連載・トピックス / 不動産投資

空室がすぐに埋まる物件にある「備蓄倉庫」

内見者の心を動かしているのはこれ?

2019/11/10 住まいの大学

(文/住まいの大学編集部)

画像/123RF

マンション向けのインターネット接続サービスを提供している会社、株式会社つなぐネットコミュニケーションズが、「マンション居住者の防災対策に関するアンケートレポート2019」を公表しています。


同社が運営する、マンション居住者向け情報サイト「マンション・ラボ」のアンケート会員さん2,284名が回答されているとのことです。


こんな質問があります。


「現在ご家庭で実施している防災対策をお選びください(複数選択可)」


答えはこうなっています。


飲料水・食料の備蓄 …1,445人
停電への備え …1,059人
室内の安全対策 …862人
ガス供給停止への備え …735人
災害用トイレの備蓄 …735人
非常持出袋の準備 …703人
水が使えない際の衛生対策 …656人
地震防災の正しい情報や知識の収集 …612人
家族の安否確認対策 …526人
ケガへの備え …509人
室内復旧への備え …352人
特に何もしていない …312人
わからない …59人
その他 …7人


なお、上記に掲げるとおり、回答は「複数選択可」となっています。そのため、たとえば停電対策をしている人の多くは、ガス対策も、食料備蓄もといったかたちが想像されます。


他方、「特に何もしていない」との回答が312人分にのぼっています。「わからない」も59人です。これらについては、多いといっていいのでしょうか? それとも逆でしょうか? もしかすると、答えは後者かもしれません。


あの東日本大震災からまだ10年も経たない間に、熊本地震や北海道での地震、各地の台風被害等、われわれは休む間もなく、さまざまな自然災害に襲われ続けています。つい先日(2019年9月)の台風被害では、広範囲にわたる長期の停電も発生しました。


こうしたことが起こるたび、被害に遭われた皆さんの窮状が、メディアを通じ繰り返し報道されています。これらを見て、明日はわが身と多くの方が感じていることでしょう。ゆえに、上記の計371人(全体の約16%)という数は、災害への備えを何も考えていない人がいまはかなり少なくなっている、その結果としての数字なのかもしれません。


ところで、以上は「全国の10代~80代の主に分譲マンションにお住まいの男女」からの声ということになっています。すなわち、持ち家としてのマンションに住んでいらっしゃる方が中心です。


すると、賃貸の場合はどうでしょうか? 賃貸住宅の入居者さんも、多くが食料の備蓄や停電への備えなど、個々にされているのでしょうか?


これについて、目立った調査結果は見当たりませんが、賃貸住宅の場合、収納面での制限も多いことなどから、おそらくあまり期待はできないのでは。住人が集まって防災訓練を行うなども、管理組合のような組織があってこそのことです。賃貸ではきわめて例が少ないはずです。


ですが、本当はそれではよくありません。そこで、まれな例ですが、入居者さんに対し、災害時の互いの協力を呼びかけているオーナーさんもいらっしゃいます。とくに腕っ節の強そうな男性入居者さんに対しては、「頼りにしています」の旨伝えているとのこと。


さらには、管理会社がそれを行っている例もあります。旭化成不動産レジデンス株式会社の「あんしん共有住宅NewSafole」という女性専用物件での事例です。入居される方から、生活マナーを守ることとともに、災害時はお互い協力の旨、同意書をいただくかたちが採られています。


どちらも、いざというときには人命を救うなど、かけがえのない成果を生み出す可能性をもつ小さなアクションです。


さらに、こんな例もあります。


首都圏のある私鉄沿線に建つ賃貸マンションです。この物件よりも駅近で、しかも家賃は安く、仕様も似たようなライバル物件がいくつか存在するのですが、このマンションに関してはなかなかそれらに負ける様子がありません。空室が出てもあっという間に埋まってしまいます。


そこで「理由は?」と、この物件を何度か扱ったことのある仲介会社に尋ねてみたところ、


「これだけが決め手とは言い切れないが、ほかにはない珍しい設備がこのマンションにはある」


とのことでした。


それは、備蓄倉庫です。災害時用の共同収納庫です。入居者さん用のいわゆるサバイバルグッズが中に用意されているのです。もちろんオーナーが準備したものです。


「内見の際、入居希望者にかなりのインパクトを与えているようだ」とのことでした。以上、いくつかの例、ご参考になるかもしれません。


最後に、災害対策のため役立つモノのうち、賃貸オーナーとして、ぜひ入居者さんには持っていてほしい、そうでなければ自腹を切ってでも用意してあげたい、そんなアイテムをひとつ挙げておきましょう。


それは、非常用の簡易トイレです。


災害により、断水が起こり、トイレの水が流せなくなるケースでは、皆さん、備蓄しておいた水や配給された水などでなんとか窮地をしのごうとします。場所によっては、そばの川からバケツで水をすくってきて…、などということもおそらくあるでしょう。


ところが、災害が「地震」の場合はそれではダメ。まずいのです。なぜなら、地震の際は、揺れによってトイレの排水管が破損していることがあるからです。万が一そうなっていたら、へたに水を流すと「漏れ」や「逆流」が起こる可能性があります。


実際に皆さんの物件内でそれが起きたらと考えると…ゾッとしませんか?


「大きな地震のあとは、排水管の破損が無く、下水道も機能していることが確認されるまではトイレの使用は中止。断水の有無にかかわらず水は流してはいけない」


とくにマンションやアパートのような集合住宅では、このことの周知徹底が実は重要です。


(文/朝倉継道 参照元/株式会社つなぐネットコミュニケーションズプレスリリース)


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