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土地選びの基礎知識(1/8)

家づくりで理想の土地を探し出す手順と方法

菅 正秀菅 正秀

2016/01/23

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専門家である不動産会社に依頼するのが一般的

 土地探しは、自分で雑誌やインターネットなどでも調べられますが、掲載されていない案件も多いので不動産会社に依頼するのが一般的です。やはり、専門家からのアドバイスは参考になることが多いのです。

 その際、家を建ててもらうハウスメーカーや工務店に土地探しも依頼する場合には、費用がかからないことが多いので一石二鳥(加えて、土地購入と住宅建築の両方をローンでまかなう場合は、ローン手続きも1本にまとめられるので、一石三鳥)。土地選びも、家の建築も、となると夢に向かって一緒に歩むパートナーですので、慎重に選びましょう。

土地を選ぶ際の注意点

 この土地の購入、不動産会社と買い主とでは「いい土地」の条件が変わってくるので注意が必要です。

 不動産会社にとっての「いい土地」とは…、それは価格の高い土地です。価格が高い、ということは立地条件がよかったり、日当たりもよかったりと利便性に優れているのですが、それは不動産会社にとっての仲介手数料も自動的に高くなることを意味しています。つまり、利益を考えた場合、不動産会社にとっての「いい土地」は価格に高い土地になるのです。

 しかしながら、土地に予算を取られ過ぎてしまうと、総予算に収まらない可能性が出てきてしまいます。買い手にとっては、よい条件がそろった土地こそが「いい土地」ですが、予算内に収めることも重要なことです。そこで、予算を熟慮して、最大限土地にかけられる予算を割り出してから土地探しをしなければいけません。

家も一緒に建てるなら…

 そのようなときに、ハウスメーカーや工務店であれば総額を考えながら土地探しをしてくれます。いわば、買い主の視点で土地探しをしてくれるというわけです。

 その際に気をつけなければいけないのが、「建築条件つきの土地」です。この場合、土地の価格自体は割安な場合があるのですが、「3カ月以内に○○建設会社で家を建てること」などの制約が設定されていることが多いのです。

 その点にさえ注意すれば、家づくりと土地探しをセットで依頼することはおすすめです。

土地探しのスケジュール

 それでは、具体的にどのようなスケジュールで土地探しを進めていけばいいのでしょうか?

 まずは、不動産会社もしくはハウスメーカーなどに、希望している土地の条件を伝えて情報収集を依頼します。依頼を受けた業者は条件に合った情報を集め、その土地について現地に確認に行きます。情報が正しいかどうか、実際に土地を見て確認します。現地確認を怠る業者はNGです。

 こうして吟味された土地が紹介されるので、気に入った土地を訪問して確認しましょう。同時に近隣調査(学区や町内会、ごみ置き場の確認)や土地の履歴ほか法律関係の調査も進めます。また、場合によっては土地を改良する必要があったり、上下水道を引く必要があったりするので、工事の見積もりも算出してもらいます。

 土地の価格ほか工事概算などを確認して、問題がなければ契約書を交わします。この契約は、買い主・売り主が立ち合いのもと行なわれ、お互いが契約書にサインをし、売買が成立します。

 この売買成立時に土地の代金を支払うことになるのですが、場合によっては契約の前に前金(手附金)という形で売買価格の何割かを支払うこともあります。その場合は、残金を支払って売買の成立となります。その後、土地の所有権の移転を経て、晴れて買い主の所有する土地となるのです。

 このようなスケジュールで進む土地探しですが、数カ月で終わるか、1年以上かかってしまうかは人それぞれです。土地との縁もありますので、なかなか自分の納得する土地に出会えないかもしれませんが焦らないことも大切です。そして、時間がかかりすぎてしまった場合は、何か条件をゆるめて先に進むという決断をしなければいけません。予算も考慮し、できる限り好条件の土地を選ぶには辛抱と思い切りの両方が大事です。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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