土地の購入資金が住宅ローン控除の対象になる条件(1/3ページ)
高橋敏則
2016/01/30
土地にしか名義がない場合は?
住宅ローン控除は、その名の通り住宅購入に関するローンが対象となる控除でしたが、1999年(平成11年)から敷地部分(土地)についてもローン控除の対象となりました。とはいえ、あくまで「住宅」が中心にある控除ですので、土地の購入資金の控除に関しては一定のルールがあります。
では、まず土地と住宅の名義が違う場合はどうなるのでしょうか?
たとえば、土地の名義が夫で2000万円のローンを組み、住宅の名義が妻で1500万円のローンを組んだ場合、夫は土地部分にしか名義がないために、実態としてはその住宅に住んでいたとしても、「家屋を伴わない土地の購入資金のためのローン」と判断され、住宅ローン控除を受けられません。もちろん、妻のほうはそのほかの要件を満たしていれば、住宅部分の1500万円のローンを対象とした住宅ローン控除を受けられます。
この場合、夫の名義が共有持分としてあれば考え方が変わります。住宅に夫の名義がある場合、その金額が妻より少なかったとしても「家屋を伴う土地の購入資金のためのローン」と判断され、そのほかの要件を満たせば土地のローンである2000万円が住宅ローン控除の対象となります。
このように、土地と住宅の名義については、購入後の控除まで頭に入れて慎重に決めましょう。
この記事を書いた人
公認会計士、税理士
1979年、中央大学商学部卒業。80年、公認会計士二次試験合格。アーンスト・アンド・ウイニー会計事務所、監査法人を経て独立、高橋会計事務所を開設し、現在に至る。経理・財務・税務の指導ほか、中小企業の経営コンサルティングに従事。 「専門知識がなくてもわかる解説」が人気となり、税務研究会、企業の社内研修会など各種セミナーの講師として活躍するほか、ビジネス書の著者としても多くの書籍を執筆している。 著書に「相続・贈与でトクする100の節税アイデア」「小さな会社の税務がすべてわかる本」、「小さな会社と個人事業主の消費税がすべてわかる本」 (ダイヤモンド社)、「不動産オーナの節税対策/知っておきたい土地建物の税金」(清文社)、「法人税/有利選択の実務」「消費税/有利選択の実務」(税務研究会)など多数