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おすすめは長期の固定金利型

低金利時代の有利な住宅ローン利用法

小島淳一小島淳一

2016/01/04

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現在は歴史的な低金利時代

 住宅ローンを検討している人なら、「今は金利が低いから変動金利にしようかな……」といった言葉を何回も耳にしたことがあるのではないかと思います。ここでは、低金利時代といわれる現在の状況と、その状況下でより有利に住宅ローンを利用する方法について説明していきます。

 日本の住宅ローンの金利は現在、世界的に低い水準にあります。これは歴史的に見ても大変低い状態となっています。公的ローンである住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)の金利も、民間住宅ローンの金利も、どちらも1990年代初めから中ごろにかけて下がり続け、95年頃からは低い水準を保っているのです。

 90年には民間ローンが8.5パーセント前後、公的ローンが5.5パーセント前後でしたが、2014年には民間ローンが2.5パーセント前後、公的ローンは1.6パーセント前後にまで低くなりました。この15年ほどで、昔に比べたら信じられないほどの超低金利になっているわけです。

 将来的に金利の動きがどうなっていくかを、完全に予測することは不可能です。とはいえ、この低金利の状態がさらに大きく下がることは考えにくいといえます。横ばいが続いていくことや、逆に金利が上がっていくことは十分考えられるでしょう。

現在の低金利時代には固定金利がおすすめです

 このような低金利時代にたくさん借り入れをし、返済を長期間にしたい場合は、固定金利型がおすすめです。変動金利型よりも金利が高めになりますが、固定金利期間を可能な限り長くしておくのが安全でしょう。

 金利タイプの種類や特徴については後の項目でより詳しく紹介していきますが、金利の選び方の基本原則は、以下の通りです。

・「低金利時代、あるいは低金利から高金利に上がっている時代」に借りる場合は、長期固定金利型あるいは全期間固定金利型を選んでおく。
・「高金利時代、あるいは高金利から低金利に下がっている時代」に借りる場合は、短期固定金利型あるいは変動金利型を選んでおく。

変動金利のほうが金利は低いけれど……

 低金利時代のメリットを最大限受けるためには、変動金利型の金利タイプを選択するという方法もありますが、これは金利が現状維持していくことを期待している、その可能性に賭けているということになります。この方法を選ぶ際は、金利が上がっていくリスクに備え、金利の動向を把握して、借り換えなどの対応をしなければなりません。

 返済スタート当初は変動金利型の住宅ローンを選んでおいて、金利が上昇しそうになったら固定金利型に切り替えることもできるのですが、この方法はおすすめできません。

 固定金利と変動金利が同時に上昇するならよいのですが、多くの場合それぞれが上昇するタイミングは少しずれています。固定金利のほうが景気の動向を素早く反映して、変動金利より先に上がっていくことが多いのです。

 変動金利から固定金利への切り替えを視野に入れている人は、固定金利の動向も見ておきましょう。変動金利が上がったことを確認してから固定金利に切り替えたとしても悪くはないのですが、金利がそのまま上昇するかどうかはわかりませんし、切り替えタイミングを見きわめるのは非常にむずかしいです。

 切り替えの際は同じ金融機関を利用するのもいいですし、条件のよい別の金融機関で借り換えするのもいいと思います。ただし、全期間固定金利型にしたい場合は、他の銀行で借り換えを行なう必要がありますので、覚えておきましょう。

 住宅ローンの返済期間は、多くの場合は数十年単位の長いものです。その途中で思わぬことがあった場合、家計の状況が厳しくなることもあります。何よりも大切な家族と、せっかく手に入れた大切な家を守るためには、現在の低金利の恩恵を受けるべく、固定金利型を選択されることをおすすめします。

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この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定)、相続診断士

1970年生まれ。神奈川県海老名市出身。 早稲田大学商学部を卒業後、93年、「海賊とよばれた男」の出光興産株式会社に入社。特約店経営改善計画からマーケティング・SS現場の増客増販まで一連のガソリンスタンド事業に携わる。福島県山間部での集客イベントでは3日間でガソリン10万ℓを売上、全国優秀店表彰へ導く。 その後、2000年にヘッドハンティングされソニー生命に入社。社内表彰やMDRTに連続入会、営業職最高位エグゼクティブライフプランナーに認定される。 現在は、金融機関に属さない独立系FP会社:ライフワーク株式会社の代表として、リスクマネジメントコンサルティングを中心に、各種セミナー講師として活躍中。

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