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失敗しないリフォームの基礎知識(2/5)

業者はこうして選ぶーリフォームの5つのステップ(1)

森田祥範森田祥範

2016/01/04

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ステップ1 情報収集

 自分はどんなリフォームがしたいのか。それを明確にするためには、実際のリフォーム施工例や最新の住宅設備について知っておく必要があります。

 そこで、自宅リフォームの出発点となるのが「情報収集」。リフォーム関連の雑誌や施工例集を見たり、住宅設備機器のカタログを取り寄せたり。多くの施工例に触れるほど、リフォームの具体的なイメージが湧きやすくなります。リフォーム関連の折り込みチラシは、工事費の目安を知る情報源にもなります。

 そもそも、「自宅がどのような構造になっているのか」を知ることも大切な情報収集。建築時の図面などがあれば、揃えておきましょう。

 もし自宅をリフォームした知り合いがいれば、自宅を見せてもらいながら話が聞ければ、貴重なアドバイスが得られるはず。特にマンションのリフォームは管理規約や建物の構造など多くの制約があるため、リフォーム経験者の話をぜひ事前に聞いておくべき。また住宅展示場のモデルハウスや、分譲マンションのモデルルームに出向いて、最新の設備に直に触れてみるのもいいでしょう。

 増改築が予想される場合には、法律のチェックも忘れずに。第一種低層住居専用地域などの用途地域と、その地域における建ぺい率、容積率は都市計画法に定められています。またセットバック、斜線制限などは建築基準法に規定があります。

ステップ2 プランづくり

 収集した情報をもとに、どのようなリフォームを行うか、家族で話し合いましょう。雨漏りや台風被害などで緊急的な修理・修繕が必要な場合を除き、急ぐ必要はありません。リフォームを機に二世帯で同居する場合は、特に事前の意見集約が重要。家族全員が納得するまで、じっくり検討してみましょう。

ステップ3 資金計画

 住まいのどの部分をどのようにリフォームするのか。リフォームプランが具体的に見えてくれば、施工例集などから、必要な予算もおおまかにつかめるはずです。

 そこで、次に必要なのは資金計画を練ること。リフォームの費用を自己資金でまかなうのか、あるいは融資を受けるのか。融資を受ける場合も、財形住宅融資という公的融資もあれば、銀行ローンなどの民間融資もあります。リフォーム会社とクレジット会社が提携したリフォームローンもあります。

 ただし、一家の働き手がすでに定年退職している場合は、新たなローンを組まないのが原則。リフォームは自己資金の範囲内で行なうべきです。

 例外は、高齢の両親のためにバリアフリー化したり、耐震補強などのリフォームを行なう場合。バリアフリー化や耐震化については、自治体によって、助成金制度や特別ローンなどの優遇措置を設けているところもあります。こうした制度は上手に利用しましょう。

 ちなみに、一般的なリフォーム工事費の目安は、4.5畳のキッチンへのシステムキッチン導入は50~60万円から。6畳和室を洋室に改築する場合は30万円から。浴室のユニットバスへの変更は80万円から。これらはあくまでも目安なので、ご参考までに。

業者の選定と打ち合わせ

 家族の納得するリフォームプランが固まり、資金計画に目処がついたら、次のステップがリフォーム業者の選定です。

 住まいが一戸建てであれば、家を建てた工務店やハウスメーカーが最初の相談窓口になるでしょう。建物の構造や工法は十分に理解しているはずですから、リフォームを任せても安心です。

 家を建てた工務店と連絡がつかない場合、あるいはマンションのリフォームの場合は、地元で長く仕事をしている、評判のいい工務店を探してみましょう。リフォームでは、工事後も細かな手直しが必要な場合が多いですから、いつでも迅速に対応してもらえるよう、地元の業者にお願いしたほうがいいでしょう。

 この時点で、業者を1社に限定する必要はありません。「これは」と思う業者を2〜3社選び、リフォームの要望を率直に持ちかけてみましょう。その際、真摯に対応してくれるかどうか、プロらしい提案をしてくれるかどうかも、業者選びのポイントになります。

 なお、チラシ広告などで大特価キャンペーンなどを大々的に謳っている業者は注意が必要ですし、訪問販売や電話営業してくる業者は避けたほうが無難です。

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この記事を書いた人

モリタマネジメント株式会社 代表取締役

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、相続対策専門士、ファイナンシャルプランナー、増改築相談員、二級建築施工管理技士。 LATUバリ建築スクール(インドネシア、バリ)ディプロマ取得。 1952年生まれ 兵庫県出身。早稲田大学卒業後、積水ハウス株式会社に入社、特建事業部(ゼネコン部隊)に配属。主に土地所有者の土地有効利用を中心とした営業に18年間従事する。また自社集客手法の独自企画や金融機関等のセミナー講師も務めて実績をあげる。 在籍期間の完工実績棟数は387棟。全国特建事業部表彰(特建営業300人中1位)、社長表彰(全社営業3800人中2位)、全社チーム別獲得粗利益表彰(全社全900チーム中1位)などの記録多数。退職するまでプレーイングマネージャーにこだわり続けた。 94年に建築リフォーム会社を設立し、現在まで22年間でテナントビル・マンション、店舗、住宅などのリフォーム工事を中心に約4000件余を完工。不動産の事業化プランニング、賃貸収益物件 (テナントビル、マンション)や店舗の収益最大化手法には定評があり、不動産オーナーの熱烈なファンが多い。 2009年、中小企業コンサルを目指して「ナニワの再建屋」桂幹人の門をたたき薫陶を受ける。桂幹人の実践的コンサルティングと自らの経験とを融合させた「モリタメソッド」を完成した。11年、多くの事業家を実践指導し、新たな事業を創る実践コンサルティングを開始、賃貸ビル・マンションオーナーの満室セミナー、工務店の脱下請け事業構築セミナー、中小企業経営者の新規事業構築勉強会(実践的指導)主催。また経営者、営業幹部の個別コンサルティングも行なっている。 指導先業種は、建設業、工務店、リフォーム会社、鉄工所、内装業、建設資材問屋、自動車輸出入業、子ども服セレクトショップメーカー、自費診療専門整体院チェーン、ブライダルを手がける呉服店、ヒーリングサロン、多店舗展開の美容室、大阪黒門市場マグロ専門店、デザイン事務所の新規事業支援等多岐にわたる。

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