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いまさら聞けない不動産投資の基本(17/18)

投資物件にかかる管理費、修繕費について知っておこう

浅井佐知子浅井佐知子

2016/02/27

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築年数が古いほど大きくなる管理費

管理費は、エレベーターの点検や共用部分の清掃、管理人の窓口業務など日常的な業務にかかる費用です。清掃用の水・電気など水道光熱費もかかるので、築年数が古ければ古いほど費用が大きくなってしまいます。

区分所有マンション(マンションの1室のみを所有している場合)では「管理費」「修繕積立金」は毎月入居者から徴収し受託業者に支払いますので、金額は毎月固定で決まっていることからコストダウンは難しいところです。

また1棟全部を所有している場合は、受託業者により金額が大きく変わります。安くてずさんな管理をする業者は話になりませんが、安くても良質なサービスを提供している業者もあるので、ネットや大家さんのコミュニティで情報を仕入れましょう。

業者によって金額が変わるということは、複数の業者に見積もりを依頼する「相見積もり」で金額とサービス内容を比較・検討してみるのもひとつの方法です。

築年数が古くなると差がつく修繕積立金

修繕積立金は、外壁の補修や屋上の防水工事、建物診断などを行うことで長期的に建物を維持するために使われる費用です。区分所有マンションの場合は、上記の通り入居者から強制徴収になりますので、不動産投資初心者には区分所有マンションが向いています。

この修繕積立金の使用方法によって、同じ築年数の建物でも大きな差がついてきます。同じ築20年の建物でも、ひとつは新築同様にキレイなのにもうひとつは壁の汚れやタイルのはがれなど老朽化が目立っているということは珍しくありません。

これは「大規模・中規模修繕を計画的に行っているかどうか」が要因です。建物は年数が経過するとどうしても古くなってしまいますから、計画的に修繕が必要になってきます。1棟の建物を所有している場合、この修繕積立金はプールしておかなければなりません。

自分で大規模修繕費用を積み立てる場合の金額の目安として、建物価格の0.5%から1パーセントを毎年積み立てる必要があるといわれています。5000万円の1棟マンション(この場合、今同じ建物を新築で建て直したらいくらで建てられるかを基準値にします)であれば、25万円から50万円を毎年積み立てていく計算です。

毎年50万円をプールし、10年に1度は建物の外壁や屋上のメンテナンスを行なうことで、建物の美観を保てるというわけです。

この建物のメンテナンスをするかしないかで、外観はもちろん耐久性や空室リスクにも影響が出てきます。修繕工事を計画的に行なうことは、リスクマネジメントにもなるのです。

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この記事を書いた人

不動産鑑定士

大学卒業後、不動産会社で10年間営業を経験。その後、不動産鑑定士として活躍。 「不動産鑑定士の資格を持った不動産投資コンサルタント」としても豊富な実績を持ち、アパートの賃貸から、土地の有効利用、店舗、事務所の賃貸、不動産売買、不動産鑑定、不動産投資コンサルと合わせて計5000件以上の案件をこなす。きめ細やかなサービスで不動産投資家からの支持を得ており、その最後の集大成として、個人の投資家が絶対に失敗しない、幸せな投資家になれる啓蒙活動を行っている。著書に『世界一やさしい不動産投資の教科書 一年生』、2021年1月出版の新刊『世界一楽しい 不動産投資の授業』がある。

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