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60代の貯蓄・年金、賃貸住宅での孤独死、みんなの常識と実態は違う?

2019/10/20 住まいの大学

文/住まいの大学編集部

画像/123RF

全国60代の男女に「現在の貯蓄額について教えてください」と尋ねたところ、「100万円未満」がもっとも多かった…! そんな調査結果を株式会社日本ワークスが公表しています。同社は主に投資用マンションの企画、販売、管理などを行っている会社です。


今回の調査対象は1,110人とのこと。アンケートはインターネットを介して集められています。この中に「まさかの…!?」と、コメントが付されている項目があります。「退職金の使い道を教えてください」という質問に対する皆さんの答えです。複数回答可となっています。


1位は「貯蓄」です。割合は38.2%です。
3位は「生活費の足しにした」です。18.7%です。


では、間に挟まっている2位は?


「まさか」とされた2位は「退職金制度がない」です。33.8%です。


回答された方の3人に1人が、退職金を手にしていないか、手にする予定がない人であるという結果です。


勤めていた、あるいはいま勤めている会社に制度がないといったケースのほか、主婦、自営業の方などの回答が含まれている数字と見られますが、たしかに全体の1/3というのは、「まさかの…!?」と思えるものかもしれません。


この調査では、ほかにもちょっとした「まさかの…!?」が挙がっています。


ひとつは、冒頭にふれたものです。「現在の貯蓄額について教えてください」との質問に対する答えです。


こうなっています。


100万円未満 …27.4%(1位)
100~500万円未満 …21.3%(2位)
500~1,000万円未満 …15.1%
1,000~2,000万円未満 …13.4%
2,000~3,000万円未満 …7.5%
3,000万円以上 …15.3%


ご覧のとおり、100万円未満が全体の4分の1を超えているのみならず、500万円未満となると5割近くにのぼります。


近年、テレビなどでは毎週のように千数百万、数千万といった、振り込め詐欺等による高齢者の被害が報じられるため、お年寄りはまるでその多くがお金持ちであるかのような印象です。


そのため、やや下がって60代くらいもそうであろうかと思いきや…、ご覧のとおりの厳しい数字が当調査においては挙がっています。


そして、もうひとつの「まさか」です。年金の受給額です。「年金の受給額を教えてください」との質問に対して、答えはこうなっています。


5万円未満 …42.1%(1位)
5~10万円未満 …20.3%(2位)
10~15万円未満 …13.9%
15~20万円未満 …9.7%
20~25万円未満 …6.0%
25~30万円未満 …2.5%
30万円以上 …5.5%


これは、あくまで回答者お1人分の額とみられますので、ご夫婦で受給される場合の世帯の年金額よりはやや少ない数字が挙がっているものと思われます。


また、アンケートの対象となっている「60代」というのは、制度上微妙なくくりです。低い数字が多く出やすいものともいえるでしょう。


とはいえ、それにしても5万円未満が4割超、10万円未満だと6割超というのはインパクトのある数字です。年金制度のことをよくご存知の方はともかく、さきほどの貯蓄額同様、世間的なイメージからはやや離れているといってよいのではないでしょうか。


なお、当アンケートにおいて、回答者にある程度の偏りが生じている可能性ももちろん否定できません。


しかしながら、こうした調査によって、世の中に一定のイメージをもたらしているものの根底が崩れてしまうことはよく起こります。


たとえば、「ボーナスの額や使い道」といったものがそうです。


その結果とは別に、「そもそもボーナスが出ない会社がこれだけの割合存在する」といったデータが出てくると、話の印象はガラリと変わってきます。


そうした意味で、今回の株式会社日本ワークスさんによる調査結果、今後のわれわれの社会の行方を予測するひとつの資料として、覚えておいたほうがよいのかもしれません。


ところで、こうした「イメージの根底を崩す」といったデータですが、賃貸住宅の世界においてはどうでしょうか。


何かそれらしいものが存在するでしょうか?


ひとつ、重要なものを挙げましょう。それは、賃貸住宅内における「孤独死」に関するデータです。これについては、一般社団法人日本少額短期保険協会が、貴重な数字を挙げてくれています。


それは、同協会が公表している「第4回孤独死現状レポート」の中に示されています。


「少額短期保険会社の家財保険(孤独死特約付き)に加入している被保険者における、2015年4月~2019年3月までの孤独死のデータ」です。(2019年5月17日発表)


これによると、


孤独死の平均年齢は男女とも61歳
高齢者に満たない年齢(65歳未満)の割合は51.0%
60歳未満の現役世代が男女ともにおよそ4割を占める


と、なっています。


「孤独死といえば老人、高齢者」といったイメージとは、若干かけ離れているといってよいでしょう。ちなみに、同レポートによると、男性の孤独死死者のうちの28.6%が40~50代です。実に3割近くです。


女性の場合、16.1%が20~30代です。およそ6~7人に1人です。ちなみに、男性の場合20~30代の数字は8.8%に留まります。


いかがでしょうか。こうして実際に現場から上がったデータを見てみると、「孤独死が怖いから高齢者の入居はお断りしている」とおっしゃるオーナーさんは、実はそれほどリスクヘッジ出来てはいないのかも…


そんなこともよくわかってくるというわけです。


(文/朝倉継道 参照元/株式会社日本ワークスプレスリリース)



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