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ケース別、住宅ローンの考え方(11)

教育費の負担がない場合、住宅費を増やしても大丈夫?

牧野寿和牧野寿和

2016/02/26

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万一の出費や老後資金のことを忘れずに

37歳会社員のWさんと、その奥さんのご夫婦。ふたり暮らしで奥さんは専業主婦。この先も、子どもを持つ予定は特にないといいます。現在の家計にはだいぶ余裕があり、教育費の心配もないので、マイホームの予算を増やそうかと検討中です。

教育費のかからないご家庭なら、住宅費を多めに支出しても問題ないのでしょうか。

もちろん、教育費の負担がない分、生活に余裕ができますし、住宅費も増やすことは可能です。ただ、必要以上に住宅費の負担を増やしてしまうのは避けなければなりません。

Wさんご夫婦のように、子どもの教育費がかからず、奥さんが今後も専業主婦を続ける予定の場合は、支出も収入も大きく変化しないことが予想されます。現在の家計に余裕があるので将来的にも大きな問題はないと考えがちですが、ここで忘れてはいけないのが、万一の出費や老後のための貯金です。

貯蓄と運用で将来のリスクに備える

夫婦で共働きをしているなら、退職金もふたり分出て、年金生活になってからもある程度余裕があるかもしれません。しかし、Wさんの奥さんは専業主婦なので退職金はありませんし、年金の支給額も会社勤めの場合より少なくなります。

さらに、万が一、何らかの理由でWさんの収入が減ってしまった場合、毎月の返済額を多めに設定してしまっていると、家計は破綻してしまいます。Wさんのケースに限らず、将来のリスクを考えずに住宅費をかけすぎてしまうのは非常に危険なことなのです。

それでは、どのような対策をしておけばよいのでしょうか。この場合におすすめなのは、住宅ローンの支払いをするのと同時進行で、老後に向けて早い時期から貯蓄を行ない、さらにその貯金を運用して増やしていくことです。

運用によってどれくらいの差が出るか

ここで、次のふたつのケース、
(1)住宅費を多めにして残りを貯金し、運用は行なわなかったケース
(2)住宅費を少なめにして貯金を増やし、運用を行なったケース
について、比較してみましょう。

【前提条件】
 住宅費に使える金額が毎月15万円、返済期間25年、金利3パーセント、金利タイプが全期間固定金利型、返済方法が元利均等返済の場合

【(1)のケース】
 借り入れ金額は約2750万円、月々のローン返済額13万円、老後貯金2万円(運用なし)の場合
 →老後のためのお金を預けたまま、利息が無かったとすると、25年間で600万円の蓄えになります。


【(2)のケース】
 借り入れ金額は約2300万円、月々のローン返済額11万円、老後貯金4万円(運用を行なう)の場合
 →老後のためのお金を預け年利率2パーセントで運用したとすると、25年間で約1554万円の蓄えになります。

上記のように、(2)は住宅購入のための予算は(1)より450万円少なくなります。しかし、(1)と(2)を完済時に比べてみると(2)のほうがより多くのお金を老後資金として手元に残せることがわかります。

長期運用は、短期運用に比べて利率の高いものが多くなっています。運用を行なう場合は安全性を重視する必要がありますが、上手に運用できれば、効果的に貯金を増やしていくことができます。興味のある人は老後のために投資について勉強し、知識を身につけておくといいでしょう。

 

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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