するケースが頻出しているため、管理組合の規約などで、床のリフォームに一定のルールを定めているところが多いようです。

 たとえば、床のリフォームをする場合、フローリング材には遮音性能の高いもの、具体的には「L40のものを使うこと」などが義務づけられていたりします。

 L値とは衝撃音の遮音性能を表すときの尺度で、L40は椅子の移動音や物の落下音がほとんど聞こえないレベル。L45はそれらが小さく聞こえるレベル、L50はそれらが普通に聞こえるレベル。

 ちなみに、L40のフローリング材で床を張り替える場合、6畳で約20~25万円の費用がかかります。

 古いマンションの場合、床はコンクリートに直張りされていることが多く、階下への音漏れには特に気を遣わなければなりません。床のリフォーム時は管理規約をチェックするだけでなく、階下の住人の了解を得られるよう、誠意をもって対応しましょう。

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