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シェアハウスの基礎知識(3)

知っておきたい「ひとり暮らし」と「シェアハウス生活」の違い

内野匡裕内野匡裕

2016/02/28

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シェアハウスの契約って?

ひとり暮らしでは、入居者がオーナーと契約しますよね。シェアハウスの場合も入居者個人が管理・運営会社と契約をするので、基本的には手続きはほかの賃貸とほぼ変わりません。保証人が必要な場合もあるので、運営会社にどのような手続きが必要か確認しましょう。

ただし、シェアハウスの場合は「他者に迷惑になる行為をしない」「住人以外の宿泊禁止」など、通常の居住用賃貸物件の契約とは違うルールが設けられていることもあります。契約内容にしっかり目を通すことがトラブル防止につながるので、不明な点があれば質問しておきましょう。このときの対応もしっかりしてくれる管理会社だと心強いといえます。

通常の居住用賃貸物件の場合、前の入居者がまだ住んでいる間は建物の外観しか見られません。シェアハウスの場合でも、満室であれば個人用の部屋を見ることはできませんが、共用部分を内見することができます。

シェアハウスでは「ほかの入居者がどんな人か」次第で、得られる楽しみが大きく変わってきます。入居者の集まっていそうな平日の夜や土日に内見するようにして、可能であれば共用部分にいる入居者さんたちとおしゃべりさせてもらうとコミュニティの雰囲気を体感できておすすめです

アパートやマンションなど内見してみるとインターネット上の写真と現状が異なっていたということがあります。シェアハウスであっても、そうしたギャップが生まれないよう住む前の下調べを念入りに行なうことをおすすめします。

初めてのシェアハウス生活を前にドキドキするかもしれませんが、新しいシェアメイトを迎える側もどんな人が来るのか気になるはずです。シェアハウスは、独立した個人が集まる住居と考えるといいかもしれません。

シェアとプライベートのバランス

プライベートな空間を保ちながら、広々としたスペースでシェア生活を楽しむ。自分のペースで暮らせるひとり暮らしと違い、イメージがつきにくいところもありますよね。

まず個室のプライバシーに関してですが、各個室の扉は鍵が付いていることがほとんどです。ひとりで過ごしたい気分のときは食事を自室でとる、1日自室にこもって仕事をするというシェアハウスの住人もいます。その意味では、個室におけるプライベート空間は確保されていると考えていいでしょう。

とはいえ、シェアハウスでは個室から出れば家のなかは共有の空間です。あまり自由にし過ぎると「夜中にうるさくされた」「キッチンの使い方が汚い」など、ひとりでは気にならないような問題が出て来ることもあります。全員と友達のように親しくする必要はありませんが、シェアメイト同士のコミュニケーションをとっておけばトラブルは未然に防げますし、何かと助け合うことができるケースもあります。

社会人の集まるシェアハウスだと、時間帯によっては広いリビングをひとりで使えることも。時たまそういう時間を持って気分転換するのもいいかもしれません。

いくら社交的な人でも、毎日生活していればひとりで静かに過ごしたいときもあるはず。お互いのプライベートを保てるよう、適度な思いやりを持って自然にコミュニケーションを取れることがシェアハウスで快適に過ごすコツといえるでしょう。

以上の点を考慮した上で「やはりプライベート重視派」という人はひとり暮らし、もしくは個室が広めの物件を選択するのがいいといえます。家に帰っても人と顔を合わせたい、適度にシェアメイトと顔を合わせてコミュニケーションを取りたい人は住人同士が仲のよさそうな物件を選ぶと楽しく過ごせそうです。

初期費用の違いが大きい

ひとり暮らしを始める時に必要となるのが「初期費用」です。通常の賃貸に引っ越す場合、必要な初期費用の目安は敷金・礼金・契約手数料などを含め、家賃の4〜6カ月分ほどと言われています。必要に応じ、これに加えて家具や家電を買い足す必要があるので予算を多めに見ておいた方がいいでしょう。

これに対して、シェアハウスの場合は初期費用が割安となります。デポジットと前家賃、共益費として約2カ月分強が相場のようです。物件や管理会社により、敷金・礼金やクリーニング代がプラスされることもあるので、入居したい物件が見つかった場合は管理会社に確認が必要です。

オープニング物件の場合は備え付けのもの以外、入居者同士でお金を出し合って共同で家具や家電を購入する場合もあります。それでもひとりで購入するよりは割安にすむことが多いです。

実家から引っ越す場合、海外から帰国して家具を持っていない場合で初期費用を抑えたいと考えている方はシェアハウスに住むという選択を視野にいれるといいかもしれません。

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この記事を書いた人

株式会社彩ファクトリー 代表取締役

10年前に国際交流経験を求めてシェアハウスに入居。自分自身が体感した「人との交流から得られる気づき、学び、視野の広がり、共に体験し、感動できる喜び」を、社会に受け入れられやすい形にリメイクして届けたいと、シェアハウスの事業化を決意する。 以来、勉強のために10物件に住み、200物件以上を見学、シェアハウス運営会社を副社長として設立し、デザイナーズシェアハウス4件を運営。その後、独立して株式会社彩ファクトリーを設立。 ひとり暮らしでは得られない「体験」の得られる環境にこだわり、コンセプトシェアハウスを17件プロデュース。全330室を運営。 起業家が切磋琢磨を楽しむ「起業家シェアハウス」は、起業家同士が日常的に相談し合い、刺激を与え合い、目標の実現を加速することを目指して運営。共用のセミナールームにてさまざまなビジネスイベントを開催している。これまで4年間運営し、上場企業の創業者や年商50億円規模の経営者も入居している。 また、「英語漬けシェアハウス」では、外国人が20パーセント以上となるように調整し、共用ラウンジでは英語で話すことをルール化、シェアハウス内で週2回の英会話レッスンを開催する。また、毎月国際交流パーティーを開催し、外国人との国際交流を日常化している。 その他、シングルマザーシェアハウス、東大合格シェアハウスなど、多くのコンセプトシェアハウスをプロデュースする。 彩ファクトリー http://irodorifactory.com

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