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失敗しない物件選びの基礎知識(2)

「一棟」「区分」とはそれぞれどんな物件なのか(1/2ページ)

枦山 剛枦山 剛

2016/02/24

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「一棟」のメリット・デメリット

ここでは「一棟」と「区分」の違いを見ていきましょう。ここでいう「一棟」とは「マンションやアパート全室を所有すること」で、「区分」とは「マンションやアパートの一室だけを所有すること」という意味です。

一棟のメリットとしては、売買価格が大きくなる=投資の規模が大きくなるので、賃料収入も大きくなります。複数の戸数を持つことになるので、空室リスクの分散につながり(いきなり賃料がゼロになる可能性が少ない)、投資者の裁量でさまざまな施策がしやすくなります。

たとえば区分所有ではリノベーション工事をしたいのなら、管理規約により事前に管理組合の承認が必要となることがありますが、一棟所有ならその必要はありません。また、一棟を所有していることで、資産価値として認められるのでほかの投資をする際に担保として提供すれば融資が受けやすいという面もあります。

逆にデメリットとしては、投資する額が大きいので初期費用膨らみます。小規模のアパートでも、2000万円以上は覚悟しておかなければなりません。また共有部分もすべて所有することになり、戸数も多いので運営コストも大きくなります。入居者は自分の部屋に関するライフラインは支払いますが、共有部分の電気代などはすべて運営費として投資者の負担となります。

このように、自由度は高いのですが、建物が大きくなることから運営・修繕コストが高くなってしまうのが一棟の特徴です。とはいえ、管理費・修繕積立金が強制的に徴収されてしまう区分とは違い、所有者の裁量で大規模修繕のタイミングを決められるのは大きなメリットです。

また災害などで建物が倒壊してまったとしても土地は残るので、資産価値としての評価の下落率が区分に比べて少ないのも特徴です。

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この記事を書いた人

中学卒業後に大工、建設業、鉄工業などを経て、97年、若干23歳の時に鉄工業で創業する。大手ゼネコン5次下請けからスタートし、最終的には総合建設業者として大手ゼネコン5社の内2社、準大手ゼネコン5社、財閥系商社、建材メーカー、設計事務所、他数百を超える顧客と直取引するまでになり職人100人前後を抱える。同じころ飲食店、建設業専門経営コンサルタント業などを行なう関連会社3社も経営し、事業の多角化を行なう。 その間、約24年で多くの大型開発工事、投資用マンションとアパート建築、高層ビル建設、公共施設工事、メーカーの建材開発に携わり新施工法や新製品の商品化に貢献し徹底した品質管理と原価構造を学ぶ。しかし、拡大路線が裏目に出て廃業に至る。これを契機に経営者としての人生を徹底的に見つめ直し、顧客と社員と自身の相互利益を探求し学ぶ。 その後、不動産コンサルティングの業務に魅了され転身。 業界の活性化や顧客満足度の向上を阻む建設業界や不動産業界の古い慣習と収益構造に疑問を持ち、既成概念にとらわれない顧客サービスを模索し経営方針を固める。 現在、「経済活動を通し社会の不満、不便、不安を解消する」を経営方針に掲げ、顧客と企業の相互利益がかなうビジネスモデルを手掛け、建設と不動産に関わるすべての業界に変革を呼びかける。 (保有資格) 不動産系 1. 宅地建物取引士 2. 管理業務主任者 不動産コンサル系 1. 不動産コンサルティングマスター (合格後未登録) 2. 住宅建築コーディネーター 3.賃貸不動産経営管理士 4. 既存住宅アドバイザー 建築系 1. 一級建築施工管理技士 2. 監理技術者資格者証 3. 監理技術者講習修了証 4. 建築物石綿含有建材調査者 5. 特殊建築物調査資格者 6 マンション健康診断技術者 7. ブロック塀診断士 8. 建築仕上診断技術者 金融系 1. 貸金業取扱主任者 2. 住宅ローンアドバイザー ほか、損害保険募集人資格4種保有 その他 1. 相続診断士 2. 上級個人情報保護士 ほか、労働安全衛生法による資格16種保有

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