連載・トピックス / 不動産投資

外国人旅行者が6千万人に!?

ただし、賃貸住宅がめざす「王道」は多分こちらです

2019/11/25 住まいの大学

文/住まいの大学編集部

画像/123RF

2016年に政府が示した、訪日外国人旅行者数とその消費額の目標はこのようになっています。(「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」による決定)


訪日外国人旅行者数
2020年 4,000万人
2030年 6,000万人


訪日外国人旅行消費額
2020年 8兆円
2030年 15兆円


これに対し、日本政府観光局(JNTO)の発表による2018年の「訪日外客数」は、約3,119万人です。前年比プラス8.7%で、過去最高とのこと。


すると、2020年は…?


この年(来年)がオリンピック・パラリンピックの年であることを考えると、上記に掲げられた目標値(4,000万人)については、とりあえず達成されるのではないかと見る人も多いようです。


こうした中、「東京都内ではホテル等の宿泊施設が開業ラッシュを迎えている」とのレポートを株式会社マーキュリーがリリースしています。これによれば、2019年1月~2020年12月の間に竣工が予定されている新築のホテル・旅館等は、東京23区内の総計で175棟とのこと。


なお、棟数の区別1位は台東区(31棟)、合計敷地面積の1位は大田区、建築面積および延床面積それぞれの1位は港区となっていますが、この結果はまさに…


・小規模施設中心の開業が多い台東区
・羽田空港周辺での大規模開発が進む大田区
・大型プロジェクトが数字を引っ張る港区


それぞれのエリアの特徴が、はっきりと表れたものといってよいでしょう。なお、株式会社マーキュリーさんは、不動産業界向けのリサーチ、マーケティングなどの情報サービスを手がける会社です。


ところで、賃貸経営と外国人需要=インバウンドといえば、一時は「民泊」が大きな話題となりました。民泊に必要な、土地と建物からなる「物件」をそもそもお持ちのオーナーさんにとって、手軽かつ有力な選択肢が、いきなり増えたようにも見えたわけです。


ところが、これに登録制度や営業日数など法規制の網がかかって以降は、民泊は、参入するにしても、経営を持続させるにしても、いずれも一筋縄ではいかないものとなりました。(2018年6月のいわゆる民泊新法の施行)


たしかに規制は必要なことだったとはいえ、これにより現在、事業としては大きく魅力を失っているかたちです。一方、外国人の皆さんが日本で創り出してくれる市場といえば、短期の旅行者市場だけではありません。


留学、就職、ビジネスでの滞在、さらには移住といった長期にわたる居住での需要も、諸政策の影響などから今後は大きく増えることが予想されています。すなわち、数日間だけ泊まるための場所ではなく、長く住むための「家」を提供する賃貸住宅にとっては、こちらこそが王道です。


もっとも、賃貸住宅に外国人を迎えるということになると、トラブルなどの心配からこれを躊躇されるオーナーさんも少なくありません。ですが、たしかに文化や常識の違いによるハプニング等はあるものの、一方で、外国人入居者さんを賃貸住宅に迎え入れることにはメリットも存在します。


あまり知られていないそれらをいくつか挙げてみましょう。


■ネットワークで部屋が埋まる

外国人の皆さんの多くは、同じ出身国同士の強いネットワークで結ばれています。「あの物件は住みやすい」「オーナーさんがいい人だ」といった評判やクチコミによって、空室期間がほとんど生じずに部屋が埋まる経験を多くのオーナーさんがされています。


■供給が少ないので部屋が埋まる

地域に外国人入居者さんを迎え入れている物件が少ない場合、外国人の方から問合せがあると、仲介会社は真っ先に「外国人歓迎」の物件から紹介します。上記のネットワークに加えて、こうしたことでのメリットもよく聞かれます。


■3点ユニットの危機を救ってくれる

バスタブでお湯に浸かることにこだわらない方が多い外国人の場合、3点ユニットを嫌う傾向は、若い日本人ほど強くないようです。また、3点ユニットを「バスタブなしのシャワールーム」と「トイレ」に別ける省スペース型のリフォームでも、十分に喜んでもらえるケースが多いようです。


■家賃が上がることもある

「勝手に内緒でルームシェアされた」は、外国人入居者さんに絡んで時折聞かれるトラブルです。ですが、この逆もあります。ルームシェアをOKすることで、引き換えに家賃を上げさせてもらったオーナーさんもいらっしゃいます。入居者さん側としては、それでも2人で家賃を分担すればひとりで払うよりも出費が抑えられるため、結果として3者WIN・WINとなるかたちです。所得水準の低い国から来た留学生などにとって、ルームシェアは大変切実なニーズです。


■家賃滞納が日本人より少ない?

もちろん、巡り合わせや環境にもよりますが、「身元の確認さえきちんととれる人であれば、日本人よりも外国人の方が滞納は起こりにくい」との印象をもつオーナーさんが結構多いようです。万が一事故を起こした場合、「外国人を受け入れてくれる物件を探すのにまたひと苦労」という事情も背景にあるようです。


以上、いずれも実際に外国人入居者さんを受け入れているオーナーさんの声です。どうぞご参考にされてください。


(文/朝倉継道 参照元/株式会社マーキュリープレスリリース 画像/123RF)



人気記事ランキング

注目の講師

ウチコミ!