ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

融資条件によって返済額はどう変わる?

3000万円の住宅ローン、月々の返済額はいくらになるか

牧野寿和牧野寿和

2016/01/04

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

返済額は条件によってさまざま

 住宅ローンの毎月返済額は、借入額や返済方法、金利タイプなどによってさまざまです。返済期間や適用される金利によって、月々の返済額も、完済までの総返済額も大きく変わってきます。ここでは、条件別に具体的な数字を見ながら説明していきましょう。

●ケース1 借入額3000万円、金利3%、返済期間20年、全期間固定金利型
 たとえば、借入額3000万円を金利3%で借りた場合を考えてみましょう。返済期間20年の全期間固定金利型、ボーナス返済の利用はなしで返済方法は元利均等返済だったとすると、月々の返済額は16万6379円になります。よって、総返済額は3993万1027円となります。

●ケース2 借入額3000万円、金利3%、返済期間35年、全期間固定金利型
 ケース1の条件から、返済期間だけを35年に変えた場合はどうでしょうか。ボーナス返済を利用せずに元利均等返済を選んだとすると、月々の返済額は11万5455円。総返済額は4849万1124円となります。

●ケース3 借入額3000万円、金利2%、返済期間35年、全期間固定金利型
 今度はケース2の条件を金利だけ2%に変更した場合です。月々の返済額は9万9379円。総返済額は4173万9109円となります。

返済計画は何度でも見直しを

 同じ借入額でも、どう借りるか、どう返すかでこのように大きな違いが出てきます。返済額を大きく変えるポイントは、「金利」、「返済期間」、「返済方法(元利均等返済か元金均等返済か)」、「ボーナス返済や繰り上げ返済を利用するかしないか」です。

 返済をスタートしてからでも、条件変更や借り換えをすることで、毎月の返済額や総返済額が変わってきます。返済計画は決めたら放置するのではなく、後から何度も見直しを行なっていきましょう。

 申し込みの時点では条件のよい住宅ローンを組んでいたとしても、それよりさらに条件のよい商品が出てくることもありますし、環境の変化によって収入、支出のバランスが変わることもあります。ときには契約内容を変更していくことで、返済負担がかなり楽になることがあるということを覚えておいてください。

変動金利を利用したケースでは?

 次は、固定金利型ではなく変動金利型を利用した場合を見ていきましょう。

●ケース4 借入額3000万円、金利1.5パーセント、返済期間35年、変動金利型
 借入額3000万円を借りたとして金利が1.5パーセント、返済期間35年で、変動金利型を選んだ場合。この条件でボーナス返済の利用はなし、返済方法は元利均等返済だとすると、最初の5年間は月々の返済額が9万1855円になります。ただし、変動金利型は5年ごとに金利が見直されるため、総返済額がいくらになるのか、最初の時点では不明です(最初から総返済額がわかっているのは全期間固定金利型の住宅ローンだけ)。もし、金利が変わらず1.5パーセントのままだった場合の総返済額は、3857万9239円となります。

 住宅ローンに適用される金利がどのように決まるかは、金融機関や住宅ローンの種類によって異なります。適用される金利が決まるタイミングには違いがあるので、覚えておいてください。

 民間金融機関やフラット35の場合は、ローンを借り入れたその日の金利が適用されます。住宅を購入した日でも、申し込みをした日でもなく、ローンが実行された日の金利が適用されるのです。

 一方、公的ローンである財形住宅融資の場合は、申し込み時の金利が適用されます。建物の完成時や引き渡し時ではなく、財形住宅融資の申し込み日の金利となります。

 返済の方法や金額は、さまざまな条件で自分に合うものを選んでいくことができます。組み合わせのパターンは数多くありますから、どんな選択肢があるかをしっかり確認し、たくさんシミュレーションをしてみて最適なものを探しましょう。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

ページのトップへ

ウチコミ!