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オーナーさん、なぜそんなものを部屋に置くの?

入居希望者が逃げ出します!(1/3ページ)

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イメージ/123RF

「あの虫」なんか怖くない! ある仲介会社のスタッフから聞いたお話です。募集が始まってしばらく経った物件に、内見のため、入居希望者をお連れしたときのことです。部屋の中で、いきなり入居希望者さんが、キャーッ!と声を上げたそうです。

「虫が!」

見ると、床の隅に大きな死骸が転がっています。多くの人が忌み嫌う、テカテカと黒光りするあの虫です。さらに、キッチンを見ると…、あります。誘引式の殺虫エサが置かれています。黒光りする虫は、どうやらこのエサを食べたのち、部屋を這いずり回りながら命を終えたようです。

入居希望者さん曰く、

「ここはもう見なくていいです! 次の物件へ連れていってください」

震えながら、そう訴えたそうです。エサを置いた張本人は、オーナーさんでした。害虫を少しでも退治しようと、次に住む人のためによかれと思い、置いたものでした。ただし、この一件、入居希望者の側にとってはありがたい事件です。

なぜなら、殺虫エサと、それを食べて実際に昇天した虫の姿を目の当たりにしたことで、「この部屋は出る!」という貴重な情報を手に入れられたことになるからです。一方、仲介会社はがっかりです。

「せっかく貴重な内見者を勝ち得たのに、オーナーさん、何てモノを置いてくれるんだろう。虫が心配だったら、相談してくれれば駆除作業を手配するのに…」

似たハプニングは、ご高齢のオーナーさんがよく起こされます。「あの虫なんか子どもの頃など家の中にいくらでもいた。見慣れたもんだ」で、若者のように怖がらない方も多いのです。

ある物件では、共用廊下に、やはり同じ虫が潰されて転がっていました。内見者はびっくりです。ところが、この死骸、実はオーナーさんが放置したものだったのです。

「朝に見かけたから踏み潰しておいたの。息子が明日来るから掃除をすると思うけど」

ご高齢の女性オーナーさん、放っておいて何がいけないの?といった表情でそうおっしゃったそうです。

ちなみにこの物件、この女性が自主管理されています。以前のオーナーは旦那さんだったのですが、建物の掃除や管理にとてもマメだった旦那さん、少し以前に亡くなってしまったのです。あとを引き継いだ奥様、残念ながら賃貸経営に熱心ではありません。

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この記事を書いた人

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